マギアンティア世界統一暦・1555年・12月10日・午前10時47分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ユリテリア平原地方・ユーラシアン大陸南方諸国同盟加盟諸国・ガリアナ王国・首都・王都パリティ市・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城・王宮殿館本館玄関内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







 相も変わらず、ミミーン、ミーン、ミーン、ミーン、ミイイィィィィンーン、ミーン、ミーン、ミーン、ミイイィィィィンと蝉しぐれが鳴り響く夏のマギアンティア世界の季節は、夏の終わりを迎えようとして居る時期にのに、ますます夏真っ盛りで、ジリジリと来る夏の暑さが厳しく成って来て居た。



 もう直ぐ涼しい秋を迎える時期に差し掛かって居るが、今年は残暑が厳しくなりそうだと、天候に関する研究を指定る知識人達の間では囁かれて居た。



今年のキリヤ公国連合国を含めた、マギアンティア世界各国では、様々な要因から夏休み期間が遅れていた。



 ・・・・と言っても、庶民たちらはごく普通の夏休み期間中で、特に仕事に付いて居ない未成年者や学生らは、8月半ばから9月・10月・11月までが夏休み期間とされて居るので、アルバイトや勉学に旅行にとへ忙しい日々を送って居る。



 また、就業者たちの間では、8月半ばから9月・10月・11月までの間に、就業時間を交代で夏休み期間を取り、最低でも一月は取るようにとされて居る。





 勇治たち一行らは、セレジアの里帰りも兼ねた夏休み旅行の最大の目的地の一つであるガリアナ王国・首都・王都パリティ市へとやって来て居た。



 ユリテリア・ガリアナ城・王宮殿館本館玄関前では、王都パリティ市駅にやって来て居たガリアナ王国政府とユリテリア・ガリアナ王家から派遣された迎えの馬車やら自動車に乗って、王城に中核に在る王宮殿館本館へと送られて居たキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様たち。





「お父様、お母様。ただ今帰りました。」



「お久しぶりです。お義父さん、お義母さん。」



「おじ様、おば様。お久しぶりです。」と挨拶をするのは、セレジアの両親から見て、一等親に当たる二人が、一行らを代表はて挨拶をする。



「まぁまぁ、本当に久しぶりですねセレジア、勇治くんも、それにリィーゼ、苦労した様子を見る限り、前よりも大人ぼっくなったようね。」



「確かに・・・・半年前よりも一回り、大きく成ったかのう。」と国王夫妻は、半年前に大口を切って旅立った子らを見て、一回り成長を遂げた姿を見て、それまで苦労して来た事を感じ取って居た。



「勇治っ!!再会の所を水を差す様だが・・・・」と年上筆頭を自負している将軍王たる和紗が口火を切って、自分達も紹介してくれと催促して居た。





「分かってるよ、和紗姉ぇ・・・お義父さん、お義母さん。此処に居る人たちが、キリヤ公国を建国してから、一緒に成ってくれた大切な家族です。」とキッパリと言った勇治は、異世界で独りぼっちと成ってから自分の元へと集まってくれた人達の事を仲間たちとは言わずに、家族と言い切った。



「「「「「初めまして~、お世話になりま~す。」」」」」」と一同が挨拶をする。



「こちらこそ、宜しくお願い申し上げますわ。」



「さぁさぁ、長旅は快適だったろうが、疲労は堪って居る所であろう。取り敢えずは、夕方の暑気払いパーティーが始まるまで、皆に要した部屋で寛ぐがよい。」と国王夫妻が、メイドや執事たちにらに勇治たち一行らを客間へと案内させて行くのであった。





「勇治くん。ちょっと・・・・」



「お義父さん?どうされましたか?」



「悪いが、君に会いたいと西国の国王が、君たちの夏休み旅行の日程に合わせて会いに来て居るのだ。」



「済まないが、彼の国の国王に是非とも会って貰いたい。」



「それにわしもガリアナ国王として、セレジアの婚約者である君の義父として、紹介を求められてしまっては、無下には断れない立場なのだ。」



「な~んだ、それくらいは構いませんよ。ですが・・・僕の方もキリヤ公国の公王として、その方とは国家元首会談に成りますから、幾人かの閣僚幹部と一緒に会うならと言う条件付きですけどね。」



「それくらいなら、先方も文句は言うまい。無理を言って、押し掛けて居るからのう。」



「こう見えて、公王であるの同時に連合国を束ねる宗主国王でも有りますからね。閣僚幹部と連合加盟諸国との調整無しに、自分勝手な事は出来ませんので・・・・・」と言う事をジンバル国王に伝えると、その会談相手である人物は、勇治の条件を了承したとの返事が返って来た。



 取り敢えずは、ジンバル国王主催・キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行歓迎暑気払いパーティーで顔合わせをする事に成ったのだった。







 マギアンティア世界統一暦・1555年・12月10日・午前11時17分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ユリテリア平原地方・ユーラシアン大陸南方諸国同盟加盟諸国・ガリアナ王国・首都・王都パリティ市・アラービィ―ナ・エジルプト王国大使館・重要人物専用区画・重要人物専用居室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







