マギアンティア世界統一暦・1555年・10月22日・午前9時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ローレライ大海洋海域・東方日本地域(旧日本国)・東京都・永田町・総理官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 総理官邸では、中泉純一郎総理の召集を受けた内閣首脳陣達が集まり、キリヤ公国連合国との外国会談交渉に付いての最後の詰めの閣議が開かれて居た。



「では総理は我が国の独立権を放棄されると仰っるのですか?」と声荒げて居たのは河田外務大臣や石原防衛省大臣の二人だった。



「違う。私は独立権の放棄をすると言って居るのでは無い。」



「だがしかし・・・・今の現状では、とても一国の独立国としての日本は死んだも等しいと言って居るのだっ!!」



「ですがっ!!昨日までのお考えでは、今まで通りにと仰られた居たでは有りませんかっ!!」



「その通りだ。だがな、現状の状況下での詳しい話を勇治陛下と胸襟を開く様にして、話をした事で、考えと認識を改めた言わざるを得なかった。」



「ですがっ!!」と言い掛けた河田外務大臣を制する様に手を上げたのが、阿部官房長官だった。



「まあまあ、そう熱くならずに。」



「阿部さん。」



「外務大臣の河田さんの言いたい事も良く分かる。でもね、このままでは内戦の可能性すら有ると言える。」



 阿部慎三官房長官が言う内戦とは、国防軍が二派に別れる事を言って居るのでは無い。



 国論が真っ二つに割れそうに成って居るのが今の東方日本地域の現状だった。



 東方日本地域の国内では、今まで通りに大皇室家を頂いて、今まで通りの国体体制を維持。



 前世界と同様に平和的な外交政策を主体とした国造りと国家再生をしつつ、世界中からの支援を受ける形で、独自の日本国を維持しながらの国家体制で歩んで行こうと言う一派が有る。



 もう一つは、大皇室家を廃止して、完全な民主主義国家を確立。



 大統領体制を敷いて、この世界で最初に自分達の目の前に現れたキリヤ公国連合国の力を頼りとすべきだと言う一派に、意見が別れて居た。



 中泉総理としては、その両方意見を汲み取った形を取って、皇室の維持をしつつ、キリヤ公国連合国の支援を受けながら日本国を維持して、再生をする計画を打ち立てる事で、内閣の意見を一致させて居た、



 だが、昨晩の勇治との雑談や会食での話で、この世界が如何に危険な思想を持った国々が多い事を知った為に、少々荒療治なやり方へと変更する事を決意したらしい。



 その考え方に至ったのは、勇治との出会いと朝陽宮幹仁皇子の正妃で在る朝陽宮瑞樹の働きも有った事を付け加えて置く。



 その考えを官房長官である阿部が口にする。



 彼は中泉総理に相談されて居た新しい内閣案の賛同者でも有った。



「今の状態では、皇室国体維持派と皇室廃止国体維新派、そして内閣閣僚政策案派の3つもの考え方では、誰も良い顔はしないだろう。」



「それならば少々乱暴だが、新体制を敷いて、我が国をキリヤ公国連合国へと加盟をした方が、後々の禍根と国民達の生活の為には、良く成るのでは無いかと中泉さん仰って居るんだよ。」



