「いや、いいよ。俺が言い出したことだし。その調子で、他のクラスメイトのことも花だと思って最初は話してみるといいよ。まあ簡単にいくとは思わないし、失敗するかもしれないけど、その時は–––」



「おー!やっと主役の登場かー!おせぇよ、小野寺ー!」

「ごめんごめん、思ったより遅くなっちゃってさ」


店員さんに案内してもらった大部屋に行くと、クラスメイトたちはほぼ全員来ているのかたくさんの人で溢れていて、小野寺くんの後ろで思わず縮こまる。


「…あれ?桂木さん?」

「ああ、途中で会ってさ。どうせなら桂木さんにも来てもらいたくて、誘ったんだ」


クラスメイトの視線を向けられて、思わず俯く。

…どうしよう、やっぱり無理…。


「…っ」


突然、みんなには見えないように後ろで小野寺くんにぎゅっと手を握られ、驚いて顔を上げる。


「桂木さんが自分から行きたいって言ってくれたんだ。ね?」

「え、そうなの?私たちはてっきりこういうの苦手なんだと思ってたから、今まで誘ってこなかったんだけど…」