「 …………。 」
その後車の中で無言を貫いていたが、翔は今まで見た事がないくらいご機嫌で……違和感は更に強くなっていく。
信号で止まるたびに髪や顔を触ってくるし、やっぱりおかしいと流石に分かった。
……今日も実家に帰ろう。
気味が悪い翔と少し距離を置きたくて、俺がそれを口に出そうとすれば、窓の外の景色が帰り道のモノとは違う事に気づく。
「 ??あれ?
翔、どこ向かってんだよ。 」
窓の外を指差し尋ねると、翔はニコニコしながら答えた。
「 買い物だよ。
全部買い揃えようかなって思って。 」
「 はぁ?? 」
いや、何を?────と尋ねるのはやめておく。
翔は結構散財屋の様で、気がつけば毎日違うモノを身につけているからだ。
そこまで細かくは見てないが、スーツとかネクタイとか?頻繁に違うモノを持っている気がする……。
まぁ、なんか欲しいモノでもあるんだろう。
そう軽く考えて────めちゃくちゃ後悔した。
「 ────うん。これがいい。
じゃあ、これとこれとこれ。あとそっちのもね。
全部包んでくれる? 」
翔は値段が書かれていない商品を次々と俺に着させ、片っ端からそれを買っていく。
驚いて直ぐ商品を丁寧に包もうとしている店員さんを止めようとしたが、そんな俺を翔が止めた。
「 大丈夫だよ。全部すごく似合ってたから。 」
「 いやいや……そういう問題じゃねぇよ。 」
まるで高級ホテルの様な内装で、天井にはシャンデリア。
もうこの時点で別世界だというのに、そんな場所に置いてある商品などとんでもない値段に違いない。
そんなモノを山盛り購入。
高級そうな箱に詰められ、テーブルの上に積まれていく商品達は見上げる程だ。
総額がいくらなのか想像もつかない。
恐怖にブルっ!と震える俺とは違い、翔はとても不思議そうな顔をしていた。
「 ?もしかしてデザインが嫌い? 」
「 そうじゃねぇよ。
俺はこんなの買うお金なんてねぇぞ。
だから悪いが全部キャンセルで。 」
ビシッ!と当たり前の事を言ったのに、翔はコロコロと楽しそうに笑い、動きを止めた店員に動いて良しと言わんばかりに手を振る。
「 そんなことか。
なら大丈夫だよ、全部俺のお金だし。 」
「 はぁぁ────!? 」
全然大丈夫じゃない!
慌てて俺は翔に詰め寄った。
「 いや、おかしいおかし過ぎるだろう!?
なんで翔の金で俺のモノを買うんだよ! 」
今までもちょこちょこと色んなものを渡してはきたが、こんなあからさまな感じではなかった。
正直こんなことされても困るので、何か原因があるならやめて欲しいとおもったのだが────やはり翔は不思議そうにするだけだ。
「 ?おかしいかな?
でも、ここで買わないと家に源のモノは何もないよ。
さっき頼んで全部捨てたからさ、源の服や日常品、パンツとかも全部。 」
「 はぁぁぁぁぁ────??!」
更に衝撃的な事を言われて、真っ青になりながら冷静に質問した。
「 ……なっ、なんで俺のモノをすてたのかな~? 」
「 アッハッ!源、今さ~動揺してるでしょ?
動揺すると子供に話しかける口調になるよね。 」
「 …………。 」
笑う翔はすごく楽しそう。
でもやっている事はめちゃくちゃ嫌がらせだ。
ス────~……ハァ~……。
大きく深呼吸をしてから、笑う翔にまた冷静に話しかけた。
「 ……どうしてそんな酷い事をしたんだ。
イタズラにしてはタチが悪過ぎるし、お前なんだかおかしいぞ。 」
「 酷い?なんで?
だってこれからは俺が選んで買ったものだけだよ、源の身につけられるモノは。 」
「 ???? 」
全く会話にならない事に流石に焦ったが、とにかく誕生日でもないのに……いや、誕生日だとしても過剰過ぎる。
完全にお断りしようと口を開けようとしたが、翔は優しい手つきで俺の口を塞いだ。
「 ────っむぐっ!! 」
「 ん~……。俺、この匂い好きじゃないんだよね。
新しく調合させたシャンプーとボディーソープは必須だな。 」
突然口を押さえてない方の手で俺の体を抱き寄せ、耳元の臭いを嗅いでくる。
「 ────~っ!!?? 」
「 あと唇も荒れてるからリップクリームも。
それも好きな匂いのモノを作らせよう。 」
翔は口元を覆う手をパッ!と離し、親指で唇をクニクニと弄んできた。
「 ────っやめろってば!! 」
顔を振ってその手から逃れたが、翔はそのまま俺を押さえ込む様に抱きしめてきたので、身動きが取れない。
流石の暴挙にムカっ!として、怒鳴ろうとした瞬間────翔がボソッと耳元で呟いた。
「 何か嫌なの?
