リリスの警告を受け、セレナとノワールは新たな仲間として、リリスと共に戦う準備を始めた。だが、星の涙が復活したことにより、異世界からの力を持つ者たちが次々と現れ始めた。

 ある日、学園の近くで不穏な気配が漂い、セレナたちはその場所へ向かった。

 「この辺りの空気、少しおかしい……」

 リリスが慎重に周囲を観察していると、突然、空が暗くなり、周囲の木々が揺れ始めた。

 「これは…?」

 セレナが声を上げると、空にひときわ大きな影が現れた。それは、漆黒の翼を広げた巨大な魔物だった。

 「気をつけて!あれは『闇の使者』よ!」

 リリスが叫ぶと同時に、魔物は大きな咆哮を上げて、猛然とセレナたちに向かって突進してきた。

 「みんな、構えろ!」

 ノワールは剣を抜き、闇の魔力をまとわせて魔物に立ち向かう。

 「ナイトフォール・スラッシュ!」

 黒い波動が魔物に直撃し、一瞬魔物の動きが止まったが、すぐに回復し、怒りの咆哮を上げて反撃してきた。

 「まずい、あれはただの魔物じゃない。闇の使者だとしたら、普通の魔法では効かない!」

 セレナは杖を握りしめ、集中した。

 「星の力を集めて……スターライト・バースト!」

 星のように輝く光が魔物に向かって放たれる。だが、それでも魔物は簡単にその光を弾き返してしまう。

 「このままじゃ……」

 リリスは素早く動き、魔物の動きを封じる魔法を唱えた。

 「エターナル・シール!」

 魔物の足元から巨大な光の鎖が現れ、魔物を一時的に拘束した。しかし、魔物はその力を振りほどくと、再び大きな翼を広げて飛び上がった。

 「まだ時間がかかりそうだな」

 ノワールが肩をすくめて言った。

 その時——

 ギィィィィィィィィィィィ……

 遠くから、また別の魔物の気配が感じられる。セレナが振り返ると、暗い空に無数の黒い影が浮かび上がり、次々と巨大な闇の使者たちが現れた。

 「まさか、こんなに……」

 リリスの顔が険しくなる。

 「このままじゃ、いくら私たちが強くても間に合わない。次から次へと現れる闇の使者たちをどうにかしなければ……」

 その時、セレナの胸元から光が煌めき、彼女のペンダントが反応を示した。

 「この力……」

 セレナは驚いた。ペンダントがまるで生きているかのように振動していたのだ。

 「もしかして、これが……星の涙と繋がっている証拠?」

 ノワールがセレナを見つめ、頷いた。

 「そのペンダントは、ただの魔法の道具じゃない。星の力を引き出す鍵なんだ」

 セレナはペンダントを握りしめ、その中に宿る力を感じ取った。

 「私、もう一度、星の力を完全に解放する!」

 その時、リリスが手を差し伸べた。

 「セレナ、私たちも手を貸すわ!」

 ノワールも剣を掲げ、彼の体から黒い魔力が溢れ出した。

 「俺も、闇を照らす力を使う」

 三人の力が一つになり、空に強い光が集まり始めた。それは、星々が集まるような壮大な光景だった。

 「行け、セレナ!その力を使って、闇を消し去って!」

 リリスの声が響き、セレナは深く息を吸い込んだ。彼女の魔法は、星の力を集め、無限に広がる光となり、闇の使者たちに向かって放たれた。

 「スターライト・エクスプロージョン!!」

 光の爆発が広がり、闇の使者たちを一瞬にして消し去った。だが、その光景に満足する間もなく、空は再び暗くなり、遠くで新たな闇の影が現れた。

 「まだ、終わっていないのか……」

 ノワールが冷静に言った。

 「だが、今の力を合わせれば、どんな敵でも乗り越えられる」

 セレナは微笑みながら言った。

 「うん、私たちならきっと、どんな困難も乗り越えられる」

 三人は互いに力を合わせ、闇を払うために立ち上がった。その先に待ち受けるのは、さらに強大な敵だったが、彼らの絆はもう決して壊れることはない——