「最近何か変わったことは なかったかしら?」

「特には」あなた達が来た事以外

「そう 私たちが都を出て今日で12日 だいぶ奥にまで来たとは思うのだけど 今いる場所も 帰りの道も まるでわからないの」

「そうなのか!大変じゃないか!」

 ポカッ!「もう殴らないでくれ!」

「まったく状況も分かってないんだから」

 ユーリさん お怒りですね

「この場所や 都に戻る方法を教えてもらう事は 出来ないかしら?」

「ごめんなさい 私も知らないです 此処から 出たこともありませんし」

 一度だけゴブリンに追い掛け回されたけど…

「重ね重ね申し訳ないのだけど しばらく滞在させて 貰えないかしら?」

「それは…」

『構わんじゃろ 小梅もたまには人と接するのも 必要じゃろ なにかあれば 始末すればよい!』

 だから 怖いって⁉

「構わないんですけど 家には入れられませんが? それでもよろしければ」

「ありがとう しばらくよろしくね」

 ****

 ――装甲の刃 サイド――

「何か怪しくないか?あんな女の子が一人で…こんな森深くに」

「それに此処から出た事ないって言ってたぞ」

「じゃあどうやって来たんだよ!それに家まで建てて」

「わたしは大丈夫だと思う…多分…優しい子だよ!」

「ルルの言う通りよ 疑うなら此処から出て行きなさい 男共!」

 まぁ確かに不思議だとは思う でも滞在を認めてくれたし

 追い出そうと思えば追い出せるだろうし…はなから助けなければよかったのだから…

「みんな!聞いてちょうだい!|金輪際 小梅を疑ったらわたしが追い出すからね!それに助けて貰わなければ 今頃全員 魔物の腹の中よ!」

「そうだそうだよな! 俺は小梅の腹の中に納まるなら 文句はない!」「俺もだ!」

 はぁー 男って極端よね…

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 「ぴよぴよ…ぴよぴよ…」

「マロン様、あの人達、都に帰れるんでしょうか?」

「無理だろな 柵から出たら ぴよぴよに食われるじゃろな」

 エグイ…あの魔物の名前 ぴよぴよにしたんだ。

「どうしましょうかねー」

「まぁ眠らせて都に放り出してきてもよいしな」

 あら?…始末しないんだ、ふふ

「…ん?待てよ…そうじゃ!あ奴ら4人いたな、小梅含めて6人で人生数時間で決まるゲーム出来るではないか!」

 ゲームしたいんかい!

「そもそもあの人達に、マロン様見えないじゃないですか!」

「そう そうじゃったのー」

 マロン様…寂しそう…?

 そうだよ、わたしだって定年してからは、朝、目覚めるたびに また起きてしまったと思っていた…。

 誰とも話さず 一日を終えることなど、しょっちゅうだった…。

 認めたくはない、けど わたしも寂しかったのかもしれない。

 一人に慣れすぎてしまって。

 マロン様はこの世界の創造主、地球だって何万年・何億年・何十億年と時が立ってるって聞いた。(本当の所は知らないけど)

 一人三世界を見てきた そして私と暮らすようになり私も楽しいし神様も楽しそうだった。

「…よし!」ひとりで人生ゲームしても楽しくないもんね!

「マロン様!!わたし決めた!」

「何をじゃ」

「みんなで人生数時間で決まるゲームする!」

「マロン様 マロン様を認識出来れば あの冒険者たちも マロン様が見えるんですよね」

「そうじゃが わしは直接この世界の者たちに関われんぞ ルールじゃからのう」

 ルールがあったんだ…あれ?

「わたしには直接かかわりませんでしたっけ?」

「小梅は死んだ後にじゃな 父親の願いがあってのことじゃ イレギュラーじゃな わしも初めての事じゃよ」

 イレギュラーかぁ…認識させるだけならルール破らなくてもよいのでは?

「マロン様 地球に居た頃も 神マロンと言う名を聞いた覚えがないのですが?」

「じゃろうな わしは創造主であって 小梅達が言う神とは違うからな 人間達にとっての神は八百万(やおよろず)の神じゃろ そこに有ってそこに無いもの 山には山 川には川の神と信仰して形になりえるものじゃからの」

「それらの神は わしが創造した世界の一部にすぎん だから わしが直接力を授けた小梅は別格じゃ」

 うーん?わかったような? わからないような?

「なーに 小梅は人から見れば人外てことじゃ」

  人外って⁉