翌日、セレナは学園の親友であり、魔法研究が得意なリリアのもとを訪れた。

 「これは……ただの羽じゃないね」

 リリアは黒い羽を慎重に調べながら、魔法陣を描いた。そして、呪文を唱えると、羽は淡く光り、宙に浮かんだ。

 「この羽には、『闇の魔力』と……それに対抗する『光の魔力』の痕跡がある」

 「光の魔力……?」

 「うん。つまり、この羽を落とした存在は完全な闇ではなく、かつては光の側だった可能性がある」

 セレナは驚いた。もし本当に闇の王が元々は光の側だったのなら、一体何が彼を変えたのだろうか?

 その時、黒い羽が不意に動き出した。まるで何かに導かれるように、窓の外へと飛んでいく。

 「追いかけよう!」

 二人は慌てて学園を飛び出し、羽の後を追った。