「ですがっ!!その為に翠さまをっ!!彼の国へと嫁がせるかっ!!義兄妹として縁組させるのは納得がっ!!」



「その事だが、問題は無い筈だ。」



「幸い相手側の勇治陛下は、異世界のご出身者とは言え、我々からすれば異世界の日本国の出身者であるそうだ。」



「我が国の現法では、大皇室家との婚姻は日本人同士では無くてならないとされて居る。」



「それは・・・・・・・」



「彼と会って話したが、日本人で在ると保障するに値すると言える。」



「其れに彼は、裸一貫から大国へと伸し上がった少年王だ。同郷同然の我々の事も悪い様にはしない筈た。」



「・・・・・阿部さんが、其処まで仰っるのなら、これ以上の反対派しません。」



「ですがっ!!外務省と防衛省、それにその他の反対派の意見も汲み取る形での連合国加盟編入案としますので、それがダメなのなら、お二人は、この案件を諦めて頂くっ!!」



「それが我々の様が纏めている各派閥達を納得させる為に、必要な最低限の譲歩です。」



「・・・・良いだろう。」



「何としてでも国を守ろうと言う気概は、外務省と防衛省としては当たり前の事だ。」



「君たちの省庁で出した提案が、ダメなら私も諦めよう。」



「では急いで決定案を作成しますで、暫しお待ち下さい。」



 強硬にキリヤ公国連合国への加盟国編入案に、反対をして居た外務省と防衛省の大臣の二人は、東方日本地域政府が、有利に成る様な要求案の作成の為に、動き出した。



 その要求案は、次の通りと成った。



 一つっ!今まで通りに自由な自治権限を有する事。



 一つっ!独自の防衛権を有し、国防軍の存在を認める事。



 一つっ!独自の外交権を認め、自由な貿易権を認める事。



 一つっ!我が国の古くから在る日本大皇家の継続を認め、キリヤ公国・公王家の一族とは一家一族とは同列の扱いをし、現公王である桐谷勇治公王の義兄妹、又は第三夫人以降の婦人に向かえる事を確約する事・・・・等々である。



 そして、翠皇女を王室入りすると同時に日本国とキリヤ公国連合国は、連合国体制の下で桐谷勇治陛下を宗主国王と認め、キリヤ公国連合国に加盟する事とするとして居た。



 しかしながら、朝陽宮翠を第三夫人に向かえると言う要求案は、一時凍結する事に成る。



 だって10歳だもの。



 勇治よりも年下のである事から、第三夫人は保留とれさてしまう。



 後に第三夫人と成る人物は、アルビオン王位継承・独立干渉戦争で 祖国を異世界の侵略者達から救わんと立ち上がったエルトリリア・ミリシア・アルビオン聖騎士王が為る事に成るが、それはもっと先のお話。





 中泉総理が独立維持を諦めた理由は、国内情勢が不安定であり、皇室維持が危うい事や、このままだと食料自給率と資源供給率の維持が難しい事。



 そして、経済基盤と国防軍が全盛期の総兵力の3割にまで、戦力が減少しまった事であった。



 こんな状態では、とても国体の維持は無理と考えた中泉総理は、瑞樹が娘の事を考えて、中泉総理と共に奇策に打って出たからだった。



 それは翠の事をキリヤ公国公王家へと輿入れさせるか、義兄妹として縁組させるアイデアを瑞希が提案して居たからである。



 それは東方日本地域とキリヤ公国連合国とが合併統合して、連合国制を築く事を意味して居た。



 地球世界でも古来より、他国同士で共同統治をした例は多く在る。



 他国同士の女王と国王が結婚する事で、統一国や連合国と成る事で、国を大きくする方法だ。



 そうする事で国家と王族の血を絶やさせない様にする手段の一つとして用いられ居た。



 大概の場合は喧嘩別れするか、子孫同士が、意見・思想の違いから、それぞれ独立し合って、別々の国と成ってしまう事が多いので、長続きがしない事の方が多い。



 

 それに今の東方日本地域には、国としての時間が、余り残されては居ない。



 早くキリヤ公国連合国と何らかの国交条約を結んで、経済と食料を如何にかしないと、国民達が飢えてしまうからだ。



 更に勇治の口から聞く話で、東方日本地域としては、異世界列強国の介入をされたくないとも思って居た。



 そんな状況から逸早く危機を脱して、国家方針を決めるに至った中泉総理と東方日本地域政府であった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月22日・午後12時00分頃マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ローレライ大海洋海域・東方日本地域(旧日本国)・東京都青坂迎賓館にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





