放課後。 たった一人が住人の美術室。 そこで三矢朝飛は夢を見た。 美しくて、不思議で、意図せず目を奪われる。 そんな夢だった。 ずっと続けば良いと思った。 これが夢じゃないと気付くのは、彼女のせいとする。 あの日、朝飛は見た。傾きかけた初夏の太陽を背に、舞うようにして泳ぐ人魚(・・)の姿を。