翌日、僕たちは王城に行ってから例の伯爵家に向かうことになりました。
お腹を刺されて治療した伯爵の体調も随分と良くなったみたいで、面会オッケーが出たからです。
予定通りヘンリーさん達も一緒に伯爵家に行くことになったので、僕達は護衛の近衛騎士と共に馬車に乗って伯爵家に向かいました。
伯爵家に着いたら、最初に伯爵がいる自室に行って伯爵の治療から始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、刺されたところももう大丈夫です。後は、しっかりと療養するだけですね」
「子爵殿、本当にありがとう。しっかりと体を治さないとなりませんな」
伯爵の体調が良くなるにつれて、表情も明るくなってきました。
そして、ヘンリーさんが主導しながら伯爵と話をする事になりました。
「殿下、この度は多大なご迷惑をおかけし本当に申し訳ない。どの様な処分でも、甘んじて受け入れよう」
「伯爵、既に怪しいと連絡を受けていて直ぐに対応出来なかった我々にも問題がある。その点は、逆にこちらが申し訳ない。処分については、情状酌量が認められるだろう」
伯爵夫人が邪神教に手を付けていたという情報は、伯爵から王城に伝えられていました。
僕たちも軍も順番に対応していてその間に伯爵夫人が暴走したのだから、伯爵が全て悪いわけではありません。
ヘンリーさんも軍も、その辺の事情は良く分かっていました。
「貴族にとって、結婚というのはある意味義務的な物がある。子どもをもうけるというのも同じだ。妻はお嬢様育ちで子育てなどにも関心はなく、贅沢をするようになった。そして、夫婦生活に亀裂が入ったのだよ」
伯爵が夫人について話し始めたけど、結婚と子育てを完全に貴族の義務と割り切っていたんだ。
だから、跡取りを生んだら自分の役目は終わりだと勘違いして好き勝手やり始めたそうです。
伯爵がいくら咎めても夫人は元々侯爵家の育ちというのもあり、自分の実家よりも格下の貴族の話なんか聞きたくなかった様です。
うーん、侯爵家の夫人への教育にも問題がありそうな気がします。
「侯爵家にもこの件を問い合わせたが、今頃になって教育指導の問い合わせをするのではないと回答してきた。ところが、邪神教関連の件だと言うと手のひらを返したように対応を変えてきた。侯爵家としては、まさか嫁ぎ先でそんな事をするとは思ってもなかったみたいだ」
ヘンリーさんが呆れた様子で捜査状況を教えてくれたけど、伯爵夫人の実家の侯爵家は兵の質問に取り合わなかったそうです。
やむなく昨日の午後にヘンリーさんとシンシアさんが侯爵家の屋敷に向かい、侯爵家はようやく事の重大性を認識したそうです。
侯爵家自体は邪神教に手を出していないけど、それでも強制捜査を受けることになったそうです。
「私たち夫婦は日々の会話も全くなく、なんとか話しかけようとしても全て無視された。食事を食べる時も別々で、寝室も別々だ。それでも、対外的な時には夫婦として対応しないとならぬ。なんとも皮肉なことだな。エミリー王女殿下も子爵殿も、まだまだ若い。お互いに喧嘩をする時もあるだろうが、それでも互いに信頼しないとならない。だが、一緒にいるということはそういう事だ。二人の将来が良い物になることを、切に願っておるぞ」
「「ありがとうございます」」
伯爵は、僕とエミリーさんに自身の教訓を元にしたアドバイスをしました。
きっと伯爵は夫婦関係を何とかしたかったのだけど、伯爵夫人は完全に拒絶して自分の世界に入っちゃったんだね。
トドメに伯爵夫人が邪神教に手を出して、全てが壊れちゃいました。
僕とエミリーさんには、こんな歪な夫婦関係にならないようにと思っているんだね。
僕の両親は、たまに喧嘩もするけどとても仲がいいもんなぁ。
王家の人々もとても仲いいし、そう思うと夫婦関係ってとても大事なんだね。
幸いにして伯爵の息子夫婦はとても仲が良いらしく、ある意味両親の反面教師なのかもしれません。
こうして何とか伯爵への聴取を終えて、僕たちは王城に戻りました。
「夫婦関係とは、中々難しいものだな。恋愛結婚だとしても、不仲になって離婚する事もある。逆に、貴族的な結婚でも仲良くなる場合もある。本当に人の関係っていうのは難しいものだ」
会議室で陛下に伯爵への聴取結果を報告したけど、陛下も夫婦関はとても難しいと腕を組みながら唸っていました。
それでも、今回の件は色々な事を勉強するいい機会になりました。
そして、陛下がある事を説明しました。
「処分を全て出すにはもう少し時間がかかるが、ブレアとナンシーの結婚式は予定通り進める。ここ数年処分を受けた貴族は結婚式に参加できないが、更に今回処分を受けた貴族も結婚式に参加させない予定だ」
予定している行事に変更はないので、それまでに裁判を行ったり貴族家への処分を行うそうです。
処分を通達する謁見も予定するそうで、そこで色々な事を話しするそうです。
