~ユリハside~
「ふぇぇぇ!」
この学園って、こんなに大きくて広かったんだ。
一人だけ声をあげていたせいか、周りの人たちの視線が刺さる。
やばい。
バレないようにしなくちゃ。
私が通うことになった学園・アーノ学園には、お金持ちの貴族が集まっている。
私は、アリーノ侯爵家の長女・ユリハ。
だけど、私にはある秘密がある。
それは、前世の記憶がある。
一週間前に前世の記憶を思い出した。
――― 一週間前
「いたっ」
足元に落ちている石に気付かず、づまずいてしまった。
つまずいて、転んだ際に、頭にある映像みたいなのが流れた。
『何、これ!めちゃくちゃ面白い小説!』
私と同じ女の子がベットの上にいて、キラキラした顔を浮かべていた。
あの子の手にあるのは本?
『今、二巻まで発売されてるの⁉』
女の子が興奮気味に手に持っている本を持ち上げる。
『これ、読み終わるまで死ねない!』
そう言って、持っている本を開き始める。
映像が終わり、また違う映像が流れた。
『ふぅ、最終巻まで読み終わった。これで、死んでもいいや』
そう言って、映像は途切れた。
「えっ」
もしかして、これって前世の記憶ってやつっ⁉
次々と他の映像が流れだす。
・・・やっとわかった。
この世界は、前世死ぬ前に読んだ小説の世界だ。
「えっ、ちょっと待って!」
そうなると、私、まあまあ立場やばい。
前世死ぬ前に読んだ小説は『悪役令嬢に転生してしまいました』という、
いわゆる転生ものだった。
内容は、あるゲームの悪役令嬢・リリに転生してしまった女の子が、一年後、婚約者に婚約破棄されるぐらいなら、婚約破棄をしようとする。
だけど、婚約者のアイリ―殿下は、婚約破棄してくれなくて、それで、ヒロインの
ユリハが現れて、アイリ―殿下を奪おうとする。それで、リリに意地悪をするんだけど、それをアイリ―殿下に見られて,国外追放される。
そして、悪役令嬢(小説の中ではヒロイン)のリリとアイリ―殿下は結婚してハッピーエンド。
そんな感じの小説だった気がする。
その小説の悪役令嬢でもあり、ゲーム世界のヒロインでもある『ユリハ・アリーノ』に
転生してしまった。
これは、前世に読んだ小説のほとんどがそうだったからなんだけど、ヒロイン(小説では悪役令嬢)も転生しているのが多いんだよね。
だから、リリも転生してるかもしれないんだよね。
(てか、悪役令嬢が転生してないと話が始まらない)
確か、リリは公爵家の長女で、この国の第三王子・アイリ―殿下と婚約している。
私は、悪役令嬢にもヒロインにもなりたくないんだけど。
一っ番安全なのは、リリ様(この世界ではリリの方が上だからね)とアイリ―殿下を関わらないのがいいんだけど、小説の設定の強制力ってもんがあると関わらずにはいられない。
「ふぇぇぇ!」
この学園って、こんなに大きくて広かったんだ。
一人だけ声をあげていたせいか、周りの人たちの視線が刺さる。
やばい。
バレないようにしなくちゃ。
私が通うことになった学園・アーノ学園には、お金持ちの貴族が集まっている。
私は、アリーノ侯爵家の長女・ユリハ。
だけど、私にはある秘密がある。
それは、前世の記憶がある。
一週間前に前世の記憶を思い出した。
――― 一週間前
「いたっ」
足元に落ちている石に気付かず、づまずいてしまった。
つまずいて、転んだ際に、頭にある映像みたいなのが流れた。
『何、これ!めちゃくちゃ面白い小説!』
私と同じ女の子がベットの上にいて、キラキラした顔を浮かべていた。
あの子の手にあるのは本?
『今、二巻まで発売されてるの⁉』
女の子が興奮気味に手に持っている本を持ち上げる。
『これ、読み終わるまで死ねない!』
そう言って、持っている本を開き始める。
映像が終わり、また違う映像が流れた。
『ふぅ、最終巻まで読み終わった。これで、死んでもいいや』
そう言って、映像は途切れた。
「えっ」
もしかして、これって前世の記憶ってやつっ⁉
次々と他の映像が流れだす。
・・・やっとわかった。
この世界は、前世死ぬ前に読んだ小説の世界だ。
「えっ、ちょっと待って!」
そうなると、私、まあまあ立場やばい。
前世死ぬ前に読んだ小説は『悪役令嬢に転生してしまいました』という、
いわゆる転生ものだった。
内容は、あるゲームの悪役令嬢・リリに転生してしまった女の子が、一年後、婚約者に婚約破棄されるぐらいなら、婚約破棄をしようとする。
だけど、婚約者のアイリ―殿下は、婚約破棄してくれなくて、それで、ヒロインの
ユリハが現れて、アイリ―殿下を奪おうとする。それで、リリに意地悪をするんだけど、それをアイリ―殿下に見られて,国外追放される。
そして、悪役令嬢(小説の中ではヒロイン)のリリとアイリ―殿下は結婚してハッピーエンド。
そんな感じの小説だった気がする。
その小説の悪役令嬢でもあり、ゲーム世界のヒロインでもある『ユリハ・アリーノ』に
転生してしまった。
これは、前世に読んだ小説のほとんどがそうだったからなんだけど、ヒロイン(小説では悪役令嬢)も転生しているのが多いんだよね。
だから、リリも転生してるかもしれないんだよね。
(てか、悪役令嬢が転生してないと話が始まらない)
確か、リリは公爵家の長女で、この国の第三王子・アイリ―殿下と婚約している。
私は、悪役令嬢にもヒロインにもなりたくないんだけど。
一っ番安全なのは、リリ様(この世界ではリリの方が上だからね)とアイリ―殿下を関わらないのがいいんだけど、小説の設定の強制力ってもんがあると関わらずにはいられない。



