アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月11日・午前10時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・九州地方・福岡県・福岡市・博多港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 竜史は、ビックリ仰天っ!!びっくりぽん!!じぇじぇとでも言いたそうなくらいに、大声で発せられるお決まりの叫び声が終ると、話は更に続く。



「それは如何してっ!何故なんですかっ!?」





「紅葉さんは、この事を聞いて居たんですかっ!?」



「ええ、この一件に付いては、話だけは聞いては居たけれど、貴方を含めて、世間一般の皆様の方々が、大騒ぎに成るから黙って居ようと、すみれお母様と私のお母様達が・・・・・・・・・・・・・・・・」と紅葉は思わず目を逸らす程に、裏では怖ーいコンビが、徒党を組んで箝口令を敷いて居たらしい。



「そう言う事か・・・・・・・・・・」と納得する竜史。



 自分の母親と紅葉の母親がダッグを組んだら、そう成るだろうなぁ~と納得する竜史。



 だって、見た目は違うけど、似た者同士だと最近は思えて居るからであった。





「本当に済まないな。君にも詳しく我が家の事情を話さねば為らない。」



「竜史君、私はコヨミの正当な血筋の人間ではない。正確には婿養子でね、葛葉こそが正統な皇位継承の血統なんだよ。」



「それと其処に居る彼女達の養子縁組が、如何して関係が在るのですか?」

 

 誰もが疑問に思う事を彼は言った。



 これにはコヨミ皇国特有の事情が在る為だった。



「それは君も紅葉から少しは、聞いて居るだろう?」



「我が皇族には特異な力が在る。」



「それも女性呑みの血統だけが受け継がれるものでね。」



「だからと言って、男性皇族に皇位継承が無くなる訳では無い。」



「男性皇族が国皇となって居る場合は、女性皇族の中で、特に力の強いと思われる者が、巫女として国政に関わる事に成る。」



「私の場合は、葛葉同年代の女性皇族は、コヨミ皇国の国内には彼女しか居なくてね。」



「妹君である瑞葉は、コヨミ皇国の分家で、隣国の独立国である大華小皇国へと嫁いでしまって居た後なのでね。」



「他に適任者が居なかったのだよ。」



「其処に遠縁の親族では、肝心の暦皇族家のみが受け継がれる星読みの巫女姫の力が、絶えてしまう危機から在った。」



「其処で彼女を国皇にと、臣下の者達が押し上げたんだ。」



「しかしながら、彼女が予知で、次の代は私を婿養子に迎えると、全てが上手く行くと言われて居てね。」



「住まいとして居た貧乏長屋で、強引に結婚を・・・・・・・」



「あなた。」と冷たい声色で旦那様を咎める葛葉。

 

 彼女は話が脱線しそうに成ったので、黙る様にと一喝の一言で、尻に敷いて居る旦那様を黙らせる。



 そんな旦那様は、怖~い奥さんに睨まれてしまう。



「いや、この葛葉に熱烈に口説かれてね。」



「それ・・・・も~う運命だと色々言われて、そのまま貧乏長屋で、布団の上にそのまま押し倒されて・・・・・・・・・・・・」



「あなたっ!嫌ですわっ!子供達や身内では無い人前の方々前で、そんな若い時の事を暴露をするなんて、うふふふっ・・・・恥かしいですわ。」と頬に手を当てて、恥じらう葛葉皇后。



「あはははははははははっ・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 父は空笑いをして、母は旦那様をにこやかな笑顔で威圧して居て、とても怖かった。



 その子供達は、両親達のアツアツカップル振りに、半ば呆れた様子だった。



(あれ?何だか、自分の近い将来の未来絵図が見えて居る様な気がしたぞっ!!)



(何故だっ!!自分が近い将来、絶対にっ!こうなる気がするぞっっ!!)



