「可哀想だから中は見えない程度に撮ってあげてる私に感謝してよねー?あ、やば。今一瞬写っちゃったかも」


「あははっ!ダメじゃん、しんどー」


「見して見してー」



…誰か、助けて。


誰でもいいから、私を助けてよ。



普段は人を自ら拒み突き放しているというのに、こういう時は誰かの助けを求めるなんて、我ながらすごく矛盾している。


あの日(・・・)から、人と一切関わってこなかった私には、助けてくれる“誰か”なんてこの世界に一人もいないというのに…。



「いいー?次私たちに逆らったら、この動画ネットにばらまくから」


「はー笑いすぎておなかすいちゃった」


「駅前にできたカフェ行こー!」



満足したように三人が出て行ってからも、しばらく呆然とその場に寝転がったまま動けなかった。