この世界で君と恋の続きを始める

「え…?」


嫌いに、ならないの…?


「俺はたとえ記憶をなくしたとしても、いつどこで莉奈と会ったとしても、必ず好きになる自信がある。この気持ちだけは何があっても絶対に忘れないよ」

「…本当に?」

「当たり前だろ。俺がこの世で好きなのは莉奈だけなんだから」


体を離した小野寺くんが、ふっと優しく笑うと私の涙を袖で拭ってくれた。


「それに、教室でキスなんてされてないよ。たしかに一瞬されかけて危なかったけど、寸前のところで手でおさえたし、その手だってちゃんと洗ったよ。俺のファーストキスはまだ誰にも奪われてないってわけ。てっきり莉奈もわかっててくれてるのかと思ったんだけど、あそこ死角だったのかな」

「…え?」


小野寺くんはあの子とキスをしていなかったってこと…?

全部、私の勘違いだったんだ…。


「なんだ…。よかっ…」


た、と言い終わる前に顔を近づけてきた小野寺くんに唇を塞がられた。