 竜史は自信の将来絵図と自分の未来の夫婦の上下関係の構図を垣間見た気がして、寒気が走り、背筋が震えていた。



「お父様、お母様、話が進みません。」



「お二人の熱烈な愛情に当てられて、竜史がドン引きで、後ろに引いてしまって居ます。」



「私も妹達の日本行きに付いて、理由をもう少し詳しく聞かせて下さい。」



 紅葉が二人を嗜めると話の続きをと促した。



「おお!?そうだった、そうだった。」





「詰まりはだ、この娘達を是非とも日本に疎開させたいのだ。」



「疎開ですか?」



「そうだ。残念な事だが、娘達の血統を狙った動きが、我がコヨミ皇国内には、在ると言う噂がある。」



「それを避ける為に、高見家へ養女に出したいんだ。」



「勿論、君のご両親には連絡済みで、了承も得られて居るとの事だ。無論、こちらからの無理強い勝手な申し出て居る事柄だ。」



「面倒を掛け、尚且つ厄介な迷惑事に巻き込む高見家には、経済的な負担は掛けられない。」



「其処でコヨミ皇王家として十分な養育費と迷惑料、謝礼金。それに支援金の支給を用意して居る。」



「それに加えて、日本国政府とも娘達の疎開に関しての特別法案を作って秘密裏に受け入れ準備体制わ整えて貰って居る。」





 これは日本国政府とコヨミ皇国政府との国家間特別法案協定で、コヨミ国皇家から高見家へと下賜降下と言う養子縁組が為された清香と麻衣の姉妹らへの援助として、養育費と迷惑料、謝礼金。



 更にはアースティア大戦の協力謝礼金や超法規的措置として、高見山と高見家旧宅に関われる固定資産税として課税が売却と資産放棄をしない限りは、永久的に非課税と成る事が、様々な形で取り決められて居た。 



 これには世界大戦を終わらせる国策や世界的に国家間の厄介な事案に巻き込んだと言うのだからと言う理由からである。



 例えるのならば、世界大戦で一番に難しいミッションでの作戦成功や一番の武功を上げたり、又は宇宙から降って来る巨大隕石を爆破して来いと言う国からの依頼に応える見返りを受ける様な物である。



 勿論、これに色々と与党・中立政党・野党間との間での議論揉めたが、事は命の危険性が高い女性王族を守る疎開と言う超法規的・人道支援の観点から認められた処置として決着が着けられた。



 但し、この法案可決は、その機密性問われて居る観点から、秘密裏に可決されて居た。



 中立政党と野党からはこの法案を通すに当たり、法案を通す代わりにアースティア大戦が終わったら、国民への情報公開請求が求められた。



 その情報公開が為されるのは、アースティア大戦終了から70年から100年を契機に公開する事で決着が着けられて居る。



 特に当事者達が存命中には、絶対に情報公開は執り行われないと言う、人権上の配慮も盛り込まれて居た。



 それと高見家に十分な資産が蓄えられて居ると見受けられるた場合は、見直しをする事も盛り込まれて居る。



 また、非課税の名目として、外務省と交援省が中心と成って推し進めて居る国際交流事業の一貫に、留学生の下宿施設の創設や管理人の公募が在る。



 その事業を請け負う先として、交援省大臣を務める高見竜史の実家たる高見家が関わる事に成り、反帝国同盟諸国の名家からやって来た留学生の下宿先を提供する事業を手伝う事に成った為とする事にもして居た。



 詰まりは高見家以外にも候補地が在れば、アースティア大戦中に限って、亡命に近い疎開養子縁組を認める事にしたり、疎開留学生を受けい入れる家近くに大型の下宿先を建設し、運営を委託する事も盛り込まれて居るのであった。



 色々と突っ込みを言われそうだが、アースティア世界が混乱を極めて居る中で、日本国政府がそう決めたのだから、そう言う事なのだろうと納得せざるを得ないと言うのが当時の日本国民達の反応だったと言う。

 

