天気予報は的中し、午後から雲行きが怪しくなってきてそのままポツポツと教室の窓を雨粒が叩き始めた。
天気の悪さに教室内が陰鬱な雰囲気に包まれる中、私は心の中でガッツポーズを作った。
このまま雨が降り続ければきっと伊賀さんは出てきてくれる。
そこに里歩先輩と共に行って写真を取れば、互いを認識することができるはずだ。
「本当にいいの?」
今日の計画を知っている希が心配そうな顔で聞いてきた。
珍しくポッキーをくわえていない。
「初恋の人の恋愛を後押しするつもりなんだよね?」
希の言葉に私は頷いた。
「そうだね。初めて恋をして嬉しかったし楽しかった。すごく短い期間だったけれど、伊賀さんと会えたことは後悔してない。それよりも、互いに好き同士なのに認識し合うことができない世界があるってことの方が、ずっとずっと悲しいことだと思う」
私は伊賀さんと里歩先輩がすれ違った時の光景を思い出していた。
ふたりの思いはひとつなのに、見ることも話すこともかなわない。
私なんかじゃなくて、里歩先輩と伊賀さんの波長が合うべきだったはずだ。
それが、なんのいたずらかこんなことになってしまったけれど、それなら私のやるべきことはひとつだけ。
ふたりの架け橋になることだった。
「後悔はないんだね?」
私は希の顔をしっかりと見返して、大きく頷いたのだった。
天気の悪さに教室内が陰鬱な雰囲気に包まれる中、私は心の中でガッツポーズを作った。
このまま雨が降り続ければきっと伊賀さんは出てきてくれる。
そこに里歩先輩と共に行って写真を取れば、互いを認識することができるはずだ。
「本当にいいの?」
今日の計画を知っている希が心配そうな顔で聞いてきた。
珍しくポッキーをくわえていない。
「初恋の人の恋愛を後押しするつもりなんだよね?」
希の言葉に私は頷いた。
「そうだね。初めて恋をして嬉しかったし楽しかった。すごく短い期間だったけれど、伊賀さんと会えたことは後悔してない。それよりも、互いに好き同士なのに認識し合うことができない世界があるってことの方が、ずっとずっと悲しいことだと思う」
私は伊賀さんと里歩先輩がすれ違った時の光景を思い出していた。
ふたりの思いはひとつなのに、見ることも話すこともかなわない。
私なんかじゃなくて、里歩先輩と伊賀さんの波長が合うべきだったはずだ。
それが、なんのいたずらかこんなことになってしまったけれど、それなら私のやるべきことはひとつだけ。
ふたりの架け橋になることだった。
「後悔はないんだね?」
私は希の顔をしっかりと見返して、大きく頷いたのだった。



