「ポチちゃん、とっても可愛く仕上がったね」
「えへへ」
早く寝ちゃったから、王様に謁見する朝はいつもよりも早く起きちゃったんだよ。
朝食を食べたら、早速昨日サイズ合わせをしたドレスを着たんだ。
髪も綺麗にセットしてもらって、準備万端なんだよ。
今日は領主様と奥様も一緒に行くので、領主様も奥様も服も髪型もビシッと決めているんだよ。
「おお、りっちゃんも可愛いね!」
「ふふ、ありがとうポチ」
りっちゃんも、綺麗なドレスを着て髪もキラキラしているんだよ。
まさに本物のお姫様って感じだね。
皆の準備もバッチリ終わって、いざ王宮へ出発です。
「昨日も見たけど、今日は何だか人がもっと多いなあ」
「謁見で勲章の授与があるから、関係する貴族が集まるからだよ」
「そうなんだ!」
王宮に沢山の馬車が入っていって、着飾った人が沢山玄関から王宮の中に入っていくの。
ポチ、何だかワクワクしてきたんだよ!
「こちらになります」
玄関ホールに着いたポチ達を、昨日と同じ侍従のお姉さんが出迎えてくれたんだ。
王宮の中を進んでいって、時間まで謁見の間に近い所の控室にいる事になったんだ。
コンコン。
「あれ? 誰が来たのかな?」
お茶と菓子をたべていたら、ドアがノックされたの。
ポチ達は立ち上がってドアの方に視線を向けたんだ。
「陛下、こちらにいらっしゃるとは」
「なに、先に顔を見ようと思ってな」
部屋の中に、とっても豪華な服を着た金髪のイケメンが入ってきたんだ。
昨日あった王妃様も一緒なんだよ。
あ、ちゃんと挨拶をしないと駄目だよね。
「陛下、はじめまして。ポチはポチです」
「うむ、幼いのに挨拶がしっかりしておるのう。余はこの国を預かる王のアーサーだ。昨日は息子と孫が世話になったな」
おお、陛下はカッコいい上にイケボイだ。
低いけど良い声だよ。
ポチの挨拶に、ニコリと笑ってくれたんだよ。
「リリーナ、ダンスの練習はどうかしら?」
「はい、何とか基礎のステップができましたので、頑張って練習を続けます」
「そう、それは良かったわ。大変だけど周りを見返すチャンスよ、頑張ってね」
「はい」
王妃様も、りっちゃんに昨日決まったラストダンスに向けての練習を聞いてきたんだ。
りっちゃんなら、きっと周りがびっくりする位のダンスができるはずだよ。
そして、ポチには別の問題が!
「すみません、おトイレに行ってきます……」
「流石に緊張するか。連れていってやってくれ」
「かしこまりました」
陛下もポチの事を気遣ってくれたけど、緊張するとなんでトイレが近くなっちゃうのだろうかな?
ポチは、侍従のお姉さんにトイレに連れて行って貰ったんだよ。
「ふう、危なかったよ」
謁見の間でお漏らししちゃったら大変だもんね。
ちゃんと手を洗って、これで大丈夫。
あれ?
何だか辺りが香水臭いなあ、と思った瞬間だったの。
ばしゃーん。
「え?」
突然頭から水をかけられちゃったの。
ポチ、何が何だか分からなかったんだよ。
びっくりして固まっちゃったら、ポチの後ろからあの香水の臭いがもっとしてきたんだ。
「おお、王宮に獣人がいるとはなんとも汚らわしい」
「綺麗にしないといけませんわね、お母様」
「ええ、あの車椅子の君の付き添いだもの。念入りに綺麗にしないとね」
ばしゃーん。
あの香水臭いおばさんともう一人が、手に持っている大きな水差しの水をポチの頭からかけたんだ。
ポチ、またびっくりして固まっちゃった。
「ふふ、綺麗になったかしら?」
「お母様、獣人はいくら洗っても不潔なものよ」
そして、香水臭い二人組はびしょ濡れになったポチの事を笑いながら洗面台のある所から出ていったんだ。
ポチ、突然の事で呆然としちゃったの……
「陛下、王妃様、公爵様。一大事で御座います!」
「うう、びしょびしょに、なっちゃった……」
「まあ、どうしたのポチちゃん!」
「何て事なの!」
ポチはびしょ濡れのまま控室に戻ったんだ。
ポチの姿を見て、王妃様と奥様がびっくりしちゃったの。
ポチ、段々と状況を理解したら涙が止まらなくなったんだ。
「ぐす、あの香水臭いおばさんともう一人がね、ぐすぐす、ポチは獣人だから汚いって、ぐす、水を頭からかけたの。りっちゃんと一緒にいるから、ぐす、汚らしいって、うう、二回も水をかけたの……」
