でも、このままではいけないので、僕は怒れるエミリーさんに駆け寄りました。
「エミリーさん、ストップ、ストップです! 正当防衛じゃないのに殴っちゃうと、後々大変ですよ」
「そ、それはそうだけど……」
エミリーさんは、不満そうな表情をしながら何とか納得してくれました。
当主は、助かったとヘナヘナとしちゃいました。
でも、罪は償って貰わないといけません。
「えっと、強制捜査妨害、並びに違法薬物所持の現行犯で逮捕します。捕縛して連行して下さい」
「「「はっ」」」
僕が兵に命令して、当主を縄で縛り上げます。
うーん、当主の力が抜けちゃって体がふにゃふにゃとして縛りにくそうですね。
そして、当主は歩くこともままならないので担架に乗せられて連行されていきました。
「ノリスさん、ノーヴェさん、中々大変なんですけど腹が立つことでもぐっと堪えることも必要です。変に問題を起こすと、後々が大変なんです。もちろん、正当防衛などは話が別です」
ノリスさんとノーヴェさんも、思わず苦笑していました。
僕だって、怒りを堪えるのが大変な時もあります。
でも、そこも覚えないといけないんですよね。
すると、ノリスさんがこんなことを言っていました。
「取り敢えず、激怒状態のエミリー様を止めるのはナオ様でないと無理そうです」
「私も難しそうです。それだけ、エミリー様が怒られていたのもありますが……」
ノーヴェさんも無理無理と言っていたけど、意外とカエラとキースならエミリーさんを止めることができそうです。
ごっそりと抜けた前勇者パーティの面々なら、間違いなくエミリーさんを止めることができます。
何にせよ、お仕事はまだまだ続きます。
「次はね、悪い証拠を探すんだよ!」
「隠した人が忘れちゃって、意外なところにあったりするんだよ」
今度は、カエラとキースがノリスさんとノーヴェさんに証拠の探し方を教えていました。
カエラとキースは、探し物が得意だもんね。
スラちゃんもいるから、この執務室は丸裸にされそうです。
「あと、屋敷内の各部屋も捜索します。屋外の倉庫に重要なものがあったりもします。なので、兵によって現場保存して数日かけて探します」
「でも、重要なものは直ぐに見つけちゃうよ!」
カエラが自信満々に答えているけど、それは僕たちのお友達の能力がずば抜けているからなんだよね。
「本当に強制捜査って大変なんですね。改めて勉強になりました」
「法律関係も勉強しないとなりませんね」
ノリスさんとノーヴェさんは、緊迫した状況が一段落して思わずホッとしていました。
これからもこうした強制捜査の現場に立ち会わないとならないし、頑張っていきましょうね。
そして、エミリーさんも気持ちが落ち着いたみたいで、通信用魔導具で各所に連絡をとっていました。
「ふう、これでよしっと。このまま執務室の捜索を終えたら、軍の施設に来てくれってことよ」
「エミリーさんが落ち着いてくれて良かったです」
「みんなを引っ張らないとっていう思いもあったから、ちょっと気が立ってしまったわ。反省しないとね」
エミリーさんも、自分の失敗を反省していました。
うん、これならエミリーさんの精神状態は大丈夫ですね。
そして、みんなで手分けして執務室や屋敷内の捜索を終え、一足早く軍の施設に向かいました。
すると、軍の施設にこの人がいたのです。
「みんなお帰り。初めてにしては、中々頑張ったみたいだね」
「ヘンリーお兄様!」
僕たちを出迎えてくれたのは、貴族服を着ているヘンリーさんでした。
きっと、今回の事件の強制捜査でやってきたんですね。
「違法薬物問題は、中々根絶するのが難しい。こうして、少しでも摘発してくれるととてもありがたい。二人も、これから頑張ってくれ」
「「はい!」」
元祖勇者様のヘンリーさんに声をかけられて、ノリスさんとノーヴェさんはかなり嬉しそうです。
やっぱり、ヘンリーさんはカリスマ性があるよね。
「ナオ君は、もう少し落ち着けば十分にやれるだろう。しっかりと二人に指導していたみたいだしね。エミリーは、感情をもう少しコントロールできないと。こちらから手を出すと、あまりいい結果を生まないぞ」
「うう、反省します……」
ヘンリーさんに結構注意されて、エミリーさんはしょぼーんとしちゃいました。
でも、常に僕たちを引っ張ってくれているもんね。
そして、ヘンリーさんは別件を教えてくれました。
「捜査はこのまま私が引き継ぐことになった。もう、十分すぎる量の証拠を押さえているからね。そして、明日は謁見を行うことになった。ナオ君とエミリーの婚約披露パーティーに招待されないと、色々なところに文句を言ってきた貴族への牽制だ。それは朝イチで終わらすので、その後は大教会での奉仕活動を行う」
明日は、朝から予定がぎっしりですね。
ノリスさん、ノーヴェさん、それにカエラとキースは、朝から大教会に行くそうです。
ということで、今日はこれで終わります。
