その後は皆で手分けして執務室と屋敷内の捜索を行ったけど、次から次へと色々な犯罪の証拠が出てきました。
特に、嫡男の部屋からは大量の使用済みの違法薬物が出ていて、嫡男が違法薬物中毒になっている事を裏付けていた。
スラちゃんも嫡
男を治療しても元の状態に戻るのかと言うレベルだったし、まともに動けていない様子を近くで見てしまった。
今回の違法薬物の件は、かなり大きな問題になりそうです。
「そして、私をあの嫡男の嫁にしようとしたのね。思いっきりため息が出るレベルで、きっぱりとお断りよ。そもそのここは子爵家だし、伯爵になる見込みはなかったのにどうして私を嫁にしようと考えたのかしら」
僕と一緒に執務室の捜索を行っているエミリーさんが思わず愚痴を零していたけど、前提として王家の王女を嫁に迎え入れるには伯爵家以上の爵位と法律で決まっています。
今回問題を起こしたのは子爵家だし、実績も何もないので普通は伯爵に陞爵するのは不可能です。
すると、ヘンリーさんが呆れた表情をしながら書類を手にして話してきました。
「どうやら、この子爵家は多額の寄付を王家にして爵位を上げてもらおうという愚かな事を考えていたみたいだ。不法な方法で得た金なんぞ、まっぴらごめんだがな」
「「……」」
ヘンリーさんの説明を聞いた僕とエミリーさんは、思わず固まってしまいました。
お金で爵位を上げようとするなんて、前代未聞のことだそうです。
たぶん、こんなことをしても子爵から伯爵になるのは絶対に不可能だったでしょう。
そして、多額の金の出所を調べられて、直ぐに捕まったはずです。
「新たな犯罪の手口とみて、これからも注意しないとならない。違法薬物が市民に流通しないように、警戒を強めないとならないな」
ヘンリーさんがこれからの方針を僕たちに伝えたけど、違法薬物事件を元から絶たないといけないね。
でも、暫く王家はイベントごとが続くし、まともに動けるのは僕とエミリーさんとスラちゃんたちだけです。
いきなり何も知らない人を勇者パーティに加えるのは難しいし、これからの人選を考えないといけないね。
「暫くは、ナオ君のご兄妹にお願いしよう。私たちも良く顔を知っているし、実力も問題ない」
ということで、ヘンリーさんの方針で実家から遊びに来たサマンサお姉ちゃん、カエラ、キースを臨時の冒険者パーティのメンバーにする事になりました。
近衛騎士も増員するみたいだし、たぶん大丈夫だと思います。
大体の物を押収したので、僕たちは一旦軍の施設経由で王城に戻りました。
「なんとも愚かな事を考えていたものだ。違法薬物という汚れた手段で手に入れた金など、王家には一切不要だ。嫡男も既に違法薬物の過剰摂取で廃人に近いみたいだし、貴族家として成り立っていない。そんな貴族家に、娘を嫁に出すことなど絶対にありえない」
会議室でヘンリーさんから報告を聞いた陛下は、普段滅多に見せない程かなり怒っていました。
何よりも、違法薬物を扱っていたことが許せないみたいですね。
「まだ次男が残っているみたいだが、爵位を継がせるかは捜査の結果次第だ。国として、違法薬物は許さないという決意を示さないとならない。その為に、結婚式前の王都内巡回を強化する」
謁見までは行わないかもしれないけど、どこかで全貴族家に改めて違法薬物に手を出すなと周知されそうです。
僕としても、気を引き締める意味合いで周知をした方が良いと思いました。
「ナオの関係者は、能力以前に人としてもとても優秀だ。勇者パーティに加えても、何も問題はない。ナオには素晴らしい二つ名があるから、エミリーが勇者の称号を継げる様にならないとな」
「お、お父様、それはちょっと……」
エミリーさんが若干引きつった表情で陛下に苦言を呈していたけど、僕はエミリーさんが次の勇者様になっても問題ないと思うけどなあ。
いずれにせよ、正式に僕の兄弟が勇者パーティの助っ人をする事が認められました。
今までも、臨時のお手伝いをしていたもんね。
今日の活動はこれで終わったので、僕たちは大きくなったドラちゃんに乗って実家に向かいました。
今後のことを話さないといけないもんね。
「時間がある時には、是非お手伝いさせて下さい。結婚式前なので、出費がかさんでいますので。場合によっては、婚約者を連れていきますね」
「「お手伝いするー!」」」
ヘンリーさんが僕の家族に説明すると、サマンサお、カエラ、キースは元気よく返事をしていました。
サマンサお姉ちゃんの場合は、結構現実的な理由もあるけど。
「カエラとキースが王都に行く時は、私か旦那も同行していきますわ」
「えっ、俺もドラちゃんに乗るの!?」
「あなたは馬車でもいいわよ。ドラちゃんに乗ったら、あなたは全く使い物にならないわ」
うーん、目の前で夫婦漫才が繰り広げられているけど、いずれにせよカエラとキースが王都に来る時はお父さんかお母さんが保護者としてついてくることになりました。
ドラちゃんはお父さんのことも好きなので、なんで一緒に乗ったらダメなんだろうなと不思議そうに思っていました。
