この世界で君と恋の続きを始める

「な…っ、な…っ!?」

「あはは、これで俺のファーストキスは莉奈だけのもの」


さっきまで止まらなかった涙が驚きで全部引っ込んでしまい、代わりに顔だけじゃなく身体中が燃えるように熱かった。


「嫌だった?」

「嫌じゃ…ないけど…」


一瞬すぎてもう何が何だか…。


でも不思議と、さっきまであった胸のモヤモヤが綺麗さっぱりなくなっていた。

小野寺くんはきっと魔法使いか何かなのかな。私の気持ちを一瞬で変えてしまうのだから。


「…もう一回、して?」


だから私も、小野寺くんが相手だと自分の気持ちを隠すことなく素直に伝えられるのだろう。


「…っ。俺の前で可愛い顔するの禁止」

「へ!?可愛い顔って…」


戸惑っているうちに小野寺くんが優しく二回目のキスをしてきた。