東方日本地域の政府は、キリヤ公国連合国との外交交渉会談まで取り纏める予定だった議題案の最終的な交渉案を正午までに纏めた。



 今日に成って、いや・・・正確には昨晩の晩餐会の最中に成って、中泉総理が急遽、新しい要求提案を内閣に提示する。



 その事に付いての閣議が午前8時丁度から始まり、紛糾すること2時間半・・・・・・・反対派が折れる形で、一発勝負の交渉案が取り纏められた。





 キリヤ公国連合国の宿舎と二国間外交渉会談の会場である東京都青坂迎賓館では、東方日本地域のマスコミ各社が迎賓館を取り囲む中。



 今後の同地域の運命が決まるとの政府報道がされて居り、国民達はそれぞれの日常生活の合間に中継放送を見守って居た。



「では我が日本国からの要求案は以下の通りです。」



 中泉総理が指示を出すと、首脳会議に出席して居る河田外務大臣が要求案の書かれて居る公式文章を手渡した。







一つっ!今まで通りに自由な自治権限を有する事。



一つっ!独自の防衛権を有し、国防軍の存在を認める事。



一つっ!独自の外交権を認める、自由な貿易権を認める事。







 一つっ!我が国の古くから在る日本大皇家の継続を認め、キリヤ公国・公王家の一族とは一家一族とは同列の扱いをし、現公王である桐谷勇治公王の義兄妹、又は第三夫人以降の婦人に向かえる事を確約する事。



 



 そして、翠皇女を王室入りすると同時に日本国とキリヤ公国連合国は、連合国体制の下で桐谷勇治陛下を盟主王と認め、キリヤ公国連合国に加盟する事とするとして居た。





 以上が東方日本地域から要求された最終的な要求案と成った。



 一方のキリヤ公国連合国の要求案は以下の通り。要求案文書は、作成を担当していた外務大臣である結城・梅晴から提示された。



「これがキリヤ公国連合国の総意と成って居ます。」



両国の基本友好条約の締結。



相互防衛条約。



両国民の自由な往来と安全保障。



大使館の設置と大使館に付随する関連施設の治外法権。



自由貿易協定の締結。



 両国間で作られた又はそれぞれ国内で作られた先進的な作製物の売買規制条約の締結。(武具兵器及び売買による兵器転用または両国に取って不利と成る様な事態と成る恐れの在る物の第三国への売買の禁止も含む。)



 東方日本地域への経済・軍事・食料事情等の改善が見られるまでの間、キリヤ公国連合国軍の駐留を認める事。



無利子・無担保の財政・食料・各種資源物の無償支援。



以上がキリヤ公国連合国としての支援だった。



(えっ?)



(これは一体どういう事だ?)



(軍の駐留云々には、不満は有るが・・・・・・)



(単にこれらの内容は、国連軍や多国籍軍による平和維持軍の駐留と支援政策と何ら変わらない条件だと?)



(その他は、ダダに近い状態での支援が、受けられるのか?)



(何故だっ!!併合や連合編入案、又は加盟編入案を何故キリヤ公国連合国中央政府側は、一つも入れて来ない?)



