雫 side



「キャンプか、だるいな」


「もうご飯よ。降りてきて~」
「あー、わかってるよ」


『仮面』がはずれている自分は、学校にいる時の明るい雰囲気を持つ女の子ではない。眼鏡とぼさぼさの髪。暗闇に満ちた部屋で小さいライトをつけながらスマホと向き合っている。本当はケータイ小説や本が大好き、だなんて友達には言えない。でも、学校では「韓国ドラマとかよく見てて好き!」といっている。本当は流行りただ調べているだけで、全然好きじゃないけど。けど、そんなことを心の中で呟ける夜は好き。でも、キャンプの日は一人の夜がこないことが酷くつらかった。


そういえば、キャンプの班は嫌いなあいつと同じだった。


*



「え、うちら同じ班じゃないのー?!」

プリントを見て、もう一度確認する。やっぱり仲いい子と違う班だ。でも、仲良いふりをしてる子と同じ班じゃなくて良かった。その代わりにプリントに書いてあったのは、3人組の中の一人、雨。その子はまったく話したことない。隣に、もう一人の名前がプリントに書いてある。その名前は、あいつだった。

「ほんとだ。雫だけ違う班だ」
「うちも雫と一緒が良かったー」
「まじそれな」

「あれ、雫って雨と同じ班か」
「そうみたい」

話しながら横目に雨の方を見た