「ん…」
「…莉奈?起きたのね、莉奈!」
目を覚ますと、つんっと消毒液の嫌な匂いが鼻をつき、腕には管がたくさん取り付けられていた。
見慣れたこの光景、ずっと忘れていたこの光景。
「…お母さん?」
「そうよ!よかった、やっと目を覚ましたのね…!」
涙目になりながら私を覗き込んできたお母さんに、ぼんやりとする頭で「戻ってきたんだな」と実感する。
私がさっきまでいた世界、夢から覚めてしまったのだと。
「手術が終わってから半年くらいずっと昏睡状態だったのよ。でも本当によかった…!待っててね、今人を呼んでくるわ」
パタパタと慌ただしく駆けていったお母さんの後ろ姿を見送りながら、はあと天井を見上げる。
…思い出してしまった。
私は小学生の頃から心臓が弱く、入退院を繰り返していた。
学校にもたびたび休んでいたため、友達を作ることも苦手でいつからか人と関わることすら苦手になっていった。
体育を休んだり気を遣われたりと周りに迷惑をかけることの方が多かったから、周りの目を気にするようになりいい子でいようと自分の本当の気持ちすらうまく言えなくなったのだ。
「…莉奈?起きたのね、莉奈!」
目を覚ますと、つんっと消毒液の嫌な匂いが鼻をつき、腕には管がたくさん取り付けられていた。
見慣れたこの光景、ずっと忘れていたこの光景。
「…お母さん?」
「そうよ!よかった、やっと目を覚ましたのね…!」
涙目になりながら私を覗き込んできたお母さんに、ぼんやりとする頭で「戻ってきたんだな」と実感する。
私がさっきまでいた世界、夢から覚めてしまったのだと。
「手術が終わってから半年くらいずっと昏睡状態だったのよ。でも本当によかった…!待っててね、今人を呼んでくるわ」
パタパタと慌ただしく駆けていったお母さんの後ろ姿を見送りながら、はあと天井を見上げる。
…思い出してしまった。
私は小学生の頃から心臓が弱く、入退院を繰り返していた。
学校にもたびたび休んでいたため、友達を作ることも苦手でいつからか人と関わることすら苦手になっていった。
体育を休んだり気を遣われたりと周りに迷惑をかけることの方が多かったから、周りの目を気にするようになりいい子でいようと自分の本当の気持ちすらうまく言えなくなったのだ。