 東方日本地域政府首脳陣達は余りの好条件に、何か有るんじゃ無いかと勘ぐってしまった。



 いや、最初から、そう言うものだと疑って居た節が在ったのだった。



「我がキリヤ公国連合国と勇治陛下の目的。それはこの世界の平和と調和です。」



 口火を切ったのては梅晴だった。



「信じられないかも知れませんが、勇治陛下は、常にこの世界のを見守って居られる。」



「さる女神さまによって起こされてしまった転移災害。」



「それにによって流れて来た文物や土地等が、悪用されない様に監視する事。」



「又は力によって事を決して欲しいと頼まれて居ります。」



「勿論、話し合いで解決するのなら、それに越した事は有りません。」



「我が主君たる勇治陛下は、平和的なお考えお持ちの方であり、争乱を沈める為の武力行使は、最後の手段とのお考えお持ちでも有ります。」



「提示致しました貴国への支援案と要求提示案は、貴国の独立維持を前提に提案させて頂いて居ります。」



「ですが・・・・・・」と締め括った梅晴。



「キリヤ公国連合国宰相のリィーゼです。正直を言って貴国の提案には、我々としては面を喰らって居ります。」と東方日本地域に要求案に困惑して居ると正直に言うリィーゼ。



 それに関して答えたのは河田外務大臣だった。



「実は我が国は色々と面倒な問題を抱えて居りまして、独立維持をして行くのは、些か難しいとのご判断を中泉総理がされました。」と河田外務大臣が言う。



「それは大皇室家の事ですか?」とリィーゼは聞き返した。



 東方日本地域の政府首脳人達は、気まずそうな顔付きをしながら、押し黙ってしまう。



「実はこれは瑞樹さまのご提案なのですよ。」と中泉総理が真相を打ち明けた。



「ええっ?」とリィーゼを含めたキリヤ公国連合国の面々が、今度は逆に面を喰らってしまい、驚きの声を上げてしまった。



「このままでは翠さまのご立場も悪くなる。だからと言って純粋な大皇族家でも無い瑞樹さまでは、大した事もお出来には為られない。」



「私は貴国との外交渉会談までの今日に至るまでの日々の中で、物凄く悩みましたとも。」



「今の我が国は、大皇室家の継承問題、転移災害によって起きて居る経済の低迷、食料問題。」



「資源供給の再開、国防軍の7割消失による国防軍再編と国防防備の安全保障問題。」



「そして、崩れ掛けた民主主義に由る世論を二分する国民分断問題等々と、とても早期には処理し切れないのです。」



「何より問題なのは、全ての問題を解決するのには、他国の手を借りなければ為らない事だ。」



「そして、厄介なのは、今の所はキリヤ公国連合国以外の国を頼ると、その見返りの借金が、ヤクザの金貸しより高く付く事なのです。」



「勇治陛下、いや勇治君っ!」



「君が友・家族同然に信頼を置いて居るキリヤ公国連合国首脳陣達と良く話し合って、この要求案を出して居る事は、この文面内容から見てとても理解出来た。」



「だが、我々の様な大人と言うのは、疑う事や交渉し合う事で、妥協点を見付け合い、摺り合わせをする事で、これまで数多くの話を纏めて来た。」



「だが、今回の事で良く分かった。流石は若い者達だっ!」



「心の迷いが余り無い。良い仲間を持ったね。」と中泉総理は、満面の笑みの笑顔を見せながら言う。



「はい。この世界に来てから、たったの数ヶ月程度ですが、此処まで来られたのは、みんなのお掛けです。」



「フハハハハハっ!!どうやら私達の負けの様だな。」



「中泉さん。」



「だから言っただろう。とても良い少年王だとね。」



「じゃ・・・・」



「ああ、詰める所を詰めれば、両国の提示案内容には、問題点と言うべき所は無いだろう。」



「我々は君を宗主国王と認め、キリヤ公国連合国へと加盟する。」



「加盟体制は其方の要求案との交渉しだいだが、呑める範囲で要求案を受け入れる事とする。」



「良いんですか?」と勇治は聞き返した。



「どの道、このままだと我が国の独立維持は、とてもじゃないが無理だろう。」



「それにたくさんの資金と物資を出して貰える見返りだと、思ってくれて良い。」



「それに翠さま達の事もあるからな。」



「この国の誰も大皇室家が途絶える事を望んでは居ないよ。」



「国民全員がお二方の行く末を案じての事だ。」



「それにセレジアさまの一言が、この外交交渉を成立させる決めてと成ったんだよ。」



「セレジアが決めて?・・・・あっ?」



 勇治は思い出した。昨晩の晩餐会の前に・・・・・「ねぇ、勇治っ!!私、この子を妹にしたいっ!!お持ち帰りしたいいいっっ!!」ってな事を言って居た事を思い出して居た。



