まだ新しい仕事は決まっていないみたいで家にはいるけど、お母さんに電話なんてしたらまた怒られてしまう。



「でも…」


「本当に、大丈夫ですから…」



ベッドからおりて、廊下に出ようとする。…だけど、足がもつれて近くにいた朝陽が慌てて支えてくれた。



「こんなフラフラで一人で帰らせないよ。俺が家まで送るから」


「…え」



朝陽がにこっと優しく微笑んできた。



「朝陽、鞄持ってきたけど、なんで朝陽のまで持ってくる必要あんの?」



向こう側から玲音が鞄を持ってやってきた。



「家まで明日香のこと送ってくるから、先生には適当に誤魔化しておいて」