闇の王を倒し、闇の力が消えた後、セレナとノワールは静かな時間を過ごしていた。闇の森の中、二人は穏やかな日差しを浴びながら、これからのことを話していた。

 「ノワール、あなたが闇の力に囚われていた頃、どんな気持ちだったの?」

 セレナがふと尋ねると、ノワールは少し考え込んだ後、ゆっくりと答えた。

 「覚えているのは、ただ……闇に引き寄せられていく感覚だけだよ。光を求めていたけど、闇がその先を塞いでいた。でも、セレナの声が、俺を目覚めさせてくれた」

 「それは、あなたの中の光が私を呼んでいたからよ」

 セレナは微笑んだ。

 「でも、あの時の私はまだ迷っていた。闇の王が言ったように、俺が光と闇の狭間に生まれた存在だとしても……それがどうしても、受け入れられなかったんだ」

 「でも、今は違う。私がいる、リリアもいる。あなたは一人じゃないから、もう怖がらなくていい」

 セレナの言葉に、ノワールは深く息をついた。

 「ありがとう、セレナ。お前の存在が、俺にとってどれだけ大きな光になったか、言葉では表せないよ」

 その時、空を見上げると、あの消えたはずの「星の涙」が再び現れていた。今度は、以前よりも輝きを増して、空全体を照らすように輝いている。

 「星の涙が……戻ってきた?」

 「うん、あれが本当の光なんだろうね」

 二人は見つめ合い、静かにその光を感じ取った。

 その瞬間、セレナは自分の中に新たな力が宿ったのを感じた。それは「光」の力。彼女が育てた希望と絆の力が、星の涙の輝きと共鳴して、彼女の魔法を一層強くした。

 「これで、私たちの役目も終わったのかな?」

 ノワールが静かに言った。

 「まだ終わりじゃないわ」

 セレナは優しく微笑みながら答えた。

 「新しい星が生まれたように、私たちの冒険もまだ始まったばかりだから」

 その言葉を聞いたノワールも頷き、空を見上げる。

 「そうだな。俺も、これからは自分の力で闇を照らしていく」

 そして、二人は手を取り合い、今後の未来に向かって歩き出した。