いつも、この時間は処刑台に立っているような気持ちになる。

祈るように組んだ指先からも心臓の動きが感じられるくらいにうるさくて、

喉の渇きも酷く、時間の長さが変わってしまっているような感覚。



おかしくなりそう。




演劇の全国大会は、甲子園よりも厳しいと言われている。

この地区から県大会に進めるのは、三校中二校のみ。

そんな中でも、毎回県大会突破は当たり前な我が北高演劇部。

OBやOGからの期待も大きい。




大丈夫。

だって、ここまでやってきたから。


やれることは精一杯やってきた。







講評を言う審査員が、ゆっくりとマイクを口元へと近づけていくーー。