 この事が2230年代の日本国内に措いて、地元群馬と霧野市以外の地域や世間からの高見家の評価は、反戦団体の復刻と日本の平和ボケが回帰したせいか、評価が更に低く成って居る原因の一つと言われて居る。







 また、行き成りだなと思いつつも、竜史は話の経緯を見据える事にした。



「それはまた、色々と突っ込み所が多い話ですし、日本国の法律的な問題も噴出しそうですね?」と竜史は、また、行き成りだなと思いつつも、話の経緯を見据える事にした。



「ふっ、何せ、この話は・・・・・君が参加した先の会談が終わって、少し経ってから、如何しようかと迷った居たが、妻の先読みの力で日本国に預け入れた方が良いと出たのでね。」



「直ぐに諏訪部大臣を通して、安元宰相に相談を申し出た事だからな。」



「だからと言って、如何して家の・・・・・・高見家なんですか?」



「そうね。只の留学生でも、十分に通ると思う事だと思うわよ。」



 竜史と紅葉の二人が、疑問に思うのは当然だった。



 それに付いての疑問に力仁は答えた。



「二人を高見家へと養女を出すとの一件は、コヨミ皇国内での表向きの方便だ。」



「日本国での手続きは、其処に居る二人の同意と高見家が受け入れると、本気で言ってくれた場合のみだ。」



「此方としても、特に無理強いする積りは無い。」



「それに高見家の方は、先にも述べたが、二人を受け入れるとの了承を得て居る。」



「問題なのは、我がコヨミ皇国の国内の事だ。」



「国内ですか?」



 葛葉が困った顔付きで、話に割って入って来た。



「ええ、竜史さん。今、コヨミ皇国の情勢は、余り良くないのです。」



「ローラーナ帝国寄りの大名家や高家と法衣貴族等が、対帝国外交政策を進める為に、婚姻外交政策で、抵抗され難いと目される紅葉以外の娘達を担ぎ上げ様として居るのよ。」



「見ての通り、私には五人の子供達が居るの。」



「後ろに居る長男の鷹仁。今は皇太子として現在修行中だ。」と力仁国皇が長男を紹介する。



「鷹仁だ。宜しくな竜史。」と軽く挨拶する鷹仁皇子。



 初対面にも拘わらず気さくに、竜史に挨拶をしてくれた。 



 彼は見た目が武骨者風だが、気優しい性格をして居る事で知られて居た。



「次に、次男の雪仁だ。」と力仁国皇が続けて次男を紹介する。



「宜しく。」と控え目な挨拶をしてくれた雪仁皇子。 



「この二人は、何れは日本に留学させる積りで居るし、序でに大陸からの疎開も兼ねて、コヨミ皇国からは、離れるさせる事にして居る。」



「さて、息子達の紹介は済んだが、此処で重要なのは、娘達が平民の家に・・・・しかも異国の地へと養子に出す事だ。」

 

 竜史は何となく理由を察した。



「なるほど、詰まりは・・・・こう言う事ですね。」



「第二・第三皇女のお二人を外国の平民の家に下賜される。」



「分かり易く言うと、皇族の身分を放棄させ、傷物にしてしまった形の降下させてしまおうと・・・・言う事なんですね?」



 竜史の理解力の高さに力仁は感心した顔で答えた。



 この話に関する飲み込み速さは、アニメ・ゲーム・ライトノベルと言ったオタク文化で培って来た事に起因して居る。



「紅葉の言って居た通りの青年だけは有るな。流石だ。」



「君の察しの通りだ。」



「君の家に養女に出してしまえば、取り敢えずは、此方の諸侯貴族達の諜報部隊は手出しは出来ないし、同じ理由からローラーナ帝国も然り。」



「例え両国の行き来が自由に成ったとしても、コヨミ皇国家皇族として価値の下がった、又は下げられたと見られてしまう二人を担ごうと考える者は、国内からは居なく成るだろう。」



「息子達も何れは日本に行くし、私の子供達は、何れも野心等は全く無いしな。」



「と言う訳なのだが、如何だろうか竜史君。」



「家の両親が良いと言えば、僕が反論する様な余地が在りませんよ。」

 



