雫 side


「実は、自分の性に違和感があるんだ」
泣き止んだ後、彗は少しずつ口を開いた。

「だから、いつもスカートじゃなくてズボンなんだ」
「うん。このこと始めて人に話したかも」

もっと知りたい。
心のどこかでそう思っている自分がいる。前までは彗のことが嫌いだったのに、嫌いじゃなくなっている。不思議だ。

彗と話していたら、気付かないうちに張り付けていた仮面がとれていた。


*

3人で話している空間は、案外居心地が悪くなかった。無理にテンションをあげなくて話さなくていいのが居心地がいい。

「ね、三人でトランプやらない?」

「いいね。僕もやる」

「雨も一緒にやろ!」
「うん!」

「罰ゲーム何にするー?」

「自分の悩みを一つ言うとかは?」

「わかったそれにしよ」