雨は徐々に小ぶりになりはじめていて「美佳ちゃん。そろそろ雨がやむよ」と伊賀さんが寂しそうにつぶやいた。

見るとその体が透き通っている。
「今日で49日。雨が降っても、僕はもう出てくることはできない」

伊賀さんがぽつりとつぶやいたとき、ようやく写真が浮かび上がってきた。
そこには今渡しが見えているような透き通った体の伊賀さんが写っている。

私はすぐにふたりにむかって駆け出した。
「ふたりとも、これを見てください!」
「ちょっと、何言って?」

「いいから!」
里歩先輩の言葉を遮り、写真を突きつける。
ふたり同時に私の手の中の写真を見つめ、そして目を大きく見開いた。

その動きがそっくりそのままリンクしていて、思わず笑ってしまいそうになる。
あぁ、やっぱりこのふたりは心が通じ合っているんだな。
「里歩?」
「雅文?」