ふう、中々忙しい一日だったけど、成果は多く得られましたね。
「エミリーさん、ストップ、ストップです! 正当防衛じゃないのに殴っちゃうと、後々大変ですよ」
「そ、それはそうだけど……」
エミリーさんは、不満そうな表情をしながら何とか納得してくれました。
当主は、助かったとヘナヘナとしちゃいました。
でも、罪は償って貰わないといけません。
「えっと、強制捜査妨害、並びに違法薬物所持の現行犯で逮捕します。捕縛して連行して下さい」
「「「はっ」」」
僕が兵に命令して、当主を縄で縛り上げます。
うーん、当主の力が抜けちゃって体がふにゃふにゃとして縛りにくそうですね。
そして、当主は歩くこともままならないので担架に乗せられて連行されていきました。
「ノリスさん、ノーヴェさん、中々大変なんですけど腹が立つことでもぐっと堪えることも必要です。変に問題を起こすと、後々が大変なんです。もちろん、正当防衛などは話が別です」
ノリスさんとノーヴェさんも、思わず苦笑していました。
僕だって、怒りを堪えるのが大変な時もあります。
でも、そこも覚えないといけないんですよね。
すると、ノリスさんがこんなことを言っていました。
「取り敢えず、激怒状態のエミリー様を止めるのはナオ様でないと無理そうです」
「私も難しそうです。それだけ、エミリー様が怒られていたのもありますが……」
ノーヴェさんも無理無理と言っていたけど、意外とカエラとキースならエミリーさんを止めることができそうです。
ごっそりと抜けた前勇者パーティの面々なら、間違いなくエミリーさんを止めることができます。
何にせよ、お仕事はまだまだ続きます。
「次はね、悪い証拠を探すんだよ!」
「隠した人が忘れちゃって、意外なところにあったりするんだよ」
今度は、カエラとキースがノリスさんとノーヴェさんに証拠の探し方を教えていました。
カエラとキースは、探し物が得意だもんね。
スラちゃんもいるから、この執務室は丸裸にされそうです。
「あと、屋敷内の各部屋も捜索します。屋外の倉庫に重要なものがあったりもします。なので、兵によって現場保存して数日かけて探します」
「でも、重要なものは直ぐに見つけちゃうよ!」
カエラが自信満々に答えているけど、それは僕たちのお友達の能力がずば抜けているからなんだよね。
「本当に強制捜査って大変なんですね。改めて勉強になりました」
「法律関係も勉強しないとなりませんね」
ノリスさんとノーヴェさんは、緊迫した状況が一段落して思わずホッとしていました。
これからもこうした強制捜査の現場に立ち会わないとならないし、頑張っていきましょうね。
そして、エミリーさんも気持ちが落ち着いたみたいで、通信用魔導具で各所に連絡をとっていました。
「ふう、これでよしっと。このまま執務室の捜索を終えたら、軍の施設に来てくれってことよ」
「エミリーさんが落ち着いてくれて良かったです」
「みんなを引っ張らないとっていう思いもあったから、ちょっと気が立ってしまったわ。反省しないとね」
エミリーさんも、自分の失敗を反省していました。
うん、これならエミリーさんの精神状態は大丈夫ですね。
そして、みんなで手分けして執務室や屋敷内の捜索を終え、一足早く軍の施設に向かいました。
すると、軍の施設にこの人がいたのです。
「みんなお帰り。初めてにしては、中々頑張ったみたいだね」
「ヘンリーお兄様!」
僕たちを出迎えてくれたのは、貴族服を着ているヘンリーさんでした。
きっと、今回の事件の強制捜査でやってきたんですね。
「違法薬物問題は、中々根絶するのが難しい。こうして、少しでも摘発してくれるととてもありがたい。二人も、これから頑張ってくれ」
「「はい!」」
元祖勇者様のヘンリーさんに声をかけられて、ノリスさんとノーヴェさんはかなり嬉しそうです。
やっぱり、ヘンリーさんはカリスマ性があるよね。
「ナオ君は、もう少し落ち着けば十分にやれるだろう。しっかりと二人に指導していたみたいだしね。エミリーは、感情をもう少しコントロールできないと。こちらから手を出すと、あまりいい結果を生まないぞ」
「うう、反省します……」
ヘンリーさんに結構注意されて、エミリーさんはしょぼーんとしちゃいました。
でも、常に僕たちを引っ張ってくれているもんね。
そして、ヘンリーさんは別件を教えてくれました。
「捜査はこのまま私が引き継ぐことになった。もう、十分すぎる量の証拠を押さえているからね。そして、明日は謁見を行うことになった。ナオ君とエミリーの婚約披露パーティーに招待されないと、色々なところに文句を言ってきた貴族への牽制だ。それは朝イチで終わらすので、その後は大教会での奉仕活動を行う」
明日は、朝から予定がぎっしりですね。
ノリスさん、ノーヴェさん、それにカエラとキースは、朝から大教会に行くそうです。
ということで、今日はこれで終わります。
ふう、中々忙しい一日だったけど、成果は多く得られましたね。