 其処へ紅葉が一つだけ疑問を聞いた。



「ちょっと待ってよ。それならどうして竜史の家なのよ?他に宛ては無いの?」



「仮にも彼は、大臣だろう?」



「その家ならば、安心と言うのは建前だが、なるべく目立たない場所と日本政府の目が届く土地に住んで居れば、警備も手間も掛からず安心だろうと言う訳だ。」



「無論、同じ年頃の護衛や世話をする従者も付けるが、その者達はあくまで話し相手だ。」



「異国の地で、故郷の人間が居ないのは不便だと想って、我がコヨミ皇国皇族家からの最低限の配慮だっ!」



「それに万が一、留学生であると、向うの宿舎での諍いを起して、我が娘達が酷い目に遭ってしまうと、国際問題に成つてしまう可能性がある。」



「そう言った事態を未然に防ぐ意味も在るがな。」



 何んとまあ、親馬鹿な行為だが、言って居る事は正論だ。



 竜史も、それくらいなら見逃しても、問題は無いかと考えていた。



 それに今の日本国内には、反戦ムードを訴える団体等の活動家達が、少数だが居る。



 もしも戦争に巻き込んだ隣国の姫が居ると知れ渡ったら、如何なるかは分からないし、学校で虐めが起きるかもしれない。



 受け入れに関しては、万全を期するべきだと言えるだろう。



 これに関連しての話は、竜史は問題が無いと改めて言った。



「それで紅葉さん事は、如何するんですか?」と当然の事ながら、長女である紅葉の事は如何なるかを聞く竜史。



「その事たが・・・・・私達夫婦は元より、此処に居る家族と皇族に連なる親族達は、これと言って特に心配して居ない。」



「何故です?」



 竜史からのその問いには、直に葛葉皇后が答えた。



「それはですね。紅葉は北斗一刀流の免許皆伝の腕前ですのよ。因み私も免許皆伝なの。」



「竜史、わたしの剣術の師匠は、お母様なの。」



「あー、なるほど。(どおりで時折、二人から怖~い殺気が出てると、おも・・・・・・・・)」



「何か言ったかしら?」



 紅葉が竜史を睨み付け、彼の背筋が凍った気がした。



 更に竜史は、それを察して、ビクビクと震えてしまって居た。



「いいえ、何も。皆さん、大変にお美しいと考えて居りました。はい。」



「うふふふっ、嫌ですわ竜史さん、こんな小母さん相手に、お世辞を言うのがお上手ですね。」



 うっかり心の声も言えやしない。



 確かに、こんな環境だったら旦那さんは大人しくして居るしか無い筈だ。



「君も将来は苦労するぞっ!」



「あなたっ!今し方、何か言いましてっ!?」とギロリと睨む大和撫子な美貌を持った奥さんは、夜叉姫の気配を漂わせる。



 その旦那さんは、直ぐにしまったと言った顔つきに成ると、直ぐに話題を変えよう竜史に話の続きをして行く。



「オホン、長話はこれ位にして、もう一人娘を紹介しよう。挨拶なさい。」



「清香お姉ちゃんは、相変わらず固いな~、おとーさん達も長話がし過ぎだよねーっ!」



 其処へ後ろで控えて居たショートのツインテール女の子が、竜史の隣に近付いて来た。



「君は?」



「初めまして、おにーさん。おにーさんが、今日からあたしのおにーさんに成る人だよね?あたしは麻衣だよ。宜しくね、おにーさんっ!」



 竜史の横顔を覗き込みながらの自己紹介が終えると、飛び掛りながら彼の腕に抱き付いた。



 年頃は14歳と言った所か、その少し膨らみかけの胸を押し付けながらのちょっと激しいスキンシップをして来る。



 彼女の悪戯ほっい仕草と明るい性格を前面に出してのアピールに、二人の姉達を慌てさせた。



