アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前5時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城から25キロ地点・ルドン島との境界線・ローグリア平原にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 グリクス地方軍団追撃部隊は、全軍の陣形を鶴翼陣形で構え、部隊陣形を8千の重機動師団を一千の部隊つづに分ける。



 その後方には、歩兵軍団8千を同じく1千つづ盾を掲げながら亀甲陣形を組んで、自衛隊の機甲部隊を包囲する様にして、前進を始めた。



 また、残り四千の騎兵隊は2千の部隊を左右後方で遊撃隊として、陣形を固めている。





「全軍団っ!!突撃せよおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!」



「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」





ドーンッ!ドーンッ!ドーンッ!ドーンッ!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!!ドン!ドン!



 ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!



ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!



ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!ボウウゥゥオオォォォォォオオオオォォーーーーッ!!







 角笛と太鼓を叩いて、徐々に駆け足をして行く中で、軍団長は突撃命令を下した。





「「「「「ブモオオオオォォォーーーーッ!!!!」」」」」



「「「「「ブモオオオオォォォーーーーッ!!!!」」」」」



「「「「「ブモオオオオォォォーーーーッ!!!!」」」」」





 普段は大人しい重騎竜トリプトドンも魔導砲台を牽引しつつ、騎乗者に促されながら突撃して行く。



 同行する速竜種ヴェキエルには、砲台装填手と魔導砲弾を詰め込んでいる竜馬車が、一隊部隊として共に駆けて行く。



「「「「「ギャオオォォーーーースッ!!!!」」」」」



「「「「「ギャオオォォーーーースッ!!!!」」」」」



「「「「「ギャオオォォーーーースッ!!!!」」」」」







 咆哮するフレイムランドドラゴン。眼前の敵に対して、火炎放射を撃ち掛け様と、ドスンッ!!ドスンッ!!!と大地に足音を響かせつつ、駆け足を始めた。



「前線各隊及び特科各隊へっ!攻撃目標っ!グリクス地方軍団の重機動師団っ!」



「撃ちーかーたよーいっ!」



「攻撃目標っ!グリクス地方軍団の重機動師団っ!」





「東方向、距離2万っ!撃ち方よーい。」





 99式自走155ミリ榴弾砲20両と155ミリ砲FH70・30門が、椎名三佐達から送られて来る敵位置情報を基にして、砲塔を撃つべき方向へと向けられる。



「「「「「うわわわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」



 勇猛果敢な雄叫びを上げて駆けて来るグリクス地方軍団の者達を冷静に、そして非情な眼差しで、椎名三佐は攻撃命令を下した



「特科大隊各隊へ・・・・・撃てっ!!」



「てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」





 ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!



 ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!



 ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!



 ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!





