「うわっ」
「きたきた!」
咄嗟に両腕で頭をガードするけれど雨粒にはそんなに効果がない。
壇上に立っている校長先生が教室へ戻るように指示を出してくるが、それより先に走り出している生徒もいる。
一瞬にして周囲に雨の匂いが広がる。
熱された土やアスファルトが湿り気を帯びて、ムワッとした空気が下から上に上がってくる。
「美佳、教室に戻ろう」
希が私の手を掴んで歩き出そうとしたときだった。
3年生の列が騒がしくなりそちらに視線を向けるとひとりの女子生徒が座り込んでいるのが見えた。
顔色は真っ青で苦しそうに呼吸を繰り返している。
すぐに気がついた男性教師が駆け寄り、小柄な彼女をおんぶして校舎へと走っていく。
「今の誰? 大丈夫なのかな?」
希のつぶやきに私は「わからない」としか返事ができない。
雨脚は更に強くなり私達も大慌てで校舎へと向かったのだった。
「きたきた!」
咄嗟に両腕で頭をガードするけれど雨粒にはそんなに効果がない。
壇上に立っている校長先生が教室へ戻るように指示を出してくるが、それより先に走り出している生徒もいる。
一瞬にして周囲に雨の匂いが広がる。
熱された土やアスファルトが湿り気を帯びて、ムワッとした空気が下から上に上がってくる。
「美佳、教室に戻ろう」
希が私の手を掴んで歩き出そうとしたときだった。
3年生の列が騒がしくなりそちらに視線を向けるとひとりの女子生徒が座り込んでいるのが見えた。
顔色は真っ青で苦しそうに呼吸を繰り返している。
すぐに気がついた男性教師が駆け寄り、小柄な彼女をおんぶして校舎へと走っていく。
「今の誰? 大丈夫なのかな?」
希のつぶやきに私は「わからない」としか返事ができない。
雨脚は更に強くなり私達も大慌てで校舎へと向かったのだった。



