突然後ろから話しかけられて驚き、思わず持っていたじょうろを落としてしまう。


「本当はそう思ってたんだな。知れてよかったよ。危うく桂木さんの本当の気持ち見落とすところだった」

「あ…お、小野寺く…。な、なんで、歓迎会行ってたんじゃ…」

「転校の手続きみたいなのあって元から遅れていくつもりだったんだよ。靴箱がどっちかわからなくなって迷ってたら、中庭にいる桂木さん見つけたから思わず来ちゃった」

「い、いつから聞いて…?」

「んー“小野寺くんっていう転校生が今日来たんだけどね”のところから?」


そんなのほぼ全部じゃん!

恥ずかしくて顔が熱くなっていく。


「誰にだって苦手なこと一つや二つあるから、無理にとは言わないけどさ。もしさっきのが桂木さんの本音なら、俺と一緒に行かない?うまく話せないとかは気にしないで、桂木さんはどうしたい?」

「わ、私、は…」


きっと私が行ったって、みんなに迷惑をかけてしまうかも。

せっかくの小野寺くんの歓迎会なのに、私のせいで台無しにしてしまうかも。


だけど…。


「…行きたい。私も、一緒に行きたい…」