羽が導いた先は、学園の外れにある 「闇の森」 だった。この森は古くから立ち入り禁止とされていた。

 「なんだか嫌な気配がする……」

 リリアが身震いする。セレナも感じていた。森の中には、まるで生き物のような闇が蠢いていた。

 それでも、セレナは勇気を振り絞って足を踏み入れた。すると、不意に闇の中から現れたのは、一人の少年だった。

 「……君たちは何者だ?」

 銀色の髪、琥珀色の瞳。そして、どこか寂しげな雰囲気をまとった少年。その腕には、セレナが持っている黒い羽と同じものがあった。

 「あなたは……?」

 「俺の名は ノワール。ここで何をしている?」

 「それはこっちのセリフよ!」

 セレナは杖を構えた。しかし、ノワールは戦う気はないようだった。

 「……お前たちが『星の涙』を探しているのなら、俺も協力しよう」

 「えっ?」

 まさかの申し出に、セレナとリリアは驚く。

 「どういうこと?」

 「俺も知りたいんだ。『星の涙』と、俺の……過去のことを」

 ノワールは少し悲しげに言った。その言葉には、深い意味が込められているようだった。

 セレナは彼を信じるべきか迷った。しかし、彼の瞳には敵意がなかった。

 「……わかった。じゃあ、一緒に真実を探そう!」

 こうして、セレナたちはノワールと共に「星の涙」の謎を追うことになった。しかし、この先に待ち受ける運命は、彼女たちの想像を遥かに超えるものだった——。