 西側の後方約20キロ付近から、特科隊による99式自走155ミリ榴弾砲20両と155ミリ砲FH70・30門の一斉砲撃が放たれた。





 凄まじい量の砲弾の雨がグリクス地方軍団の重機動師団を中心とした追撃部隊の頭上へと降り注ぐ。





 ババーンと言う榴弾の炸裂する破裂音が、陸自前線部隊の目の前で木霊する。



「うぬぬっ!!者共っ!!怯むなっ!前っ!前っ!前っ!前ええぇっ!前えええぇっ!!」



 師団長は、自衛隊の凄まじい砲撃を怯む事無く、指揮棒を前に掲げ、敵に向かって戦い駆けて行く将兵らを士気を保ち続ける為に、声高に檄を飛ばしつつ鼓舞し続けた。



「「「「行けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」」」」



「「「「「うおおおおおぉぇぉぉぉーーーーーっ!!!!」」」」」



 何時の時代、何所の世界だったとしても、この手の兵科の軍隊は、勿論の事ながら、怯んだら負けである。



 だから立ち向かって来る突撃軍は、勇猛で蛮勇であり、決して恐れを受け入れないのだ。



 だから怖いとも言える。





「うはーっ!!自衛隊のあれだけの一斉連続砲撃を受けても、全然怯まないなんて・・・・・・・・」



「只前に突き進む。」



「我が国でも、かつてはそうした時代も有ったけど・・・・」





「それを実際に敵に回して、敵となる軍隊を目の当たりにすると成るとは・・・・・・」





 リナは、自衛隊が誇る機械化式の大砲の威力と連射能力の威力を知らしめた上でも、尚も立ち向かって来るグリクス地方軍団の勇猛さに驚く。



 普通ならこの時点で、攻撃を受けている兵達は、自衛隊の兵器の攻撃能力に恐怖して逃散するものだ。



 それなのに退かないのは、純粋な忠誠心では無く、身の安全と言う名の進退の安否確保と言う恐怖心から来る忠誠心によって駆り出された、死を決して恐れない勇猛な蛮勇来るものだった。



 椎名三佐らも、旧軍の万歳突撃を連想させる敵軍に恐怖して居るが、冷静な顔立ちで向って来る敵軍に対処する。



 だが、相手は非常に厄介な存在だ。これを退かせなければ、この撤退戦は成功し得ないのだった。



何方も怯む事を感じたら負け、軍としての意地のぶつかり合いでも有るのだった。





 此処で椎名三佐も自身の乗り込む10式戦車を始めとする陸自戦闘車両舞台に攻撃を命じた。



「前線各車へ通達する。撃ち方始めっ!!」



 各部隊の各車は、割り振られた目標へと攻撃を開始する。





 ズドドーーーンッ!!!と言う10式戦車の120ミリ滑腔砲と16式機動戦闘車の105ライフルミリ砲による一斉射撃が行われる。



 それと同時に87式自走機関砲の35ミリ高射機関砲、89式装甲戦闘車の35ミリ機関砲が撃ち放たれる。



 ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!



 ダンダンッ!!ダンダンッ!!ダンダンッ!!ダンダンッ!!ダンダンッ!!



  前線各車に備え付けられている74式車載7.62ミリ機関銃や普通科隊員の小銃射撃も加わり、自衛隊側も一歩も退かない構えであった。



ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!



ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!ズダダダダダッ!!



「くそっ!!これでは一撃所か、一発の玉すら撃てないではないか。」



「ニホン軍の兵器の連射力は、異常で半端ではないです。」



「各隊の被害甚大っ!!」





「騎兵隊も迂回突撃を行いましたが、半数が撃退されてしまいましたっ!!」



「くそっ!!各隊っ!防御隊形を取りつつ徐々に後退せよっ!!」



「了解っ!!」





 グリクス地方軍団・追撃部隊の軍団長は、後退を命じて防御体勢を取り始めた。



「リナさん。どうやら貴女の出番は、この後の戦いまで、お預けの様ね。」



「それはそれでアタシの方は、楽が出きて、助かりますけどね。」



「それでは・・・・・・・・」



 リナは椎名三佐らの勝ち戦と見ると、後方へと先に引き上げたらしい。



 リナの一撃必殺の高出力雷撃魔法であり、その一撃で3万人単位の都市が、一瞬にして消し飛ぶ威力を持って居るのがサンダースレイブ。



 それを撃ち放つのも、とても労力と魔力消費が激しいし、体力もかなり持って行かれるのだ。





「こちら隊長車より、各部隊・各車へ。全隊っ!前車っ!前進せよっ!」



「これより追撃による前進射撃を行う。」



「各部隊・各車っ前進開始っ!」



 椎名三佐と冬眞一射らは、10式戦部隊を二つに分けて、中央から行進射撃とスラローム射撃を駆使して、敵を追撃しながら蹴散らして行く。





 その左右からは、16式機動戦闘車4両と89式装甲戦闘車5両が展開し、その後ろに87式自走機関砲隊が4両編制で後に続いて行く。





 グリクス地方軍団・追撃部隊は、自衛隊が誇る最新鋭戦車の行進射撃とスラローム射撃に恐怖したと、後に書かれた交戦記録に書き残して居た。



 何せ、移動しながらの射撃なんて、彼らには有り得ない戦術だったからだ。



 こうして、カントルナ砦近郊上陸撤退戦での戦いは、アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前6時38分に椎名三佐の撤退命令で終わりを告げたのである。



