君が目を覚ますまで、ずっと傍にいようと決意した。
だけど、やっぱり悲しくて。

君の名前を呟く。
その声は風に吹かれ、空気に溶けてゆく。

「・・・ーーー」

掠れた、今にも消えてしまいそうな。
ずっと、聞きたいと思っていた。

もう一生、聞けないんじゃないかって思っていた。
その声で呼んでほしかった。

何度も君の名前を呼んだ。
そんな僕を苦笑いしながら見つめる君。

「・・・ーーー」
触れたくて握った手はいつのまにか、びしょぬれで。

そんな君の手を強く、強く握りしめた。