「はぁ~まさか、あの子の言葉が、二国間の交渉の行く末を決めるなんてね。ホンと、呆れちゃうわ。」とリィーゼは言うが、次に交渉提案内容に在った、とある事を思い出す。



「えっえっでも。あんな小さな子をお嫁さんにっ?」とハッとするリィーゼ。



 流石に10歳の女の子を婚約者とするには、歳が若すぎるからチョットだけ動揺してしまうのである。



 下手に断れないからだ。



「いやいや、勇治君と翠様の二人が成人するまでに考えてくれれば良いと瑞樹さまは仰られた。」



「それに義兄妹でも構わないとも仰られて居る。」



「これに付いての話は、まだまだ先の話だ。」



「それに勇治君。古来より連合国を組む目的で、それぞれ国王位に就いた男女が結婚をした例は幾らでも有る。」



「その結婚の代わりに成る事もな。」



「勇治よ、諦めろ。」



「梅さーん。」と悲痛な声を叫ぶ勇治。



「そうね。梅さんの言う通りよ。私もあの二人と此処の国の人達の為にも、勇治君が面倒を見た方が、八方を丸く収まるわよ。」とレイラが言った。



 それ以外の面々も、何故か阿吽の呼吸で、うんうんと似たような感じで頷いて居た。



「勇くんが、このまま彼方此方で交渉したら、何れは世界中の王室や有力者なんかの女の子達が、全部勇くんのお嫁さんに成っちゃうわね。」



「そんなああああぁぁぁぁーーーっ!!五十鈴ねえ、酷いよおおおおぉぉぉぉーーーっ!!僕は女垂らしじゃ無いのにいいいいっっっっーーーーーーっ!!」





 女好きでも無いのに、妹や姉にお嫁さんが集まって来るのは、嫌だと勇治が叫ぶが、女垂らしは自覚が無いのが、女垂らしの才能のある証拠。



 それが後年に、勇治がハーレム公王と揶揄される所以であり、世界中の男達から疎まれ睨まれる原因と成る事であった。



 こうして勇治は、東方日本地域をキリヤ公国連合国の地方自治州区。



 後に新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区と正式名称が付けられる事に成り、キリヤ公国連合国の登録ナンバー8番目の地域に登録された出来事であった。



 そして、朝陽宮母娘の二人は、キリヤ公国公王家へと迎えられる事が、正式に内外へと発表された。



 この時に朝陽宮翠は皇女から、正式に日本大皇家の跡継ぎである皇太女へと定まり、将来的にキリヤ公国公王家、桐谷勇治の義妹と成るか、正妃にとするかは、翠と勇治しだいと定められた。







そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「セレジアお姉ちゃあああぁぁぁぁぁーーーんっ!!」と思いっ切りに抱き付く翠は、東京都内のマウスーランドという遊園地で遊んで貰って居た。



「本当に良かったのかな?これで・・・・・・」



「良いんじゃない。翠ちゃんが一番に楽しそうだし。」とリィーゼが微笑ましい顔付きで、翠とセレジアとが遊んで居る姿を見て居た。



「無理を言って御免なさいね。」



「いいえ、別に瑞樹さんを責めて居る訳じゃ・・・・・・・・」と慌てて訂正する勇治。



「でもそのお陰で、久し振り見た気がするわ。翠の笑顔をね。」



「リィーゼお姉ちゃぁぁーーんっ!!リィーゼお姉ちゃんも早く早くっ!!一緒に遊ぼうっ!!」



「ほら、お呼びだよ。」とニヤニヤとしながらリィーゼを促す勇治。



「もぅ、子供のお守りはセレジアで終わった積りなんだけね。」と言いつつも、ニヤニヤと綻んだ笑顔が止まらないリィーゼであった。