「王妃様、僕たちはどうすればいいですか?」
「うーん、今は特にやることはないわ。正直なところ、残っているのはブレアとナンシーの荷物だけなのよ。アーサーたちと遊んであげてね」
玄関ホールであれこれ指示をしている王妃様に確認しても、急ぎでやることはないみたいです。
何だか、王妃様の似た者夫婦ねという言葉がとても印象的でした。
そういえば、ナンシーさんもレガリアさんに怒られながら荷物を片付けていたっけ。
ということで、僕は王妃様からの指示通りにアーサーちゃんのところに向かいました。
「あっ、ナオにーにだ!」
屋敷の庭に出ると、みんなと一緒に追いかけっこしていたアーサーちゃんが僕に気がつきました。
他の子やクロちゃんたちも、僕に笑顔で抱きついてきました。
「引越しのお手伝いは?」
「運ぶものがないから、今はお休みだよ」
「そーなんだ!」
セードルフちゃんが僕に抱きつきながら聞いてきたけど、どうやらルルちゃん以外は今日引越しをしていると知っているみたいです。
すると、アーサーちゃんがこんなことを言ってきたのです。
「あのね、ブレアおにーちゃんが『引越し面倒くさい!』って言っていたよ」
「あっ、ナンシーお姉ちゃんも言っていたよ!」
セードルフちゃんまで似たようなことを言ってきたけど、小さい子どもって色々なところをよく見ているね。
一緒についている使用人も、小さい子の話を聞いて思わず苦笑しちゃいました。
小さい子の前でも、きちんとしないといけないと思いました。
そんなこんなで、午前中はちびっ子たちと遊んでいました。
うーん、荷物運びのお手伝いのはずなのに朝方だけになっちゃいました。
「「「「もぐもぐもぐ、おいしー!」」」」
「ふふ、よかったわね。いっぱい食べるのよ」
昼食も新しい屋敷の食堂で食べることになり、ちびっ子四人は美味しそうにハンバーグを食べていました。
王妃様も、口の周りを汚しながらハンバーグを食べるちびっ子にご満悦です。
そんな中、僕は王妃様にあることを質問しました。
「王妃様、ブレアさんは……」
「ああ、あの子ね。部屋の片付けが終わらないから、昼食は後回しよ」
「「「「昨日とおんなじー」」」」
ニコリとする王妃様の回答よりも、僕は声を揃えているちびっ子四人の言った内容が気になりました。
昨日、ナンシーさんは部屋の片付けが進まなくて昼食抜きになったはず。
ということは、王城でも同じようなことがあったというわけですね。
うん、僕も部屋の片付けは気をつけようと心に誓ったのでした。
「「ただいまー」」
「あら、お帰りなさい」
結局片付けはもっと時間がかかるということになり、僕たちは解散となりました。
先にセードルフちゃんとルルちゃんをドラちゃんで送ったのち、アーサーちゃんとエドガーちゃんを王城に送りました。
マリアさんが僕たちを出迎えてくれたけど、どうやらつわりはだいぶ良いみたいですね。
「あのね、お祖母様激おこだったよ」
「おこー!」
「あらら、そうだったのね。でも、アーサーとエドガーもきちんと片付けをしないと誰かに怒られちゃうわよ」
マリアさんは、抱きついている息子に思わず苦笑していました。
そして、僕はあることを思い出してしまいました。
今日一日王城の自室に引きこもって姿を現さなかったエミリーさんのことを。
実は、良い機会だとシャーロットさんの監視下でエミリーさんは自室の片付けをしていたのです。
もしかして、王家は総じて片付けが苦手なのかな。
「うーん、ジョージも片付けはあまり得意ではなかったわね。ヘンリーはその辺もバッチリだったわ」
おお、流石は完璧超人のヘンリーさんです。
顎に手を当てて思い出してたマリアさんも、部屋が散らかっていたのは見たことがないそうです。
やっぱり、部屋は綺麗な方がいいですね。
ちなみに、引越しの殆どは既に終わっていたのに、ブレアさんとナンシーさんの私物の搬入はなんとあと二日掛かってしまいました。
その度に、ブレアさんとナンシーさんは罰として昼食抜きになっちゃいました。
