「へ！？」


にやっと意地悪く笑っている凛々ちゃんに頰を突っつかれ、ハッと我に返る。


「そんなんじゃ小野寺に気持ちがバレるのも時間の問題だと思うなー」

「え、ええ！？そ、それは困る…」


凛々ちゃん曰く、私は小野寺くんが好きだということがバレバレらしく、この気持ちもすぐにバレてしまった。

幸い小野寺くんはまだ気づいていないのか、普通に話しかけてくれているけど。


「告白しないの？うじうじしてたら他の子に取られちゃうよー？」

「こ、告白なんて、そんなの無理だよ…。私と小野寺くんじゃとてもじゃないけど釣り合わないし…」

「まだ莉奈はそんなこと言ってるの？小野寺も莉奈に対しては他の女子よりは特別だと思ってる気がするけどね。ちゃんと伝えないと、後悔したって遅いんだからねー？」

「う…」


凛々ちゃんの言う通り、小野寺くんほど魅力的な人はきっと私が勇気を出せなくて悩んでいるうちに誰かの恋人になってしまうかもしれない。

わかっているけど、やっと話せるようになってきたばかりの私が、人気者の小野寺くんに好きになってもらえる自信がない。

もっと小野寺くんに似合う女の子はこの世界にたくさんいるはずだから。

わかりきっている結末に、私は何もできずにいるのだ。