この世界で君と恋の続きを始める

「こっち向いて、莉奈」


優しく語りかけてくる小野寺くんに、力なく首を横に振る。


「…こんな私、見せられない。小野寺くんに嫌われたくない…っ」

「莉奈」


きっとこの想いをぶつけてしまったら、さすがの小野寺くんでも面倒くさいと思ってしまうかもしれない。

私から離れてしまうかもしれない。


そう頭ではわかっているのに、小野寺くんに名前を呼ばれ触れられただけで私の体は言うことを聞かなくなってしまう。

小野寺くんに逆らえない。


優しく手を退けられて、涙でぐちゃぐちゃの汚い顔が露わになる。


「…ふ、不安なの。小野寺くんは私と違って人を魅了する力を持っているから。いつかとびっきり可愛い子が現れて小野寺くんに猛アタックしてきたとしたら、こんな私じゃ勝てる自信がないから。あんなの事故だってわかってるけど、小野寺くんが教室で女の子にキスされてるのを見てすごく嫉妬したの…。私は臆病だから気持ちを伝えるだけでいっぱいで、全然自分から行動できないから。愛想尽かされたっておかしくないもん…っ」


気づいたら、ぎゅっと力強く小野寺くんに抱きしめられていた。


「俺が莉奈を嫌いになるわけないだろ。俺はきっと何をされたって莉奈を嫌うことなんて絶対にない。本当は自分の気持ちを伝えることだって苦手だったのに、それでも一生懸命伝えてくれる姿が愛おしいと思うし、嫉妬でこんなに俺のこと考えてくれてたなんて嬉しいに決まってるじゃん」