「ただいま」
「「アンアン」」
「「お帰りなさい」」

 夕方前に、村の周囲の警戒をしていたサマンサお姉ちゃん、クロちゃん、ギンちゃんが家に戻ってきました。
 僕とキースは、ちょうどお風呂上がりのタイミングではち合わせしました。

「サマンサお姉ちゃん、成果はあった?」
「適当に危なそうな魔物を倒しただけで、他は危険なものはなかったわ。軽く町中も確認したけど、問題はなさそうね」
「「アン」」

 サマンサお姉ちゃんだけでなく、クロちゃんとギンちゃんも何も問題なかったと言っていました。
 これなら、安心して収穫祭を迎えられるね。
 そこに、これからお風呂に入るお父さんがやってきました。

「空振りだとしても、キチンと調べるのは大事だぞ。なんにも問題はなかったという結果を得るのと、何もしていないというのは大違いだからな」
「分かっているよ。もしあの三家の誰かが来たら、本気で相手にしてあげたのになあ」

 サマンサお姉ちゃんが本気を出したら、あの三家の人はボロボロですまなくなっちゃうよ。
 そういえば、昨年教会の仮祭壇をボロボロに壊した三家の人は村人に拘束されていただけ。
 サマンサお姉ちゃんはシスターさんの補佐役だったし、何も手出しはしていないんだよね。

「今回は、カエラと共にキキちゃんも教会の施設に泊まるのよ。何かあっても直ぐに対応できるわ」

 今度は、料理が一段落したお母さんが僕たちに声をかけてきました。
 キキちゃんは探索能力に優れているし、カエラもとても強いもんね。

「サマンサがお風呂から上がったら夕食にするわ。あなたも、早くお風呂に入ってね」

 この話はお母さんがしめて終了です。
 サマンサお姉ちゃんも着替えの為に部屋に向かい、僕はクロちゃんとギンちゃんに生活魔法をかけて綺麗にしてあげます。
 僕とキースは、そのまま食堂に向かいました。

「そういえば、私の結婚式なんだけど他の二人と合同で行うことになったのよ。ついでだから、一回でやっちゃおうって話よ」

 夕食時に、サマンサお姉ちゃんが中々びっくりすることを教えてくれました。
 でも、前にお母さんも合同結婚式になったら良いなって言っていたもんね。
 それに、二組の結婚式になったとしてもやることは変わりありません。

「念の為にエミリーさんとナンシーさんにもつたえるけど、招待客は変更ないんだよね?」
「仲間二人の親族が増えるけど、元々招待客だったもんね。だから、何にも問題はないよ」

 そこそこの規模の村だけど、みんな知り合いだもんね。
 披露宴をどうするか考えているみたいだけど、多分何とかなると思います。
 その後も色々な話をしているけど、普段王都にいるからこういう地元の情報ってとても貴重です。
 こうして夕食は進んで行きました。

「じゃあ、キースお休み」
「お兄ちゃん、お休み」
「キュー」

 キースはいつも一緒に寝ているカエラがいないので、今晩はスラちゃんとドラちゃんと一緒に寝るそうです。
 僕も、久々に実家の部屋で寝るのでちょっとだけ緊張しています。
 それでも、ベッドに入るとあっという間に眠気に襲われました。
 明日、無事に収穫祭が終わるといいな。