「だ、大丈夫ですか!?」
いくら寒くないとはいえ、あそこまでずぶ濡れになってしまうと風邪をひいてしまうかもしれない。
咄嗟に声をかけてかけよった。
近くで見ると男子生徒は足先まで濡れていて、もう濡れていないところなんて少しも無いと言った様子だ。
男子生徒は私の顔をみつめてしばらくポカンと口を開けて立ち尽くす。
急に声をかけてしまったから驚いているのかもしれない。
「傘、よかったら一緒に入りませんか?」
そうやって腕をめいいっぱい上に伸ばして男子生徒の頭まで入るように背伸びをする。
そこまでしてはたと気がついた。
今この人、私とは反対方向から歩いてきたよね?
ってことは、帰る方向が全然違うかもれない!
自分が家に到着するまで随分遠回りすることになるかもしれないと悔やんだが、それもすぐに吹き飛んだ。
「傘……いいの?」
かすれた声で質問されて男子生徒の顔を見ればそこには整った鼻筋が見えた。
少し大きな目には幼さが残っていて、長いまつげにまで水滴がついている。
ドクンッと大きく心臓が跳ねて、恋に落ちるまで時間は必要なかったのだった。
いくら寒くないとはいえ、あそこまでずぶ濡れになってしまうと風邪をひいてしまうかもしれない。
咄嗟に声をかけてかけよった。
近くで見ると男子生徒は足先まで濡れていて、もう濡れていないところなんて少しも無いと言った様子だ。
男子生徒は私の顔をみつめてしばらくポカンと口を開けて立ち尽くす。
急に声をかけてしまったから驚いているのかもしれない。
「傘、よかったら一緒に入りませんか?」
そうやって腕をめいいっぱい上に伸ばして男子生徒の頭まで入るように背伸びをする。
そこまでしてはたと気がついた。
今この人、私とは反対方向から歩いてきたよね?
ってことは、帰る方向が全然違うかもれない!
自分が家に到着するまで随分遠回りすることになるかもしれないと悔やんだが、それもすぐに吹き飛んだ。
「傘……いいの?」
かすれた声で質問されて男子生徒の顔を見ればそこには整った鼻筋が見えた。
少し大きな目には幼さが残っていて、長いまつげにまで水滴がついている。
ドクンッと大きく心臓が跳ねて、恋に落ちるまで時間は必要なかったのだった。



