神丹口市県■■■市の山奥には入り口に柵と「見続ける」と書かれた看板が置かれた通称「視線村」がある。
　「視線村」の詳しい所在地はわかっておらず、航空写真からも確認ができていない。
　2024年2月30日にドキュメンタリー番組「秘境へGo!」で「視線村」に行くという内容で生放送が行われた。
　冒頭では明るく、視聴者を楽しませるような内容の会話がスタジオと現地で交わされていたが、村に入って最初の家を訪れた際、黒い影がカメラにとらえられ、スタジオが盛り上がりを見せた。
　そこで現場にいる班はその黒い影のいたと思われる物陰に近づき、それをカメラではっきりと捉えた。
　カメラには黒く腐敗した人体と思われるものが転がっている様子がとらえられ、撮影の続行は危険だと判断され、現場にいる者には退散の指示が出された。
　その後ほとんどのカメラの接続が切られたが、一部接続が続いていたカメラを見ると、入口を探し走り回っている数名の人影が映っており、しばらく歩いた時に、入口のあるはずのところは塞がれており、横に道が続いている所を走って行った。
　しばらくすると、「立ち入り禁止」と書かれた看板と鎖で行く手を塞いでいるところがあり、やむを得ず鎖をまたぐ。
　一部しか見えなかったが、そこには目をくりぬかれた様々な生き物が転がっており、肉塊のような何かをつなぎ合わせたような物の一部も映っていて、「逶ｲ逶ｮ縺ｮ逾槭↓蜈峨ｒ」という人の声も録音されていた。
　叫び声が聞こえ、元の道を引き返すが、その後何かで強打されたような音が聞こえ、カメラの接続が中止された。
　以降、現地への撮影に参加した人物の安否は不明であり、何度か捜索されたことがあったが、いずれも失敗に終わっている。
　その後も■■■市の山付近では多くの人の出入りが確認され、そこで行方不明になる人も少なくないそう。
　「視線村」から生還したと思われる人によると、「みんな”あれ”の目になった。私はずっと見られてる。その目をくれ、くれって…」と明言しており、その人はその後重度の精神疾患を患い「目が取られる!目が取られる!」と言い常に目を何かで守るように覆うようになった。
　900年代■■■市の山周辺は瞳の都とされ、目を司る神が祀られていた。
　だが、ある時長期的な大雨が起き、土砂で畑は荒らされ、目も当てられない状況となっていた。
　それからは米の不作が続き、以前栄えていた都はみるみる衰退していった。
　「目神様が悲しみのあまり失明なされたんだ」と生贄を決めて神に目を捧げるべきだという過激派が生まれ、生贄の風習が根付いていった。



この物語はフィクションであり、登場する全て架空の団体、人物は実在しないものであり、実在する団体、人物とは関係ありません。


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