きっと希は私を慰めるために映画に誘ったに違いない。
白とピンクを貴重にした可愛らしい部屋に通され、少し待っている間にポッキーと麦茶が出てきたところまではよかった。
だけどその後再生された映画はまさかのホラー映画で私は画面の前で固まってしまった。
「あれ、美佳ってホラー苦手だっけ?」
「いや、苦手と言えば苦手だけど……」
好んで観ることのないジャンルだ。
勝手な想像だったけれど、絶賛片思い中の私のためにちょっと切ない恋愛映画とか、ラブコメディとかを準備してくれていると思っていた。
でもそんなことはないんだ。
希は私を慰めることになるとは思っていなかったんだから、ホラー映画が流れ出したからと言ってガッカリしちゃいけない。
出された麦茶を一口飲んで画面を見つめる。
映画の内容はとある家族が悪霊に襲われ、それを霊媒師が祓うというものだった。
よくある設定だけれど霊媒師がまだ若い女性ということで苦難も多く、結構おもしろいかもしれない。
気がつけば私はその映画に見入っていた。
『悪霊は波長の合う人間にしか見えない。そして悪霊も波長の合う人間のことしか認識できない』
「へぇ、そういう考え方もあるんだね」
ポッキーを口に咥えたままで希が呟く。
「悪霊や幽霊からは、どんな人間でも見えてるもんだと思ってた」
確かにそうかもしれない。
白とピンクを貴重にした可愛らしい部屋に通され、少し待っている間にポッキーと麦茶が出てきたところまではよかった。
だけどその後再生された映画はまさかのホラー映画で私は画面の前で固まってしまった。
「あれ、美佳ってホラー苦手だっけ?」
「いや、苦手と言えば苦手だけど……」
好んで観ることのないジャンルだ。
勝手な想像だったけれど、絶賛片思い中の私のためにちょっと切ない恋愛映画とか、ラブコメディとかを準備してくれていると思っていた。
でもそんなことはないんだ。
希は私を慰めることになるとは思っていなかったんだから、ホラー映画が流れ出したからと言ってガッカリしちゃいけない。
出された麦茶を一口飲んで画面を見つめる。
映画の内容はとある家族が悪霊に襲われ、それを霊媒師が祓うというものだった。
よくある設定だけれど霊媒師がまだ若い女性ということで苦難も多く、結構おもしろいかもしれない。
気がつけば私はその映画に見入っていた。
『悪霊は波長の合う人間にしか見えない。そして悪霊も波長の合う人間のことしか認識できない』
「へぇ、そういう考え方もあるんだね」
ポッキーを口に咥えたままで希が呟く。
「悪霊や幽霊からは、どんな人間でも見えてるもんだと思ってた」
確かにそうかもしれない。



