目が覚めて、一番最初に目に入った光景は白い天井だった。
私は桜井家の一室で寝かされていた。ベッドサイドにはお母さんが付き添っていて、私を心配している様子だった。
「お母さん、、、」
声をかけると、お母さんは「未来!目が覚めたのね、良かった、、、」と身を乗り出した。
恐らく私の身に起きたことを桜井のお父さんから聞いたのだろう。
「当主様から電話を頂いて、、、もう大丈夫なの?」
「うん。、、、あのね、お母さん。誕生日プレゼントはいらないって言ったけど、、、あれを取り消して良い?」
お母さんは長い睫毛をしばたたき、それから「勿論。何が欲しい?」と聞いてくれた。
「、、、ベッドを引き取ってほしい」
そう、家にある二個のセミダブルベッド。
「、、、」
お母さんは不思議そうだった。
突拍子もないことを言い出す私に困惑しているようだったが、すぐに思い当たる節があったのか「あ〜!あのセミダブルベッドのこと?」と手を打った。
「大丈夫よ〜、お母さんもお父さんと同じ部屋で寝ているけど、問題ないから!まぁ、少し問題があるとしたらお父さんの寝相が悪いことかしら」
「お父さんとお母さんは夫婦だから一緒の部屋で寝れるんだよ!私、気まずくて睡眠の質落ちたからね!?」
「でも、小さい頃は悠斗様と蓮斗様と一緒に寝ていたじゃない」
「何歳の頃の話をしているの、、、?私、もうすぐ十六歳なんだけど?」
結局、桜井のお父さんとの話し合いの末、ベッドを引き取ることを承諾してくれた。
「あそこの道、昔に交通事故があったらしくてね。今回未来ちゃんに引き寄せられたのはその霊じゃないのかな?」
「そうなんですね、、、」
霊について、桜井のお父さんが教えてくれた。
「聞けば不憫な少年の霊だって言うし、除霊は二人がしたから僕はお役御免ってとこかな?実際、出る幕なかったからね〜」
ヘラヘラと相変わらずの性格に、緊張の糸が緩む。
「それで、未来ちゃんは二人のうち、どっちと結婚するか決めた?」
「え、、、っと、、、」
オロオロと返す言葉を探していると、笑みを絶やさず桜井のお父さんが口を開いた。
「そうだよね、急に選べって言われても困るよね。でも、悠斗と蓮斗のどっちを選んでも、未来ちゃんを幸せに出来ると僕は思う。親の贔屓目としてじゃなくて、ね」
小さい子供に言い聞かせるような口ぶり。すかさず悠くんが「その婚約を持ちかけたのは父さんだけどな」と鋭いツッコミ。
「、、、よし、こうしよう!未来ちゃんが高校を卒業するまで、一旦保留にしよう。高校を卒業したらもう一度聞く。それまで答えを用意しておいてね」
思いもよらない保留というか、延長の提案。
「あ、ありがとうございます!」
ペコッとお辞儀をしてから、桜井のお父さんの部屋を出た。
「うんうん、若人は元気で良いね」
「ジジくせぇこと言ってんじゃねぇよ」
「アハハ」
私は桜井家の一室で寝かされていた。ベッドサイドにはお母さんが付き添っていて、私を心配している様子だった。
「お母さん、、、」
声をかけると、お母さんは「未来!目が覚めたのね、良かった、、、」と身を乗り出した。
恐らく私の身に起きたことを桜井のお父さんから聞いたのだろう。
「当主様から電話を頂いて、、、もう大丈夫なの?」
「うん。、、、あのね、お母さん。誕生日プレゼントはいらないって言ったけど、、、あれを取り消して良い?」
お母さんは長い睫毛をしばたたき、それから「勿論。何が欲しい?」と聞いてくれた。
「、、、ベッドを引き取ってほしい」
そう、家にある二個のセミダブルベッド。
「、、、」
お母さんは不思議そうだった。
突拍子もないことを言い出す私に困惑しているようだったが、すぐに思い当たる節があったのか「あ〜!あのセミダブルベッドのこと?」と手を打った。
「大丈夫よ〜、お母さんもお父さんと同じ部屋で寝ているけど、問題ないから!まぁ、少し問題があるとしたらお父さんの寝相が悪いことかしら」
「お父さんとお母さんは夫婦だから一緒の部屋で寝れるんだよ!私、気まずくて睡眠の質落ちたからね!?」
「でも、小さい頃は悠斗様と蓮斗様と一緒に寝ていたじゃない」
「何歳の頃の話をしているの、、、?私、もうすぐ十六歳なんだけど?」
結局、桜井のお父さんとの話し合いの末、ベッドを引き取ることを承諾してくれた。
「あそこの道、昔に交通事故があったらしくてね。今回未来ちゃんに引き寄せられたのはその霊じゃないのかな?」
「そうなんですね、、、」
霊について、桜井のお父さんが教えてくれた。
「聞けば不憫な少年の霊だって言うし、除霊は二人がしたから僕はお役御免ってとこかな?実際、出る幕なかったからね〜」
ヘラヘラと相変わらずの性格に、緊張の糸が緩む。
「それで、未来ちゃんは二人のうち、どっちと結婚するか決めた?」
「え、、、っと、、、」
オロオロと返す言葉を探していると、笑みを絶やさず桜井のお父さんが口を開いた。
「そうだよね、急に選べって言われても困るよね。でも、悠斗と蓮斗のどっちを選んでも、未来ちゃんを幸せに出来ると僕は思う。親の贔屓目としてじゃなくて、ね」
小さい子供に言い聞かせるような口ぶり。すかさず悠くんが「その婚約を持ちかけたのは父さんだけどな」と鋭いツッコミ。
「、、、よし、こうしよう!未来ちゃんが高校を卒業するまで、一旦保留にしよう。高校を卒業したらもう一度聞く。それまで答えを用意しておいてね」
思いもよらない保留というか、延長の提案。
「あ、ありがとうございます!」
ペコッとお辞儀をしてから、桜井のお父さんの部屋を出た。
「うんうん、若人は元気で良いね」
「ジジくせぇこと言ってんじゃねぇよ」
「アハハ」