何にせよ、これで一連の邪神教関連の事件が落ち着いて欲しいですね。
お腹を刺されて治療した伯爵の体調も随分と良くなったみたいで、面会オッケーが出たからです。
予定通りヘンリーさん達も一緒に伯爵家に行くことになったので、僕達は護衛の近衛騎士と共に馬車に乗って伯爵家に向かいました。
伯爵家に着いたら、最初に伯爵がいる自室に行って伯爵の治療から始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、刺されたところももう大丈夫です。後は、しっかりと療養するだけですね」
「子爵殿、本当にありがとう。しっかりと体を治さないとなりませんな」
伯爵の体調が良くなるにつれて、表情も明るくなってきました。
そして、ヘンリーさんが主導しながら伯爵と話をする事になりました。
「殿下、この度は多大なご迷惑をおかけし本当に申し訳ない。どの様な処分でも、甘んじて受け入れよう」
「伯爵、既に怪しいと連絡を受けていて直ぐに対応出来なかった我々にも問題がある。その点は、逆にこちらが申し訳ない。処分については、情状酌量が認められるだろう」
伯爵夫人が邪神教に手を付けていたという情報は、伯爵から王城に伝えられていました。
僕たちも軍も順番に対応していてその間に伯爵夫人が暴走したのだから、伯爵が全て悪いわけではありません。
ヘンリーさんも軍も、その辺の事情は良く分かっていました。
「貴族にとって、結婚というのはある意味義務的な物がある。子どもをもうけるというのも同じだ。妻はお嬢様育ちで子育てなどにも関心はなく、贅沢をするようになった。そして、夫婦生活に亀裂が入ったのだよ」
伯爵が夫人について話し始めたけど、結婚と子育てを完全に貴族の義務と割り切っていたんだ。
だから、跡取りを生んだら自分の役目は終わりだと勘違いして好き勝手やり始めたそうです。
伯爵がいくら咎めても夫人は元々侯爵家の育ちというのもあり、自分の実家よりも格下の貴族の話なんか聞きたくなかった様です。
うーん、侯爵家の夫人への教育にも問題がありそうな気がします。
「侯爵家にもこの件を問い合わせたが、今頃になって教育指導の問い合わせをするのではないと回答してきた。ところが、邪神教関連の件だと言うと手のひらを返したように対応を変えてきた。侯爵家としては、まさか嫁ぎ先でそんな事をするとは思ってもなかったみたいだ」
ヘンリーさんが呆れた様子で捜査状況を教えてくれたけど、伯爵夫人の実家の侯爵家は兵の質問に取り合わなかったそうです。
やむなく昨日の午後にヘンリーさんとシンシアさんが侯爵家の屋敷に向かい、侯爵家はようやく事の重大性を認識したそうです。
侯爵家自体は邪神教に手を出していないけど、それでも強制捜査を受けることになったそうです。
「私たち夫婦は日々の会話も全くなく、なんとか話しかけようとしても全て無視された。食事を食べる時も別々で、寝室も別々だ。それでも、対外的な時には夫婦として対応しないとならぬ。なんとも皮肉なことだな。エミリー王女殿下も子爵殿も、まだまだ若い。お互いに喧嘩をする時もあるだろうが、それでも互いに信頼しないとならない。だが、一緒にいるということはそういう事だ。二人の将来が良い物になることを、切に願っておるぞ」
「「ありがとうございます」」
伯爵は、僕とエミリーさんに自身の教訓を元にしたアドバイスをしました。
きっと伯爵は夫婦関係を何とかしたかったのだけど、伯爵夫人は完全に拒絶して自分の世界に入っちゃったんだね。
トドメに伯爵夫人が邪神教に手を出して、全てが壊れちゃいました。
僕とエミリーさんには、こんな歪な夫婦関係にならないようにと思っているんだね。
僕の両親は、たまに喧嘩もするけどとても仲がいいもんなぁ。
王家の人々もとても仲いいし、そう思うと夫婦関係ってとても大事なんだね。
幸いにして伯爵の息子夫婦はとても仲が良いらしく、ある意味両親の反面教師なのかもしれません。
こうして何とか伯爵への聴取を終えて、僕たちは王城に戻りました。
「夫婦関係とは、中々難しいものだな。恋愛結婚だとしても、不仲になって離婚する事もある。逆に、貴族的な結婚でも仲良くなる場合もある。本当に人の関係っていうのは難しいものだ」
会議室で陛下に伯爵への聴取結果を報告したけど、陛下も夫婦関はとても難しいと腕を組みながら唸っていました。
それでも、今回の件は色々な事を勉強するいい機会になりました。
そして、陛下がある事を説明しました。
「処分を全て出すにはもう少し時間がかかるが、ブレアとナンシーの結婚式は予定通り進める。ここ数年処分を受けた貴族は結婚式に参加できないが、更に今回処分を受けた貴族も結婚式に参加させない予定だ」
予定している行事に変更はないので、それまでに裁判を行ったり貴族家への処分を行うそうです。
処分を通達する謁見も予定するそうで、そこで色々な事を話しするそうです。
何にせよ、これで一連の邪神教関連の事件が落ち着いて欲しいですね。