特に、嫡男の部屋からは大量の使用済みの違法薬物が出ていて、嫡男が違法薬物中毒になっている事を裏付けていた。
スラちゃんも嫡
男を治療しても元の状態に戻るのかと言うレベルだったし、まともに動けていない様子を近くで見てしまった。
今回の違法薬物の件は、かなり大きな問題になりそうです。
「そして、私をあの嫡男の嫁にしようとしたのね。思いっきりため息が出るレベルで、きっぱりとお断りよ。そもそのここは子爵家だし、伯爵になる見込みはなかったのにどうして私を嫁にしようと考えたのかしら」
僕と一緒に執務室の捜索を行っているエミリーさんが思わず愚痴を零していたけど、前提として王家の王女を嫁に迎え入れるには伯爵家以上の爵位と法律で決まっています。
今回問題を起こしたのは子爵家だし、実績も何もないので普通は伯爵に陞爵するのは不可能です。
すると、ヘンリーさんが呆れた表情をしながら書類を手にして話してきました。
「どうやら、この子爵家は多額の寄付を王家にして爵位を上げてもらおうという愚かな事を考えていたみたいだ。不法な方法で得た金なんぞ、まっぴらごめんだがな」
「「……」」
ヘンリーさんの説明を聞いた僕とエミリーさんは、思わず固まってしまいました。
お金で爵位を上げようとするなんて、前代未聞のことだそうです。
たぶん、こんなことをしても子爵から伯爵になるのは絶対に不可能だったでしょう。
そして、多額の金の出所を調べられて、直ぐに捕まったはずです。
「新たな犯罪の手口とみて、これからも注意しないとならない。違法薬物が市民に流通しないように、警戒を強めないとならないな」
ヘンリーさんがこれからの方針を僕たちに伝えたけど、違法薬物事件を元から絶たないといけないね。
でも、暫く王家はイベントごとが続くし、まともに動けるのは僕とエミリーさんとスラちゃんたちだけです。
いきなり何も知らない人を勇者パーティに加えるのは難しいし、これからの人選を考えないといけないね。
「暫くは、ナオ君のご兄妹にお願いしよう。私たちも良く顔を知っているし、実力も問題ない」
ということで、ヘンリーさんの方針で実家から遊びに来たサマンサお姉ちゃん、カエラ、キースを臨時の冒険者パーティのメンバーにする事になりました。
近衛騎士も増員するみたいだし、たぶん大丈夫だと思います。
大体の物を押収したので、僕たちは一旦軍の施設経由で王城に戻りました。
「なんとも愚かな事を考えていたものだ。違法薬物という汚れた手段で手に入れた金など、王家には一切不要だ。嫡男も既に違法薬物の過剰摂取で廃人に近いみたいだし、貴族家として成り立っていない。そんな貴族家に、娘を嫁に出すことなど絶対にありえない」
会議室でヘンリーさんから報告を聞いた陛下は、普段滅多に見せない程かなり怒っていました。
何よりも、違法薬物を扱っていたことが許せないみたいですね。
「まだ次男が残っているみたいだが、爵位を継がせるかは捜査の結果次第だ。国として、違法薬物は許さないという決意を示さないとならない。その為に、結婚式前の王都内巡回を強化する」
謁見までは行わないかもしれないけど、どこかで全貴族家に改めて違法薬物に手を出すなと周知されそうです。
僕としても、気を引き締める意味合いで周知をした方が良いと思いました。
「ナオの関係者は、能力以前に人としてもとても優秀だ。勇者パーティに加えても、何も問題はない。ナオには素晴らしい二つ名があるから、エミリーが勇者の称号を継げる様にならないとな」
「お、お父様、それはちょっと……」
エミリーさんが若干引きつった表情で陛下に苦言を呈していたけど、僕はエミリーさんが次の勇者様になっても問題ないと思うけどなあ。
いずれにせよ、正式に僕の兄弟が勇者パーティの助っ人をする事が認められました。
今までも、臨時のお手伝いをしていたもんね。
今日の活動はこれで終わったので、僕たちは大きくなったドラちゃんに乗って実家に向かいました。
今後のことを話さないといけないもんね。
「時間がある時には、是非お手伝いさせて下さい。結婚式前なので、出費がかさんでいますので。場合によっては、婚約者を連れていきますね」
「「お手伝いするー!」」」
ヘンリーさんが僕の家族に説明すると、サマンサお、カエラ、キースは元気よく返事をしていました。
サマンサお姉ちゃんの場合は、結構現実的な理由もあるけど。
「カエラとキースが王都に行く時は、私か旦那も同行していきますわ」
「えっ、俺もドラちゃんに乗るの!?」
「あなたは馬車でもいいわよ。ドラちゃんに乗ったら、あなたは全く使い物にならないわ」
うーん、目の前で夫婦漫才が繰り広げられているけど、いずれにせよカエラとキースが王都に来る時はお父さんかお母さんが保護者としてついてくることになりました。
ドラちゃんはお父さんのことも好きなので、なんで一緒に乗ったらダメなんだろうなと不思議そうに思っていました。

