月曜日のホームルーム前の教室は前日の日曜日になにをしていただの、どこへ行っただのという話でもちきりだ。
だけど吹奏楽部の私は隔週日曜日は部活動があるので、月曜日にする話の内容は部活のことと決まっていた。
でも、今日は違う。

朝からボーッと熱に浮かされたような私を見て希が好奇心むき出しの顔で近づいてきた。
「美佳、今日はいつも以上にぼーっとしてどうしたの?」
「普段からぼーっとしてるみたいに言わないでよ」

友人の言葉に一応ツッコミを入れてからはぁとため息を吐き出す。
「で、なにかあったの?」
前の席の椅子に勝手に座り、ポッキーの箱を取り出してポリポリと食べ始める。

「それがさ、出会っちゃったかも」
私は希からポッキーを一本頂いて答えた。
甘い気持ちのところに口の中まで甘さが広がる。

「出会ったって、誰に?」
「運命の人」
昨日の男子生徒を思い出してまたため息を吐き出す。