 その声色は小悪魔な声色をして居る声優の後〇麻〇さんと似て居るかも知れない。



「ちょっと麻衣っ!そんな男に抱き付くのは止めなさいっ!!」



 清香が相変わらず、竜史を睨みつけながら、麻衣を引き離そうとして居る。



「そうよ麻衣っ!会って直の人に、その様に抱き付いては、迷惑に成るわよっ!!」



 麻衣は、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、更に調子に乗って姉達をからかいに入った。



「あれあれ~紅葉お姉ちゃんは、如何して慌てて居るのかなぁ~?」



「べっ、別に慌ては居ないわよっ!」



「あっ、分かっちゃった。もしかして・・・・・お姉ちゃん、まだ・・なんだね?」



 更に動揺してしまう紅葉。



 そのまだと言う意味は、夜伽を済ませて居ないとイケない意味に聞こえてしまう。



 コヨミ皇族の女性達は、意中の相手や星読み御告げの相手は必ずお手付きにして置くのが血筋上の慣例行為である。



 それがまだと言う事は・・・・・・・本人の性格が災いして居るのかも知れない。



「なっ、何の事を言ってるのよっ!!」



「やっぱり~それなら、このあ・た・しが、今すぐにでも良い事をして上げよっか?おにーさん。」



「何だったら、今すぐホテルの一室で、しっぽりと・・・・・・・・・・」



「麻衣ちゃん、ちょっと悪戯が過ぎるかな。」



「ええ~っ!ひどいよーっ!わたし一目で、おにーさんの事を気に入っちゃったんだよ~っ!!」



「クンクン、クンクン・・・・・う~んっ!それにとっても良い臭い。言って置くけど、これでも結構、本気なんだよ。」



 更に抱きつく麻衣に、騒ぎ立てる清香。



 紅葉は何も言えずに立ち尽くして居た。



 其処へ父である力仁が、話を強引に閉め終わらせる為に、会話に割り込んで入って来た。



「麻衣、その位にしなさい。」



「話は以上だ。竜史くん。済まないが、これからも娘達の事を宜しく頼む。」の言葉は、3人とも末永く面倒を頼むに聞こえしまう竜史。



「はぁ・・・・・」と厄介者を抱え込んだなぁーと思う竜史であった。



「それじゃ、そろそろ移動しましょう」と交援省の外務課の職員が、竜史達の一連のやり取りをスルーをしつつ、この場に居る一同の移動を促す。



「は~い。じゃ、おにーさん。またねぇーっ!」とその場を立ち去ろとした時である。



 麻衣は、あっ!?と思い出したかの様に竜史の元へと駆け戻って来た。



「あっ、そうだったっ!」



「ちゅっ。えへへへ、じゃねぇーっ!」と満面の笑みで立ち去る麻衣。



 それは本当に、去り際の不意打ちだった。



 麻衣は本気で、竜史の貞操と心を奪う気で居るのだ。



 そんな麻衣が立ち去った後、竜史の後ろで母親と同じく、夜叉姫による恐怖の殺気が立って居た。



 竜史が恐る恐る振り返ると、それはそれは紅葉さんは大層、大変なお怒りだったと言う。



「りゅ~う~じ~いいぃぃぃーーーーっ!!!」



「あはは。」と空笑いをしながら、「ああ、このまま小言責めの刑だな。」と悟り、逆らわない様にしようと、直ぐに黙り込む。



「貴方っばっ!!麻衣に何されてるんですかっ!シャキッとしなさいっ!!」



「あらあら、二人とも若くて、微笑ましいわね。」



 その光景を母は微笑ましく見守って居た。



 コヨミ皇国の皇族家の女性達は、気が強くて嫉妬深く、浮気や逆らわれる事を嫌うと言う意味が、改めて思い知らされた竜史であった。



 こうして、高見家と竜史は、コヨミ皇国の皇族の娘達を受け入れる事と成り、竜史には義理の妹が、二人も出来たのであった。