小野寺啓哉という存在は私が作った幻…イマジナリーだった?
–––「じゃあ行こうよ、歓迎会」
いつかの小野寺くんに言われた言葉を思い出し、ふとまだ探していない場所が一つあることに気づいた。
私たちが、出会った場所。
自分の気持ちを押し殺して苦しんでいた私を小野寺くんが見つけてくれた始まりの場所…。
「…見つけた」
花壇の前で花を見下ろしていた小野寺くんに目の前まで歩いていき声をかけようと口を開くと、とっくに気づいていたかのようにゆっくりと小野寺くんが私を振り返ってきた。
「よかった、やっぱり消えてなんていなかった」
小野寺くんがもうどこにも行かないように、両手をぎゅっと握りしめる。
「みんながおかしいの。なぜか小野寺くんのことを忘れているみたいで、誰に聞いても知らないって顔されて…。あ、どうして今日教室に来なかったの?ずっと、ここにいたの…?」
何かが変だと薄々私でも気づいてきているのに、なんとなくそれを認めたらいけない気がして核心には触れないように質問を重ねる。
「…莉奈。時間が来たみたいなんだ」
–––「じゃあ行こうよ、歓迎会」
いつかの小野寺くんに言われた言葉を思い出し、ふとまだ探していない場所が一つあることに気づいた。
私たちが、出会った場所。
自分の気持ちを押し殺して苦しんでいた私を小野寺くんが見つけてくれた始まりの場所…。
「…見つけた」
花壇の前で花を見下ろしていた小野寺くんに目の前まで歩いていき声をかけようと口を開くと、とっくに気づいていたかのようにゆっくりと小野寺くんが私を振り返ってきた。
「よかった、やっぱり消えてなんていなかった」
小野寺くんがもうどこにも行かないように、両手をぎゅっと握りしめる。
「みんながおかしいの。なぜか小野寺くんのことを忘れているみたいで、誰に聞いても知らないって顔されて…。あ、どうして今日教室に来なかったの?ずっと、ここにいたの…?」
何かが変だと薄々私でも気づいてきているのに、なんとなくそれを認めたらいけない気がして核心には触れないように質問を重ねる。
「…莉奈。時間が来たみたいなんだ」



