半月は、色々なところに治療に行きました。
 治療を受ける人は様々な経緯で病気になっていて、凄く勉強になりました。
 エミリーさんと一緒に治療に行ったこともあり、貴族や平民など様々な人と出会えました。
 たまにカエラとキースも一緒に治療を行っていて、二人とも良い経験になったと言っていました。

「じゃあ、ドラちゃん宜しくね」
「「よろしくー!」」
「グルル」

 そして、今日は王都に近い王国直轄領での奉仕活動で、みんなでドラちゃんに乗って移動しました。
 僕とエミリーさんが中心となって行う予定です。
 ある意味、新しい勇者パーティーの試運転みたいなものですね。
 カエラとキースも王都に来ているので、一緒に参加してもらいます。
 お手伝いとして、リルムさんにも来てもらいました。
 リルムさんは戦闘能力を持っていないので、万が一に備えてキキちゃんがピタッと寄り添います。

「皆さま、本日は宜しくお願いします」
「「お願いします!」」
「「アンアン!」」

 ドラちゃんは直轄領の教会前に着陸し、直ぐに司祭様が僕たちに声をかけてきました。
 カエラとキースが元気よく挨拶をし、クロちゃんとギンちゃんも負けじと大きな声で挨拶をします。
 さっそく奉仕活動を行うけど、今日は無料治療を行うことになっています。
 リルムさんの側にはドラちゃんがいて、一緒に治療を行うことになりました。

「じゃあ、スラちゃん、クロちゃん、宜しくお願いね」
「アン!」

 そして、シロちゃんはクロちゃんの背中に乗って直轄領守備隊と共に町の巡回を行います。
 常に守備隊が町を巡回しているけど、念の為に行います。
 治療班にはギンちゃんとキキちゃんがいるので、何かあっても直ぐに対応できます。
 ではでは、さっそく治療を行いましょう。

 シュイン、ぴかー。

「はい、これで腕の治療は完了しました。お腹の調子も良くなかったので、ついでに治療しています」
「こりゃ凄い。流石は白銀の竜使いだ」

 僕たちも、ドンドンと町の人を治療していきます。
 実は、治療以外にも行っていることがあります。

「あの、最近困っていることや不審な情報ってありますか?」

 それは、町の人から情報を得ることです。
 王都の奉仕活動でもたまに行っていて、今回王国直轄領でも意見を集めることにしました。
 集められた意見は種類ごとに分別し、王城に一旦集められてから代官に報告します。
 そして、定期的に代官から進捗報告を聞くことにします。
 もちろん、即時対応が必要なものがあれば直ぐに対応します。
 邪神教への脅威が殆ど無くなったので、これを期に僕たちは王国の人たちの不満解決に動き出しました。
 全ての不平不満には対応できないけど、可能な範囲で対応します。
 犯罪組織が見つかったら、普通に殲滅するけどね。