だって源は何にも嫌な事ないのに。 」
まるで子供に言い聞かせる様な口調になんだかゾッとしたが、ちゃんとその理由を答える。
「 嫌だよ。
だって、なんでそんな翔の好きなモノを俺が使わなきゃいけねぇんだよ、バカか。 」
呆れた様に言ってやると、翔はんん~?と少し考える素振りを見せながら言った。
その後車の中で無言を貫いていたが、翔は今まで見た事がないくらいご機嫌で……違和感は更に強くなっていく。
信号で止まるたびに髪や顔を触ってくるし、やっぱりおかしいと流石に分かった。
……今日も実家に帰ろう。
気味が悪い翔と少し距離を置きたくて、俺がそれを口に出そうとすれば、窓の外の景色が帰り道のモノとは違う事に気づく。
「 ??あれ?
翔、どこ向かってんだよ。 」
窓の外を指差し尋ねると、翔はニコニコしながら答えた。
「 買い物だよ。
全部買い揃えようかなって思って。 」
「 はぁ?? 」
いや、何を?────と尋ねるのはやめておく。
翔は結構散財屋の様で、気がつけば毎日違うモノを身につけているからだ。
そこまで細かくは見てないが、スーツとかネクタイとか?頻繁に違うモノを持っている気がする……。
まぁ、なんか欲しいモノでもあるんだろう。
そう軽く考えて────めちゃくちゃ後悔した。
「 ────うん。これがいい。
じゃあ、これとこれとこれ。あとそっちのもね。
全部包んでくれる? 」
翔は値段が書かれていない商品を次々と俺に着させ、片っ端からそれを買っていく。
驚いて直ぐ商品を丁寧に包もうとしている店員さんを止めようとしたが、そんな俺を翔が止めた。
「 大丈夫だよ。全部すごく似合ってたから。 」
「 いやいや……そういう問題じゃねぇよ。 」
まるで高級ホテルの様な内装で、天井にはシャンデリア。
もうこの時点で別世界だというのに、そんな場所に置いてある商品などとんでもない値段に違いない。
そんなモノを山盛り購入。
高級そうな箱に詰められ、テーブルの上に積まれていく商品達は見上げる程だ。
総額がいくらなのか想像もつかない。
恐怖にブルっ!と震える俺とは違い、翔はとても不思議そうな顔をしていた。
「 ?もしかしてデザインが嫌い? 」
「 そうじゃねぇよ。
俺はこんなの買うお金なんてねぇぞ。
だから悪いが全部キャンセルで。 」
ビシッ!と当たり前の事を言ったのに、翔はコロコロと楽しそうに笑い、動きを止めた店員に動いて良しと言わんばかりに手を振る。
「 そんなことか。
なら大丈夫だよ、全部俺のお金だし。 」
「 はぁぁ────!? 」
全然大丈夫じゃない!
慌てて俺は翔に詰め寄った。
「 いや、おかしいおかし過ぎるだろう!?
なんで翔の金で俺のモノを買うんだよ! 」
今までもちょこちょこと色んなものを渡してはきたが、こんなあからさまな感じではなかった。
正直こんなことされても困るので、何か原因があるならやめて欲しいとおもったのだが────やはり翔は不思議そうにするだけだ。
「 ?おかしいかな?
でも、ここで買わないと家に源のモノは何もないよ。
さっき頼んで全部捨てたからさ、源の服や日常品、パンツとかも全部。 」
「 はぁぁぁぁぁ────??!」
更に衝撃的な事を言われて、真っ青になりながら冷静に質問した。
「 ……なっ、なんで俺のモノをすてたのかな~? 」
「 アッハッ!源、今さ~動揺してるでしょ?
動揺すると子供に話しかける口調になるよね。 」
「 …………。 」
笑う翔はすごく楽しそう。
でもやっている事はめちゃくちゃ嫌がらせだ。
ス────~……ハァ~……。
大きく深呼吸をしてから、笑う翔にまた冷静に話しかけた。
「 ……どうしてそんな酷い事をしたんだ。
イタズラにしてはタチが悪過ぎるし、お前なんだかおかしいぞ。 」
「 酷い?なんで?
だってこれからは俺が選んで買ったものだけだよ、源の身につけられるモノは。 」
「 ???? 」
全く会話にならない事に流石に焦ったが、とにかく誕生日でもないのに……いや、誕生日だとしても過剰過ぎる。
完全にお断りしようと口を開けようとしたが、翔は優しい手つきで俺の口を塞いだ。
「 ────っむぐっ!! 」
「 ん~……。俺、この匂い好きじゃないんだよね。
新しく調合させたシャンプーとボディーソープは必須だな。 」
突然口を押さえてない方の手で俺の体を抱き寄せ、耳元の臭いを嗅いでくる。
「 ────~っ!!?? 」
「 あと唇も荒れてるからリップクリームも。
それも好きな匂いのモノを作らせよう。 」
翔は口元を覆う手をパッ!と離し、親指で唇をクニクニと弄んできた。
「 ────っやめろってば!! 」
顔を振ってその手から逃れたが、翔はそのまま俺を押さえ込む様に抱きしめてきたので、身動きが取れない。
流石の暴挙にムカっ!として、怒鳴ろうとした瞬間────翔がボソッと耳元で呟いた。
「 何か嫌なの?
だって源は何にも嫌な事ないのに。 」
まるで子供に言い聞かせる様な口調になんだかゾッとしたが、ちゃんとその理由を答える。
「 嫌だよ。
だって、なんでそんな翔の好きなモノを俺が使わなきゃいけねぇんだよ、バカか。 」
呆れた様に言ってやると、翔はんん~?と少し考える素振りを見せながら言った。

