殺人事件ライラック(ブリキの花嫁と針金の蝶々)


 死刑求刑後 被告人が回復の見込みのないまま死亡した場合どうなるか? それを司法の専門家(ChatGPT)に訊いてみよう。

 被告人が公判中に死亡した場合、日本の刑事裁判手続きでは次のような措置が取られます。
 公訴の終了:被告人が死亡した場合、公訴は終了します。これは刑事訴訟法第339条第1項第4号に基づいています。公訴の終了は、被告人が裁かれる対象でなくなるため、裁判手続きが中止されることを意味します。
 裁判の中止:被告人の死亡により、裁判は中止されます。判決がまだ下されていない場合、裁判所はこれ以上の審理を行わず、裁判手続きは終了します。
 裁判記録の保管:裁判所はこれまでの裁判記録を保管しますが、審理自体は終了となります。被告人が死亡したことにより、裁判の継続は無意味となります。

 具体的なプロセスは以下の通りです。

 死亡確認と報告:被告人の死亡が確認され、医師による死亡診断書が提出されます。この報告を受けて、裁判所は被告人の死亡を公式に認識します。
 公訴の終了宣告:裁判所は公訴の終了を宣告し、裁判手続きを正式に終了します。これは法的には「公訴棄却」と同じ効果がありますが、被告人の死亡により手続きが終了するため、実質的な裁判の結論とは異なります。
このように、被告人が回復の見込みのないまま死亡した場合、刑事裁判は公訴の終了により正式に中止されます。その結果、被告人に対する刑罰の決定や執行は行われません。

 佐藤稔は警察捜査及び司法裁判上は「黙人」だったが、精神鑑定においては、精神科担当チームの一番若い私宛に視線操作パソコンで残したテキストとしての手記だけを残して死んでしまった。鑑定書を纏める前に死亡したので公には精神鑑定は行われなかったことになる。被告人死亡により裁判の継続は無意味となった。仮に何か非公式に残っていても記録は廃棄されているはずだ。そう、もう二十年以上経過している。
 未決の死刑囚佐藤稔は死亡した。
 はずだったのだが……
 
 事件から二十年以上経過した今、私は再び「佐藤稔」なる患者の主治医となっている。外科は専門外だし、勤務している病院側も詳しくは教えてはくれない。今の段階で詳しくわかっていないので何を書いても憶測になるし、医者としての守秘義務はあるのでここではまだ書くのを差し控える。ただ――
 
 意識を回復した患者「佐藤稔」は死刑囚「佐藤稔」の手記を読むと、それに合わせるかのように手記を書き始めた――そういうこと……
 いや、本当にそうなのか? は、まだわからない。
 いけないな、わからないことだらけだ。
 
 とにかく、奇数章九章は何も書かれないまま、書き手死亡で終わったのだ。しかし、意識を回復した患者「佐藤稔」による偶数章はどうだろう?
 患者「佐藤稔」は再び黙狂となってしまった。こちらの呼びかけに答えず、次の章も書かれない。奇数章がないと書けないらしい。そんな日々が何日か続いたあとに、しびれを切らしたように患者「佐藤稔」が問いかけてきた。