「なんと言う事だ。直ぐに代わりの着替えを用意しろ」
「グレースのドレスなら、多分サイズが合うはずよ」
ポチがポロポロと涙を零しながら話をしたら、直ぐに陛下と王妃様が着替えの準備をしてくれたの。
侍従のお姉さんが、直ぐに用意してくれたタオルで頭とかを拭いてくれたけど、ポチの涙は止まらないんだ。
「奥様、ぐす、りっちゃん、うう、ドレスをびしょびしょに、ひっく、しちゃってごめんなさい……」
「ポチちゃんが謝る事はないんだよ」
「そうだよ。水をかけた人が悪いんだから」
りっちゃんもポチの頭をゴシゴシと拭いてくれたけど、朝侍従のお姉さんが折角綺麗に髪をセットしてくれたのに、全部駄目になっちゃったよ……
「お着替えをお持ちしました」
「よし、先ずは着替えさせよう。このままだと、風邪をひいてしまう」
「謁見は少し押しても良いわ。先ずはポチちゃんの事が優先よ」
パパパと侍従のお姉さんが着替えさせてくれて、別の豪華なドレスに着替え終わったの。
髪の毛をもう一回セットしてくれてジュースを飲んだら、ようやく涙が止まったんだ。
「あの馬鹿侯爵は、こうも問題を起こすとは」
「あの侯爵家は人族主義で、獣人が大嫌いなのよ。ポチちゃんには何の罪もないのにね」
陛下と王妃様が少し事情を話してくれたけど、あの香水臭いおばさんは獣人を差別する人なんだ。
あの香水臭いおばさんの娘がケイン様のお嫁さんになるのは、ポチ絶対に嫌だなあ。
ポチはほっぺをパンパンと叩いて、気合を入れ直したよ。
「もう大丈夫です。心配をかけました」
「良いんだよ。ポチちゃんは何も悪い事をしていないのだから」
ポチがペコっと謝ったら、領主様が優しく頭を撫でてくれたの。
領主様は本当に優しいよね。
「では、行くとするか。ちょうど侯爵もいるから、一言言っておくか」
少し遅れたけど謁見の準備をするよ。
陛下は少し考えながら、王妃様と共に部屋を出たんだ。
「では、我々も向かうとするか」
「はい!」
さあ、ポチも気を引き締めるよ。
「えへへ」
早く寝ちゃったから、王様に謁見する朝はいつもよりも早く起きちゃったんだよ。
朝食を食べたら、早速昨日サイズ合わせをしたドレスを着たんだ。
髪も綺麗にセットしてもらって、準備万端なんだよ。
今日は領主様と奥様も一緒に行くので、領主様も奥様も服も髪型もビシッと決めているんだよ。
「おお、りっちゃんも可愛いね!」
「ふふ、ありがとうポチ」
りっちゃんも、綺麗なドレスを着て髪もキラキラしているんだよ。
まさに本物のお姫様って感じだね。
皆の準備もバッチリ終わって、いざ王宮へ出発です。
「昨日も見たけど、今日は何だか人がもっと多いなあ」
「謁見で勲章の授与があるから、関係する貴族が集まるからだよ」
「そうなんだ!」
王宮に沢山の馬車が入っていって、着飾った人が沢山玄関から王宮の中に入っていくの。
ポチ、何だかワクワクしてきたんだよ!
「こちらになります」
玄関ホールに着いたポチ達を、昨日と同じ侍従のお姉さんが出迎えてくれたんだ。
王宮の中を進んでいって、時間まで謁見の間に近い所の控室にいる事になったんだ。
コンコン。
「あれ? 誰が来たのかな?」
お茶と菓子をたべていたら、ドアがノックされたの。
ポチ達は立ち上がってドアの方に視線を向けたんだ。
「陛下、こちらにいらっしゃるとは」
「なに、先に顔を見ようと思ってな」
部屋の中に、とっても豪華な服を着た金髪のイケメンが入ってきたんだ。
昨日あった王妃様も一緒なんだよ。
あ、ちゃんと挨拶をしないと駄目だよね。
「陛下、はじめまして。ポチはポチです」
「うむ、幼いのに挨拶がしっかりしておるのう。余はこの国を預かる王のアーサーだ。昨日は息子と孫が世話になったな」
おお、陛下はカッコいい上にイケボイだ。
低いけど良い声だよ。
ポチの挨拶に、ニコリと笑ってくれたんだよ。
「リリーナ、ダンスの練習はどうかしら?」
「はい、何とか基礎のステップができましたので、頑張って練習を続けます」
「そう、それは良かったわ。大変だけど周りを見返すチャンスよ、頑張ってね」
「はい」
王妃様も、りっちゃんに昨日決まったラストダンスに向けての練習を聞いてきたんだ。
りっちゃんなら、きっと周りがびっくりする位のダンスができるはずだよ。
そして、ポチには別の問題が!
