「仲良くやってるねー…ッじゃねぇ!何勝手に安心してんだよ!!俺がユウキを好きなことバラしやがって!ふざけんなよ!ついでに癖までバラしやがって!言って良いことと悪いことあんだろ!!クソババア!」
ばあちゃんは、ほぼ家の仏壇に飾ってある遺影の写真と同じようにそこにいる。まるで3D映像か、もしくはアクリルスタンドのようだと思う。
ノゾミは「此処で会ったが百年目」とばかりにそこに向かって勢いよく言葉をぶつける。積年の恨みを募らせた言葉なのにも関わらず、ばあちゃんは微かに微笑んでいるだけで、ノゾミへの言葉に対して反論はしない。ノゾミの私怨が強いからから、それともばあちゃんとノゾミの間に何かあるのか会話が成立している。僕とノゾミの霊の見え方は同じではなく若干違う。
「あぁ?孫自慢かよ!全然似てねぇっつーの!!あぁん??ババアの若い頃にそっくりだぁあ!?んなわけねーだろ!寝言言ってんじゃねえ!!ユウキのほうが数億倍顔良いし!その辺の女子より可愛いわ!」
えっ
「しかも、頭良いし!優しいし!!字綺麗だし!守ってやりたくなるだろうが!!」
ちょっと…
「はぁあ?当たり前だろそんなん!幸せにできなきゃ男じゃねぇ!!はっ!抱けるかだって?そんっ……」
待って
「ストップ!」
「??」
ばあちゃんと会話をしていたノゾミの口を僕が溜まらずに塞ぐ。
ノゾミは僕を見た。僕は顔から火が出そうだった。
「今それ、全部声に出てるから…っ!」
「?」
最初ノゾミは訳がわからなそうな表情をしていたが、僕が口から手を離すと、しまった!はめられた!という表情をして、同じく顔を赤て言葉を失っていた。
「なっ…!」
「…」
今度は、僕がノゾミから視線を逸らした。
溜まらない気持ちになってしまう。
「おいっ!!ババア!またはめやがったな!」
ノゾミは、目を見開いて更に文句を言おうとしていたが、ばあちゃんは口角を上げて微かに歯を見せると、大きく何度か頷いて消えていった。
「表に出ろ!クソババア!!」
「…」
この空気どうすんだよ、ばあちゃん!と、心の中で、無責任に消えていった自らのばあちゃんに話しかけたが、答えはない。
「っち!」
「…」
ノゾミはガシガシと頭部をかいていた。
褒めちぎられて困惑する。僕のことをそんなふうに思ってくれてるんだという思いが、嬉しいような恥ずかしいような。そういうことは、普通思っていても、本人に言うことじゃない。
喧嘩腰なところがノゾミっぽいし嘘じゃないんだと思う。でも本心だと思うと更に羞恥心に拍車がかかる。
「…今のって、こないだ言ってた口説くってやつ?」
「ちげぇわ!!」
念の為確認すると、否定される。
「ああ!また言わされた!クソ!」
「…」
なんでばあちゃんは、ノゾミのことを嗾けるんだろう。
僕とノゾミの仲が深くなることに意味はあるんだろうか。
というか、ノゾミは自分がゲイな自覚はあるが、僕はどうなんだろう?
ノゾミを好きなんだろうか?ノゾミを好きになるとゲイになるのだろうか?
「ユウキ?」
「?」
少し赤い顔がおさまったノゾミはいう。
「絆されんなよ」
「?」
何が?
とわかっていない僕にノゾミは続ける。
「ババアの言うこと鵜呑みにすんなってことだよ」
「どう言うこと?」
僕はいまいち意味がわからなかった。
「俺はお前のこと好きだけど、お前はそうじゃねぇだろ?」
何それ…
なんか、強制的に線を引かれたような気がして棘が刺さった。
「っていうか…あぁあーまた好きって…そのー」
ノゾミは、天を仰いで自らの失言を恥じていた。
ばあちゃんは、ほぼ家の仏壇に飾ってある遺影の写真と同じようにそこにいる。まるで3D映像か、もしくはアクリルスタンドのようだと思う。
ノゾミは「此処で会ったが百年目」とばかりにそこに向かって勢いよく言葉をぶつける。積年の恨みを募らせた言葉なのにも関わらず、ばあちゃんは微かに微笑んでいるだけで、ノゾミへの言葉に対して反論はしない。ノゾミの私怨が強いからから、それともばあちゃんとノゾミの間に何かあるのか会話が成立している。僕とノゾミの霊の見え方は同じではなく若干違う。
「あぁ?孫自慢かよ!全然似てねぇっつーの!!あぁん??ババアの若い頃にそっくりだぁあ!?んなわけねーだろ!寝言言ってんじゃねえ!!ユウキのほうが数億倍顔良いし!その辺の女子より可愛いわ!」
えっ
「しかも、頭良いし!優しいし!!字綺麗だし!守ってやりたくなるだろうが!!」
ちょっと…
「はぁあ?当たり前だろそんなん!幸せにできなきゃ男じゃねぇ!!はっ!抱けるかだって?そんっ……」
待って
「ストップ!」
「??」
ばあちゃんと会話をしていたノゾミの口を僕が溜まらずに塞ぐ。
ノゾミは僕を見た。僕は顔から火が出そうだった。
「今それ、全部声に出てるから…っ!」
「?」
最初ノゾミは訳がわからなそうな表情をしていたが、僕が口から手を離すと、しまった!はめられた!という表情をして、同じく顔を赤て言葉を失っていた。
「なっ…!」
「…」
今度は、僕がノゾミから視線を逸らした。
溜まらない気持ちになってしまう。
「おいっ!!ババア!またはめやがったな!」
ノゾミは、目を見開いて更に文句を言おうとしていたが、ばあちゃんは口角を上げて微かに歯を見せると、大きく何度か頷いて消えていった。
「表に出ろ!クソババア!!」
「…」
この空気どうすんだよ、ばあちゃん!と、心の中で、無責任に消えていった自らのばあちゃんに話しかけたが、答えはない。
「っち!」
「…」
ノゾミはガシガシと頭部をかいていた。
褒めちぎられて困惑する。僕のことをそんなふうに思ってくれてるんだという思いが、嬉しいような恥ずかしいような。そういうことは、普通思っていても、本人に言うことじゃない。
喧嘩腰なところがノゾミっぽいし嘘じゃないんだと思う。でも本心だと思うと更に羞恥心に拍車がかかる。
「…今のって、こないだ言ってた口説くってやつ?」
「ちげぇわ!!」
念の為確認すると、否定される。
「ああ!また言わされた!クソ!」
「…」
なんでばあちゃんは、ノゾミのことを嗾けるんだろう。
僕とノゾミの仲が深くなることに意味はあるんだろうか。
というか、ノゾミは自分がゲイな自覚はあるが、僕はどうなんだろう?
ノゾミを好きなんだろうか?ノゾミを好きになるとゲイになるのだろうか?
「ユウキ?」
「?」
少し赤い顔がおさまったノゾミはいう。
「絆されんなよ」
「?」
何が?
とわかっていない僕にノゾミは続ける。
「ババアの言うこと鵜呑みにすんなってことだよ」
「どう言うこと?」
僕はいまいち意味がわからなかった。
「俺はお前のこと好きだけど、お前はそうじゃねぇだろ?」
何それ…
なんか、強制的に線を引かれたような気がして棘が刺さった。
「っていうか…あぁあーまた好きって…そのー」
ノゾミは、天を仰いで自らの失言を恥じていた。
