「な、何それ!?いや意味わかんないんだけど!なんであさ…」


「しっ!花音、静かに…!」



今にも爆発しそうな花音を連れて慌てて廊下の隅っこに移動する。



「朝陽も意味がわかんないんだけど!急にキスしたくせに、なんでいつも通りでいられるわけ?なんなのあいつ!」


「いやでも、好きって言えない私も悪いから…。朝陽は多分私を慰めようとしてキスしただけなんだと思う。それがわかってるから余計告白する勇気もなくて…」


「そんなわけ…あるか、朝陽なら…」



もし今告白したとしても、振られるのが目に見えている。


この関係を壊してしまうと、修学旅行で気まずい思いをするのは私だけじゃないからそんな簡単にはできないのだ。



「んー朝陽かあ…。何考えてるかわかんないからな…。あ、でも最近あんまり女子と遊ばなくなったらしいよ。こういう中途半端な関係持つのもうやめるって急に言い出したって爽也から聞いた」


「そう、なんだ…」