「すみません、おトイレに行ってきます……」
「流石に緊張するか。連れていってやってくれ」
「かしこまりました」
陛下もポチの事を気遣ってくれたけど、緊張するとなんでトイレが近くなっちゃうのだろうかな?
ポチは、侍従のお姉さんにトイレに連れて行って貰ったんだよ。
「ふう、危なかったよ」
謁見の間でお漏らししちゃったら大変だもんね。
ちゃんと手を洗って、これで大丈夫。
あれ?
何だか辺りが香水臭いなあ、と思った瞬間だったの。
ばしゃーん。
「え?」
突然頭から水をかけられちゃったの。
ポチ、何が何だか分からなかったんだよ。
びっくりして固まっちゃったら、ポチの後ろからあの香水の臭いがもっとしてきたんだ。
「おお、王宮に獣人がいるとはなんとも汚らわしい」
「綺麗にしないといけませんわね、お母様」
「ええ、あの車椅子の君の付き添いだもの。念入りに綺麗にしないとね」
ばしゃーん。
あの香水臭いおばさんともう一人が、手に持っている大きな水差しの水をポチの頭からかけたんだ。
ポチ、またびっくりして固まっちゃった。
「ふふ、綺麗になったかしら?」
「お母様、獣人はいくら洗っても不潔なものよ」
そして、香水臭い二人組はびしょ濡れになったポチの事を笑いながら洗面台のある所から出ていったんだ。
ポチ、突然の事で呆然としちゃったの……
「陛下、王妃様、公爵様。一大事で御座います!」
「うう、びしょびしょに、なっちゃった……」
「まあ、どうしたのポチちゃん!」
「何て事なの!」
ポチはびしょ濡れのまま控室に戻ったんだ。
ポチの姿を見て、王妃様と奥様がびっくりしちゃったの。
ポチ、段々と状況を理解したら涙が止まらなくなったんだ。
「ぐす、あの香水臭いおばさんともう一人がね、ぐすぐす、ポチは獣人だから汚いって、ぐす、水を頭からかけたの。りっちゃんと一緒にいるから、ぐす、汚らしいって、うう、二回も水をかけたの……」
「なんと言う事だ。直ぐに代わりの着替えを用意しろ」
「グレースのドレスなら、多分サイズが合うはずよ」
ポチがポロポロと涙を零しながら話をしたら、直ぐに陛下と王妃様が着替えの準備をしてくれたの。
侍従のお姉さんが、直ぐに用意してくれたタオルで頭とかを拭いてくれたけど、ポチの涙は止まらないんだ。
「奥様、ぐす、りっちゃん、うう、ドレスをびしょびしょに、ひっく、しちゃってごめんなさい……」
「ポチちゃんが謝る事はないんだよ」
「そうだよ。水をかけた人が悪いんだから」
りっちゃんもポチの頭をゴシゴシと拭いてくれたけど、朝侍従のお姉さんが折角綺麗に髪をセットしてくれたのに、全部駄目になっちゃったよ……
「お着替えをお持ちしました」
「よし、先ずは着替えさせよう。このままだと、風邪をひいてしまう」
「謁見は少し押しても良いわ。先ずはポチちゃんの事が優先よ」
パパパと侍従のお姉さんが着替えさせてくれて、別の豪華なドレスに着替え終わったの。
髪の毛をもう一回セットしてくれてジュースを飲んだら、ようやく涙が止まったんだ。
「あの馬鹿侯爵は、こうも問題を起こすとは」
「あの侯爵家は人族主義で、獣人が大嫌いなのよ。ポチちゃんには何の罪もないのにね」
陛下と王妃様が少し事情を話してくれたけど、あの香水臭いおばさんは獣人を差別する人なんだ。
あの香水臭いおばさんの娘がケイン様のお嫁さんになるのは、ポチ絶対に嫌だなあ。
ポチはほっぺをパンパンと叩いて、気合を入れ直したよ。
「もう大丈夫です。心配をかけました」
「良いんだよ。ポチちゃんは何も悪い事をしていないのだから」
ポチがペコっと謝ったら、領主様が優しく頭を撫でてくれたの。
領主様は本当に優しいよね。
「では、行くとするか。ちょうど侯爵もいるから、一言言っておくか」
少し遅れたけど謁見の準備をするよ。
陛下は少し考えながら、王妃様と共に部屋を出たんだ。
「では、我々も向かうとするか」
「はい!」
さあ、ポチも気を引き締めるよ。


