【先輩side】
アラームの音で、俺は目を覚ました。
起きることを億劫に思っていたが、家の前を小学生が騒ぎ通る声を聞いて、そろそろ起きなければと悟って起き上がる。
時計を見ると、7時半になろうとしていた。
「朝ご飯は諦めるか……」
とりあえず、昨夜親が干してくれていたであろうワイシャツを見つけ、制服に着替える。
一階に降りて、暗いリビングの明かりをつけ、テーブルに置いてある1000円札をポケットにしまう。
それから顔を洗って、歯を磨き、軽く寝癖を整える。
気づけばもう8時。
前日に教科書を用意していてよかった。
リュックをつかみ、戸締まりの確認だけして、俺は家を出た。
「時間あるかな…」
腕時計を確認しながら、行きがけに最寄りのコンビニに立ち寄る。
以前の俺なら適当に一番上の弁当をつかみ取ることもできたが、今はそうはいかない。
最近、ひょんなことで知り合った後輩と、お昼ご飯を交換するのが日課になっているからだ。
人に食べさせるのだと思うと、時間の余裕はないのについじっくり吟味してしまう。
「……よし」
この前、何気なくコンビニ飯が続いて先輩は太らないのかと聞かれたことを思い出し、今日はなるべくヘルシーを心掛けた。
まだ交換を初めて数日だからよいけれど、先輩と昼ご飯を交換し始めてから太りました、なんて言われたら申し訳なさすぎる。
サラダとチキンと、低糖質パン。それにカットフルーツ。
買ってから、言外に太ったと思っているなんて勘違いされないか一瞬不安がよぎった。とはいえ買ってしまったものはしかたがない。
買いなおす時間もお金もない。
俺は諦めてコンビニを出た。
「そもそもあの弁当を作る子だからなぁ……」
身をみはるほど健康的な弁当を作る彼女からしたら、コンビニのパンが低糖質かどうかくらいじゃヘルシーだなんて感じないかもしれない。
最近見慣れた後輩の顔を思い浮かべながら、俺は学校へ向かうのだった。
アラームの音で、俺は目を覚ました。
起きることを億劫に思っていたが、家の前を小学生が騒ぎ通る声を聞いて、そろそろ起きなければと悟って起き上がる。
時計を見ると、7時半になろうとしていた。
「朝ご飯は諦めるか……」
とりあえず、昨夜親が干してくれていたであろうワイシャツを見つけ、制服に着替える。
一階に降りて、暗いリビングの明かりをつけ、テーブルに置いてある1000円札をポケットにしまう。
それから顔を洗って、歯を磨き、軽く寝癖を整える。
気づけばもう8時。
前日に教科書を用意していてよかった。
リュックをつかみ、戸締まりの確認だけして、俺は家を出た。
「時間あるかな…」
腕時計を確認しながら、行きがけに最寄りのコンビニに立ち寄る。
以前の俺なら適当に一番上の弁当をつかみ取ることもできたが、今はそうはいかない。
最近、ひょんなことで知り合った後輩と、お昼ご飯を交換するのが日課になっているからだ。
人に食べさせるのだと思うと、時間の余裕はないのについじっくり吟味してしまう。
「……よし」
この前、何気なくコンビニ飯が続いて先輩は太らないのかと聞かれたことを思い出し、今日はなるべくヘルシーを心掛けた。
まだ交換を初めて数日だからよいけれど、先輩と昼ご飯を交換し始めてから太りました、なんて言われたら申し訳なさすぎる。
サラダとチキンと、低糖質パン。それにカットフルーツ。
買ってから、言外に太ったと思っているなんて勘違いされないか一瞬不安がよぎった。とはいえ買ってしまったものはしかたがない。
買いなおす時間もお金もない。
俺は諦めてコンビニを出た。
「そもそもあの弁当を作る子だからなぁ……」
身をみはるほど健康的な弁当を作る彼女からしたら、コンビニのパンが低糖質かどうかくらいじゃヘルシーだなんて感じないかもしれない。
最近見慣れた後輩の顔を思い浮かべながら、俺は学校へ向かうのだった。