「うーん、今は特にやることはないわ。正直なところ、残っているのはブレアとナンシーの荷物だけなのよ。アーサーたちと遊んであげてね」
玄関ホールであれこれ指示をしている王妃様に確認しても、急ぎでやることはないみたいです。
何だか、王妃様の似た者夫婦ねという言葉がとても印象的でした。
そういえば、ナンシーさんもレガリアさんに怒られながら荷物を片付けていたっけ。
ということで、僕は王妃様からの指示通りにアーサーちゃんのところに向かいました。
「あっ、ナオにーにだ!」
屋敷の庭に出ると、みんなと一緒に追いかけっこしていたアーサーちゃんが僕に気がつきました。
他の子やクロちゃんたちも、僕に笑顔で抱きついてきました。
「引越しのお手伝いは?」
「運ぶものがないから、今はお休みだよ」
「そーなんだ!」
セードルフちゃんが僕に抱きつきながら聞いてきたけど、どうやらルルちゃん以外は今日引越しをしていると知っているみたいです。
すると、アーサーちゃんがこんなことを言ってきたのです。
「あのね、ブレアおにーちゃんが『引越し面倒くさい!』って言っていたよ」
「あっ、ナンシーお姉ちゃんも言っていたよ!」
セードルフちゃんまで似たようなことを言ってきたけど、小さい子どもって色々なところをよく見ているね。
一緒についている使用人も、小さい子の話を聞いて思わず苦笑しちゃいました。
小さい子の前でも、きちんとしないといけないと思いました。
そんなこんなで、午前中はちびっ子たちと遊んでいました。
うーん、荷物運びのお手伝いのはずなのに朝方だけになっちゃいました。
「「「「もぐもぐもぐ、おいしー!」」」」
「ふふ、よかったわね。いっぱい食べるのよ」
昼食も新しい屋敷の食堂で食べることになり、ちびっ子四人は美味しそうにハンバーグを食べていました。
王妃様も、口の周りを汚しながらハンバーグを食べるちびっ子にご満悦です。
そんな中、僕は王妃様にあることを質問しました。
「王妃様、ブレアさんは……」
「ああ、あの子ね。部屋の片付けが終わらないから、昼食は後回しよ」
「「「「昨日とおんなじー」」」」
ニコリとする王妃様の回答よりも、僕は声を揃えているちびっ子四人の言った内容が気になりました。
昨日、ナンシーさんは部屋の片付けが進まなくて昼食抜きになったはず。
ということは、王城でも同じようなことがあったというわけですね。
うん、僕も部屋の片付けは気をつけようと心に誓ったのでした。
「「ただいまー」」
「あら、お帰りなさい」
結局片付けはもっと時間がかかるということになり、僕たちは解散となりました。
先にセードルフちゃんとルルちゃんをドラちゃんで送ったのち、アーサーちゃんとエドガーちゃんを王城に送りました。
マリアさんが僕たちを出迎えてくれたけど、どうやらつわりはだいぶ良いみたいですね。
「あのね、お祖母様激おこだったよ」
「おこー!」
「あらら、そうだったのね。でも、アーサーとエドガーもきちんと片付けをしないと誰かに怒られちゃうわよ」
マリアさんは、抱きついている息子に思わず苦笑していました。
そして、僕はあることを思い出してしまいました。
今日一日王城の自室に引きこもって姿を現さなかったエミリーさんのことを。
実は、良い機会だとシャーロットさんの監視下でエミリーさんは自室の片付けをしていたのです。
もしかして、王家は総じて片付けが苦手なのかな。
「うーん、ジョージも片付けはあまり得意ではなかったわね。ヘンリーはその辺もバッチリだったわ」
おお、流石は完璧超人のヘンリーさんです。
顎に手を当てて思い出してたマリアさんも、部屋が散らかっていたのは見たことがないそうです。
やっぱり、部屋は綺麗な方がいいですね。
ちなみに、引越しの殆どは既に終わっていたのに、ブレアさんとナンシーさんの私物の搬入はなんとあと二日掛かってしまいました。
その度に、ブレアさんとナンシーさんは罰として昼食抜きになっちゃいました。

