======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 筒井さつき・・・筒井と新里の娘。
 藤井進・・・伝子の仕切り隣の藤井の孫。大学卒業後、サラリーマンをしていたが、警察官になった。巡査部長。
 筒井隆昭・・・おさむの母、大文字伝子の同級生で、警視庁テロ対策室からの出向で、EITOで一緒に働いている。
 筒井(新里)あやめ・・・警視庁テロ対策室勤務。

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 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 みどりは、男に言った。
 「おじさんは、誘拐とか強姦とか殺人とか、どういう罪になるか知ってるの?」
 男は一瞬、怯んだが、返答した。
 「知ってるよ。でも、お嬢ちゃんに道を尋ねたことで、どういう罪になるのかな?」
 「ふうん。建造物侵入って罪は?」「家の中には入っていないだろ?
 「家の中には?じゃ、庭には入ったんだよね。塀と家の間も『庭』だよ。」
 「入ったって証拠は?お嬢ちゃんが見ただけじゃ証拠にならないよね。警察行こうか。」
 「いいよ。困るのは、おじさんだよね。おじさん、普段どんな仕事してるの?サラリーマンじゃないよね。」
 「もう、いいから、こっち来い!」
 みどりは、ランドセルの横の紐を引っ張った。
 大人の男の声で叫び声が出た。
 「火事だあ!火事だあ!!」
 その家の近所の人達が出てきた。
 男が狼狽していると、近所の人達に向かって、みどりが言った。
 「この人、痴漢よ。レイプされそうになったの。嫌って言ったら、無理矢理・・・。」と言い、泣き出した。
 そこへ、警察官がやって来た。
 「どうしました?火事の様子はなさそうだが・・・。」
 男が逃げ出そうとしたら、警察官は言った。
 「誘拐未遂の現行犯で逮捕する。」警察官は、非常に手錠をかけた。
 みどりは、ICレコーダーを、もう1人の警察官に渡した。
 警察官達は、後から来た警察官に敬礼して去って行った。
 「私は、この地区の担当の藤井進と言います。お騒がせしました。」藤井は、近所の人の視線を浴びながら、敬礼して、みどりと去った。
 少し、離れた場所にある、公園。
 ミラクル9が待っていた。
 「みどり、勇気あるなあ。」と、悦司が言った。
 「お芝居、上手かったよ、ウチのお父さんとお母さんにも後で聞かせよう。」と、めぐみが言った。
 みどりはICレコーダーで録音する一方、Linenで皆とLive中継し、めぐみは、それを録音していた。
 「みど。ありがと。私、私・・・。」と、側に寄って来た、さつきが泣き出した。
 さつきは、筒井と新里の娘だった。さつきは、ストーカーらしき男に家を突き止められた、と転校する前に友達になった、みどりに相談した。
 男に覗かれていた家は、以前尾行された時にさつきは『まいた』のだが、咄嗟に入った家だった。
 さつきも、『住居侵入』していたので、警察官である両親に言いづらかった。
 そこで、みどり経由で、ミラクル9が乗り出すことになった。
 藤井のスマホが鳴動した。警察無線ではないから、私用だ。
 電話の相手は、言った。
 「おさむ君に替わってくれ。」藤井がスマホをおさむに差し出した。
 「シナリオ書いたのは、おさむか。高遠の息子だけあって、小回りが利くな。あの男は前科3犯。再発しやすいからな、こういうのは。よく『逮捕』した。さつきに言ってくれ。親が警察官だから、といちいち気にして行動しなくていい。本当は早く話してくれれば良かったんだが。実は、君たちの噂を聞いたのか、地元でも『ガールズ8』っていう『少年探偵団』がある。さつきも誘われているらしいが、言い出せないでいるらしい。大いに歓迎するさ。友達は、色んな影響を与えてくれる。大文字を見れば分かるだろ?ずっと仲間を大切にしているのがお前の母親だ。そして、お前の父親だ。さつきに、『夕飯はオムレツ』って言っておいてくれ。」
 おさむは、途中から、スピーカーをオンにしていた。
 みどりは、さつきの肩を抱いた。
 「ミラクル9でなくて残念だけど、ガールズ8で頑張って。」「うん。」
 「じゃ、みんな、ご苦労様。僕は任務に戻るよ。」
 そう言って、藤井は去って行った。
 10人は、オムレツの話をしながら、夕焼けの下を歩いて帰った。
 ―完―