「ピュアで可愛いなって思っただけだよ。でもそんなに奥手だったら、どっかの積極的な女子に手出されちゃうんだからね?気をつけなよー」

「う…そんなの嫌だ…」



「…っ」

「…莉奈?」


…凛々ちゃんの予言はどうしていつも当たってしまうのだろう。


あれから凛々ちゃんと別れて先生に日誌を出してすぐに戻ってくると、同じクラスの女子力が高くて可愛いと有名な女の子と小野寺くんが二人きりで教室に残っていた。

どうやら告白をしているようで、その中に入っていく勇気もなく彼女のくせに私はじっと扉のそばで見守っていた。

ふと、女の子が不意に小野寺くんに顔を近づけていた。

あまりに驚きすぎて思わず扉に足をぶつけてしまい、ハッと振り返った女の子が逃げるように教室を出ていった。

そして小野寺くんと静まり返った教室に取り残され、二人で向き合っていた。


「莉奈、今のは…」

「わかってる。みんなが小野寺くんのこと好きになっちゃう気持ち、私が一番よくわかるもん…」


私にはもったいないくらい、小野寺くんは魅力的な人だ。

それでも小野寺くんが選んでくれた人は私で、その事実にどこか安心していたのかもしれない。


「誰から想われたとしても、俺の好きな人は莉奈だけだよ。さっきの告白もちゃんと断ったし、それに…」


ぎゅっと柄にもなく自分から小野寺くんに抱きつく。