 グリクス地方軍団・追撃部隊は、5千の兵を残して逃げ延びたと言う。



 日シベ合同作戦軍側の圧勝である。







                                                          アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前7時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                                                      



 

 朝日が完全に昇り始めたこの時間。



 椎名三佐が率いる陸自機甲車両部隊は、朝日に照らされながら、最終防衛撃退ラインでの戦いを見事に成功させ、セイジョン・ローグリア城近郊付近まで帰還して居た。



「こちら偵察警戒して居る但馬一曹です。」





「椎名三佐が率いる陸自機甲車両部隊の帰還を確認しました。」





 但馬一曹はオートバイ部隊の一員で、定期の偵察警戒を行って居る時に、椎名三佐が率いる陸自機甲車両部隊の帰還を見かけたのであった。





 陸自派遣隊の全部隊は、セイジョン・ローグリア城に集結し、城の東側に広がっているセイジョン・ローグリア城塞市の城壁付近で陣地を築いて、車両の整備等に当たっていた。



 城の西側に目を向けると、続々とアルガス公国軍の援軍が来着しつつあった。



 その数は凡そ4万人余りである。



 それも上陸時に兵や馬を貨物に偽装し、陸上では貨物車として扱う形式の龍馬車や荷馬車に偽装して、将兵等を移動させる徹底振りである。



 第二次大戦時に、連合国軍がアフリカ北部で行った元手品師を中心とした徴兵された民間人を中心とした戦車偽装奇襲作戦を行って居る様な様相であった。



 それに運搬には、海自の多用途艦を中心とした非戦闘艦を用いた曳航航行で運搬を支援して居るので、短期でのセイジョン・ローグリア島への輸送が可能と成って行われていた。



 更には敵からすれば、撤退する為に必要な船が行き来して居る風に見える様にしあるので、事がバレる頃には、最終決戦と成って居る筈である。



 南方方面警戒の艦隊中の第3艦隊は、護衛艦あかつき・ひびき・いなずま・すずかぜ・いかづち等は、うらが型掃海母艦・うらがも加わえての警戒監視活動を続け、洲崎二佐は、南方方面に目立った動きは無いと報告をし、引き続き警戒監視を怠らないとしていた。



「おい、見ろよ。」



「おおっ、あれは10式戦車隊だ。無事に戻って来たぞっ!」



「・・・・と言う事は、作戦が成功したのか。」



 自衛官達は、椎名三佐達の帰還して来て居るのを見付けると、心から安堵し合い。



 この度の戦いで行われた作戦が、無事に成功したと喜び合っていた。



「アルガス公国万歳いいいいぃぃぃぃーーーーーっ!!」



「ブレックス・ファーミラ公王陛下、万歳いいいいぃぃぃぃーーーーっ!!」 



「エリノア・ドラグリア白龍大帝陛下、万歳いいいいぃぃぃぃーーーーっ!!」 



「シベリナ連合同盟っ!万歳いいいいぃぃぃぃーーーーーーーっ!!」



「ニホン国の支援に感謝をーーーーーっ!!」



「ニホン国自衛隊の者達に勇敢なる戦士達にも感謝をーーーーーっ!!」



「えいえい、おおおおぉぉぉぉーーーーっ!!」



「えいえい、おおおおぉぉぉぉーーーーっ!!」



「えいえい、おおおおぉぉぉぉーーーーっ!!」



「えいえい、おおおおぉぉぉぉーーーーーっ!!」





 戦に参加して生き残ったアルガス公国の将兵らは、戦に貢献した国々の元首の名前や参加国の名前を称えて感謝と喜びを表現していた。





 それは長い時、帝国に苦しめられ滅び掛けて居る国々に取って、僅かに希望と士気を高めたのである。



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」





 歓声と鬨の声は高揚感が収まるまで数分間の間、続いて居たと言う。