 此処は西の砂上の交易大国の一つであるガリアナ王国・首都・王都パリティ市・アラービィ―ナ・エジルプト王国大使館である。



 広大な古代エジプト風建築様式と西洋建築容姿が合わさった大使館の中で、一際目立つ重要人物専用区画・重要人物専用居室の庭先で優雅にお茶を楽しんで居る絶世の美女が、これまた古代エジプト風の女性従者たちに囲まれた中に座って居た。





 その者の名はクレオパロ―ラ・パトラメセシス・・・・・・・・・ 15歳の時に先王であるクフレフト・パトラメセシスが40歳で病死した為に、長子であったクレオが女王に戴冠し、 第五文明圏たるユーロリアン地中海地方諸国からは、クレオの事を南西アドリナ海地方の至宝とまで謳われる絶世の美女であった。



 スラリとした165センチの背丈に褐色肌と黒髪のロングストレートヘアーがサラサラと靡かせ、青い瞳が人の心を射抜くと謳われて居る。



 13歳から発育発達が良く、その歳には既に18歳代の美貌とボディスタイルを有して居る故に、様々な相手からの婚約申し込みが途絶える事に事欠かない。



 その事を自覚して居るらしく、それを駆使したやり口で、王侯貴族の男達を手玉に取って翻弄して来た魔性の女である。



 だが、その真実は、そうして居れば男から進んで女の身体を目当てに自分を襲って来る事が無いと言う護身術であり、本当の愛情を探るためのコミュニケーションでも在ったのである。



 本当のクレオは、初心で恥ずかしがり屋で、男性に対してはとても臆病者な性格で、性行為なんて事は潔癖症な観点からとても嫌がって物凄く嫌って居たからであった。



 大華天帝国・クーロンの支配者たる天帝リュンファー・クーロンの企みを知った彼女は、それに負けじと、彼女もキリヤ公国連合国へと友好条約締結へと動いて居た。



 大華天帝国・クーロンの支配者たる天帝リュンファー・クーロンが勇治とキリヤ公国連合国と同盟国に成れば、アラービィ―ナ・エジルプト王国も中立国家で居る事が難しく成る上に、東西南北の道筋の要衝とも言うべき場所で、中継対外貿易をしながら稼いで居るクレオの王国は、下手をすればキリヤ公国連合国と戦争へと突入しなければならない。



 そうなれば、強引に手を組んだ同盟諸国と供に奈落の底へと転がり落ちる上に、同盟の証と裏切り防止を目的に、政略結婚させられ、挙句の果てに、その相手との夜のお勤めをしなければならないのは、彼女が一番に嫌な事であるので、何としても避けたいと思って居た。



 それに交渉の相手は所詮は、幼い年下の少年である・・・・・クレオが自信を持って外交と謀略の武器として居る。



 20歳の美貌と肉体美と甘い言葉で囁けば、いとも簡単に彼の少年王を虜にして、あわよくばキリヤ公国連合国の宗主国王の妻と成り、その権利と地位を乗っ取れるか、傀儡としてまおうと目論んで居た。







 そんな企みに想いを巡らすクレオの元に、キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行が、ガリアナ王国・首都・王都パリティ市・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城内へと入城したと言う一報が入る。





「クレオ様。」



「何かしら?」



「お楽しみの所を失礼します。例の少年王が、供連れで王都パリティ市・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城内へと入城したとの事です。」



「ご苦労様、下がって良いわ。」



「はっ!!」と供回りの女性従者が下がる。



 クレオは、自身の回りに信用の措ける女性以外は、男性を遠ざけさせて居る。



 男性の大臣・幹部・官僚達らには、万が一に備え、自身の貞操を守る為であるとさて居たが、男嫌いである事を隠す様に努めて居たからだった。



「やっと会えるのね、うふふふ・・・・楽しみですわ、未来の旦那様。妾がたっぷりと可愛がって、骨の髄まで貴方の事を使って上げますわ。」と企むクレオ。



 クレオはキリヤ公国連合国・・・・特に本国であるキリヤ公国本国の権力・軍事力・経済力を注視しており、その権力基盤が高々少年王と謳われる勇治一人に集まって居る事に付け入る隙が有ると考えて居た。



 宗主国王と言われる絶大なる権力は、自らが治めるアラービィ―ナ・エジルプト王国にも利益を齎すと考えており、どうせなら彼の少年王と親しい間柄と成り、その妻の座を射止めることさえ出来れば、他の気に食わない男避けにも成るだろし、あわよくばキリヤ公国を乗っ取れるとも考えて居た。



 それに相手は年下の少年王である・・・・彼の少年王ならば、ベッドを供にして、子作りをしても、男嫌いの抵抗は薄れるだろうと考えて居たからである。



 クレオは男嫌いが有るが故に、いつまでたっても婿取りが出来ずに、跡継ぎ問題を抱えて居た為、何時になったらお相手が決まるのだと、中央政府の臣下たちから苦言を言われて居た為、憂鬱な日々を送って居た。



 そんな所に東の大陸に現れた少年王は、自分自身の跡継ぎ問題を解決するのにピッタリな便利な道具に見えた。



 それに相手は少年に過ぎず、美貌と肉体美と甘い言葉で囁けば、いとも簡単に彼の少年王を自身の虜に出来る・・・・と考えて居たのだが・・・・そんな訳には行かない未来が待って居た。