======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
草薙あきら・・・元ホワイトハッカーで警視庁からEITOに出向していた職員だったが、今はアマチュア発明家をしている。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視庁警視正。
藤堂所縁(ゆかり)・・・健太郎の担任。ミラクル9の顧問。
藤井進・・・伝子のマンションの仕切り隣の藤井の孫。大学卒業後、サラリーマンをしていたが、警察官になった。丸髷署巡査部長。
橋爪哲夫・・・元丸髷署勤務の警部補だった。今は警備員をしている。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時半。モール外の公園。
健太郎達は、野球をしている。
ベンチの所で、ぼんやりと健太郎達を見ていた老人の近くで、小学1年生の男の子が、ベンチの近くを走り回っている。
その内、からかうような素振りを見せた、男の子に対して、老人は、『首を絞めるポーズ』をした。
すると、母親が近寄ってきて、「今、うちの子の首を絞めようとしたわね。」そう言って、母親は、110番をした。
驚いた老人は「なんで事件にするんや?」と言って逃げた。
様子を見ていた藤堂と健太郎達は、母親に近寄って来て、尋ねた。
「どうしたの?」「警察呼んだの?」「事件?事件?」
「落ち着きなさい。」と、藤堂は窘めて、母親に事情を聞いた。
午後5時。丸髷署。取り調べ室。
被疑者の蓬莱欽一が、項垂れている。
「被害者の母親の訴えで、緊急逮捕したが、容疑は晴れたよ。あのベンチのすぐ近くに防犯カメラがあるのを知っている?」
「そうなんですか?」
「以前は、『ここにカメラがありますよー』って、アピールするみたいにカメラが設置されていたが、悪い奴らは死角を突いてくる。だから、死角用防犯カメラが、設置されるようになった。開放するんだから内緒にしてくれよ。その死角用カメラには、『首を絞めるポーズ』をする、あなたが映っている。相手は8歳の男の子だ。普通に『悪戯返し』することはあるさ。あの子も度が過ぎた。それと、小学校の先生とミラクル9の証言もある。本当に首に手をかけたかどうかは判別出来る距離にいた、と言っている。私だったら、こうするけどね。」
そう言って藤井巡査部長は、拳を握って頭上に上げた。
蓬莱が出て行った後、久保田あつこが奥から出てきて言った。
「上出来よ。カメラの件がハッタリでも、本物のカメラから充分推測出来る映像だから。」「3D解析ですね、警視正。」「身内にえこひいきもしていないし。」「了解です。」
午後5時15分。
取り調べ室から出てきた蓬莱に向かって、男の子の母親は、頭を下げた。
「勘違いして申し訳ありませんでした。」
蓬莱は、手を振りながら、笑って出て行った。
男の子が母親と帰って行った後、藤堂は健太郎に尋ねた。
「なんで、はしゃいでいたか、判った?」「欲しかったゲーム買って貰ったんだって。モールで。」と、横から、おさむが言った。
「先生、おさむも誘導尋問上手いんだ。俺より警察官の素質あるよ。」と、健太郎が言った。
「おさむは、推理したんだよね。作家だから。」
「みんな、いい探偵よ。クレープ、奢ってあげようと思ったけど、もう遅いから明日ね。」
「先生。約束よ。」未玖が言い出して、皆と「げんまん」をした。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
草薙あきら・・・元ホワイトハッカーで警視庁からEITOに出向していた職員だったが、今はアマチュア発明家をしている。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視庁警視正。
藤堂所縁(ゆかり)・・・健太郎の担任。ミラクル9の顧問。
藤井進・・・伝子のマンションの仕切り隣の藤井の孫。大学卒業後、サラリーマンをしていたが、警察官になった。丸髷署巡査部長。
橋爪哲夫・・・元丸髷署勤務の警部補だった。今は警備員をしている。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午後3時半。モール外の公園。
健太郎達は、野球をしている。
ベンチの所で、ぼんやりと健太郎達を見ていた老人の近くで、小学1年生の男の子が、ベンチの近くを走り回っている。
その内、からかうような素振りを見せた、男の子に対して、老人は、『首を絞めるポーズ』をした。
すると、母親が近寄ってきて、「今、うちの子の首を絞めようとしたわね。」そう言って、母親は、110番をした。
驚いた老人は「なんで事件にするんや?」と言って逃げた。
様子を見ていた藤堂と健太郎達は、母親に近寄って来て、尋ねた。
「どうしたの?」「警察呼んだの?」「事件?事件?」
「落ち着きなさい。」と、藤堂は窘めて、母親に事情を聞いた。
午後5時。丸髷署。取り調べ室。
被疑者の蓬莱欽一が、項垂れている。
「被害者の母親の訴えで、緊急逮捕したが、容疑は晴れたよ。あのベンチのすぐ近くに防犯カメラがあるのを知っている?」
「そうなんですか?」
「以前は、『ここにカメラがありますよー』って、アピールするみたいにカメラが設置されていたが、悪い奴らは死角を突いてくる。だから、死角用防犯カメラが、設置されるようになった。開放するんだから内緒にしてくれよ。その死角用カメラには、『首を絞めるポーズ』をする、あなたが映っている。相手は8歳の男の子だ。普通に『悪戯返し』することはあるさ。あの子も度が過ぎた。それと、小学校の先生とミラクル9の証言もある。本当に首に手をかけたかどうかは判別出来る距離にいた、と言っている。私だったら、こうするけどね。」
そう言って藤井巡査部長は、拳を握って頭上に上げた。
蓬莱が出て行った後、久保田あつこが奥から出てきて言った。
「上出来よ。カメラの件がハッタリでも、本物のカメラから充分推測出来る映像だから。」「3D解析ですね、警視正。」「身内にえこひいきもしていないし。」「了解です。」
午後5時15分。
取り調べ室から出てきた蓬莱に向かって、男の子の母親は、頭を下げた。
「勘違いして申し訳ありませんでした。」
蓬莱は、手を振りながら、笑って出て行った。
男の子が母親と帰って行った後、藤堂は健太郎に尋ねた。
「なんで、はしゃいでいたか、判った?」「欲しかったゲーム買って貰ったんだって。モールで。」と、横から、おさむが言った。
「先生、おさむも誘導尋問上手いんだ。俺より警察官の素質あるよ。」と、健太郎が言った。
「おさむは、推理したんだよね。作家だから。」
「みんな、いい探偵よ。クレープ、奢ってあげようと思ったけど、もう遅いから明日ね。」
「先生。約束よ。」未玖が言い出して、皆と「げんまん」をした。
―完―


