僕は、いつものように教室のドアを開けた。雫の方に目をやると、明るい子たちのグループにいて、キャンプにいた時より声のボリュームをあげて話している。雨は、仲がいい2人と話していた。キャンプは終わってしまったけれど、いつもより教室が苦痛じゃなくなった。でも、今いる世界は変わらない。
僕たちがいる『学校』は明るくて楽しい青春を味わえる世界もある反面、息が詰まりそうで苦しい世界もある。そんな場所で、これからも僕たちは生きていく。
「最初から雫と雨に声をかけていたら学校生活が違ったかもな」
そんなことも思いついたけれど、言葉には出さずに心の奥にしまった。
たぶん、次こそは上手くいくはずだから
end



