夜が明けたら君に幸せを。

「好きなんだろうね」



言葉にならない感情で汐江くんをバッと見上げる。



「あはは、めっちゃ驚くじゃん」


「だ、だって…そっかそうなんだ…」



大切な友達が好き同士って結構嬉しいことなんだな…。


花音は片想いなんかじゃなかった。



「花音たちみたいに純粋に想い合える恋愛が羨ましいよ」


「…え?」



汐江くんは海の向こうを悲しそうに見つめていた。



「如月さんが知ってる通り、俺は女たらしで今までいろんな女の子と遊んできた。…なのに、誰かを本気で好きになったことなんて一度もない。本当、クズで最低だよね」